お腹の奥にも凝り、できるんです。

今日まで日差しが暖かく、明日からぐっと寒くなるそうですね。

昨日は、皇居乾通り一般公開( https://www.kunaicho.go.jp/event/inui-r06aki.html )で見学へ。

多少緊張しつつも、入口が坂下門と確認せずにいたら、
皇居内で働く職人さん方がズラーッと並ぶ列をみつけ、並ぼうとしてしまうという失敗。
インバウンドツアーの外国人は誰一人としてならんでないのが不可解に感じ、
慎重に周囲を見回すと遠方に正解の集合場所を発見。
いい大人が恥ずかしい、、、。


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(坂下門前で乾通り一般公開待ちの写真)

紅葉する木々がすがすがしい乾通り、そして東宮御所へ。
いいさんぽができて。幸せでした。

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話は変わりまして。

腹部の最奥に位置する凝りのこと。

筋肉は玉ねぎが、表の皮から一枚ずつむいていくとなかにも葉があるような、
多層構造化しているイメージがあります。
皮膚に近いところに位置するのが表層筋、
皮膚から数センチ下にあり表層筋からさらに奥に入った筋肉が中層筋、
そして骨の骨膜に接する位置にある深層筋。
ざっくりいえばそのような分類ができるでしょう。

表層筋や中層筋などの筋膜リリースが終了し、
最奥の深層筋が容易にさわれるようになってきたお客様。
いままで表層筋や中層筋の不快さばかりに気を取られていました。
すると深層筋について不具合があっても、
その不具合を包み隠して気づけなくしている箇所が多数出てきます。
たとえ深層筋に不具合を多少感じてはみても、
それ以上の強度で不快さを訴える筋肉が表層等にある場合。
すでに深層筋に入る動脈管が圧迫等が生じていればなおさら、
深層筋の筋肉の炎症は脳まで情報が届くことがあまりなくて。
感じていてもさほどではない深層筋の不快さでした。

それが表層筋や中層筋が十分に処理して軟部組織として生きがよくなると、
途端に深層筋の炎症が感じ取れるようになってまいります。
そこまで改善が進み、ようやく気づき始めて、
炎症反応を起こして血流をそこに持っていこうとできるようになったわけです。
ですがこうした深層筋、
やたらに骨と同様の硬度を持つ硬さにまで軟部組織が変質していることがある。
そうなると不用意にこちらにアプローチをかければ、
すでに栄養を受け取れずに老廃物まみれで弱体した硬直した深層筋は脆くて、、
その筋膜や筋繊維は力任せな圧をしいれば断裂が起きやすいのです。

なので、こういった場合は、
オステオパシーの手技でカウンターストレインをつかったり、
マッスルエナジーテクニックをつかう、
またはホットストーン等で温熱刺激により硬化した組織を軟化させ、
そうなったことを確認をしてからアプローチに入るのが常套手段です。
手間暇時間が膨大にかかることなのです。
それも簡単に一回や二回のセッションで取れるかといえば、
そうもいかない点があって。
深層筋は骨格の位置をどこに置くかを決める機能を持つもので、
お客様の姿勢コントロールが正しき状態にあるかどうか。
たとえば、
もしミスアライメント傾向が多く姿勢コントロールのポイントを熟知なさっている場合。
そのときは賭けになるが、お客様に日頃の良好姿勢をお約束いただければときますねとするし、
なかなか良好姿勢を継続しづらかったり、
職業上不良姿勢を強いるなどの時間が多数あれば、
いきなり深々な4割リリースはせずに、2割リリース以下に留めます。
深層筋のリリース量が多くなれば、姿勢形態が急激に変わりますから、
保守的な人体は、そうした急激な変化や変調を受ければ、
急遽新たな部分にガッチガチな筋肉の支柱を創ることでしょう。
こうした施術という外的な介入により作られた支柱ができると、
非常に遡上的にもとに戻せない複雑な凝りになってしまいます。
あとあと、その人の人生を苦しめることになるでしょう。

もしフェルデンクライス・メソッドの先生のように身体操法を熟知しているが
部分的な深層筋の引っ掛かりがアライメント不良を産んでるようなときは、
了解を得られたら深々とした4割リリースをしてもいい。
それが契機となり、驚くほどのスピードで身体が良好な状態へと引き上がった方を私はみています。


ここまでは、これからのはなしの落語の枕のようなものでして。


こうした深層筋のなかでも、
もっとも奥にある深層筋というと。

それは内臓の腹腔内にできた凝りです。


特に女性の場合、
臍下の右側大腰筋部分から大きめな凝りができている人の場合。
最近私も気づいたということですが、
子宮裏手に子宮後屈した子宮の体表の膜組織と腰部側の組織が癒着しているケースがあります。
こうした場合、婦人科系の不調を訴えられる方が割合として多いように感じます。

ただこの部位、本当に子宮や小腸等で覆われた裏手になるため、
しっかりと腹部の表層にある腹直筋や腹横筋、あるいは腹斜筋まで十分リリースし、
同時に腰部の腰方形筋やら多裂筋などを含む起立筋が緩められることで、
患部の状態が察知できるようになりますが。
ですがここをリリースするには鼠径部を含む脚部(内転筋群は必至リリース)の骨化したような凝りなどを除去してからでなければ、
内蔵を不調に陥れることとなるでしょう。

私にとって、この部分はもっとも障りの恐怖が感じます。
だから本音では手を出したくない部分と言って過言ではありません。

ただそれでもここがリリースが徐々に進行することで、
後屈した子宮の腰部腹膜との癒着による固定が癒えていく。
そのことを知っているため、必要なステップを通っていかれてタイミングが合えば、
カクカクシカジカでとお話することがあります。

実際に、子宮裏手に癒着部分があれば、そちらを私がお腹側から触ることで、
本人も凝りがあることは認識できます。


リリースするときにリスクが高すぎると感じた場合には、
私には対処が難しいため他の先生に最適な方がいたらとお勧めすることとなります。
(そのときには私が直接、他の先生を紹介することはありません。
 ここまでの対処をしておられる先生のことを存じ上げませんので。。。)

冷えを生む組織になっていた子宮に順調なる血行が蘇りだし、
お腹の全体的な調子がよくなってくるようなのです。
子宮が後屈して腰部腹膜に癒着すれば、
子宮内を通る血管が折り曲げられることで血行阻害をうけてしまって冷えを生む臓器になってしまうと聞きます。
おおよそ婦人科系のトラブルにもなるようですし、
子宮に接する他の膀胱や大腰筋、小腸等も冷ますのは、
思わしくないことのようです。
なおかつ下腹部に姿勢を安定させるための下丹田への感覚が鈍くさせること。
または腹部の内部に生じている凝りの左右、上下の位置によって中心軸が狂わされます。
そして臓器にできた凝りほど邪気を貯めるところも少ないということも、
リリースする側の施術者には実感できています。
そうしたお腹に宿した邪気、ないほうがいいですよね。

そういったことを、諸々、考慮していくならば、
どうにかもっとスムースかつ簡易に内蔵部の深部にできた凝りを対処できないか。

皇居内を散策しながらも、
色々考えておりました。