早期発見で早期治療を妨げてはなりません

ときどき書籍などで医師は役に立たないと十把一絡にしている施術院の先生がいます。
それに心理カウンセラーを名乗るある先生が、
「検査ばっかりしても、検査じゃ治らないんだから」
といい体調を崩した方が検査を受ける機会を遠ざけるようなことをいいます。


私はその意見に賛同しかねます。


せめてフィジカルアセスメント関係の書籍に目を通しておけば、
問診により原因を推測し、
緊急性を見抜くことがどのような過程でなされるか、
その流れを理解することができるでしょう。
フローチャートがかけるほどシステマチックに、
このような問診でこのような訴えがあれば、
このような原因であるかを推測できる。
(フィジカルアセスメントガイドブックという本を参照のこと)
医師や看護師などはそれについて熟知しているでしょう。


ですが心理カウンセラーの方々は、
フィジカルアセスメント関係の専門書などはご覧になったこともない人もいます。
逆にご覧になったことがある方ならば、
検査など受ける必要がないとは言えなくなりますからね。


世の中の医療は検査が多くて大変ということもわかります。


ですが10年前なら症状の原因が究明できず為す術がなかったことが、
対処できるようになっていることもある。
それも早期に発見出来れば体にかかる負担が少ない対処が選べるときもある。
早期発見出来ればメリットが大きいわけです。


知人のお父さんが次のような経験をしたそうです。
腰痛を患っていて指圧にかかっていたら、
腰痛の原因が腎臓の疾患から由来するものだった。
ずっと指圧に通いだましだまし生活して来たのだ。
だが高熱を発してそのときには腎臓の疾患は重篤な状態になっていた。
私の知人はその経験からいいます。
「早期発見し早期治療していれば、父をなくさずにすんだのに。残念だ」


そのときの彼の言葉はしんみりと悔しそうでした。
心中を察するに余りあることでした。


施術院の先生や心理カウンセラー等を含めて、
早期発見と早期治療をしようと考えているクライアントの言葉を
ぜったいに妨げてはなりません。


もし施術院の先生等が
「自己の経験ではあなたの場合はこのような感じですから。
病院の検査なんて受ける必要なしです」
というようなことをいうのでしたら、
その先生方がもし早期発見できずに問題が重篤になったときに、
一切の責任を取ることができないことを思い出してください。


検査を受けるのは費用もかかります。
時間もかかります。
苦痛を伴うことさえあります。
嫌なものです。


ですがそこでどのような体の状態であるかを写真やデータでわかれば、
そこにはどこに向かい進めばよいかという道筋が書かれているのです。


それがわかって最適なアプローチが出来れば
対処が当てずっぽうで数打てば当たるなんていうことをしなくてすみます。
悔いを残しません。


私どもの施術を受けにお越しのお客様のなかには、
自分の体の情報をしっかり把握したいという考えで、
体に疑いがあれば検査は恐れずにきっちり受けるといっておられました。
だからその方は早期発見でき、経過観察をしていて、
早々に症状が治まってきてくれてほっとしていました。


この方に施術院の先生が医療機関での検査は必要ないといえば、
そんな施術院は瞬時に信頼を失い愛想をつかされることでしょう。


そのような方の姿勢は、大変評価できますし見習うべきでしょう。