床に水たまりをつくるほどの修練

一昨日前にテレビで放映されていたマイケル・ジャクソンTHIS IS IT』を観ました。


そのとき先行してマイケルが来日中の宿泊したホテルでのエピソードが語られていました。
マイケルが宿泊した部屋に入ると、
床がびちゃびちゃに濡れていたそうです。
映像ではこれはひどいといえるくらい。


誰がこのようないたずらをしたのかという感じで、
ホテルの従業員を集めてその床の水たまりの水を
拭き取る作業をしていたとき。
マイケルが、入ってきました。


テルマンが、しまった!怒られる!と思った。
そのときに汗で顔がぬれているマイケルが
「ゴメンね。それは私の汗です」といった。


テルマンはほっとしたでしょうが、
同時にこれほどの汗をかくトレーニングをしているのだと
驚嘆したことでしょう。


オーバーな表現だと思えるほどの映像シーン。


ですがそれは、
さほどオーバーなものではないかもしれません。


本当に深層筋を活かしていくような意図したトレーニングをすると、
床には水たまりができます。
それほどに激しい代謝が起きる。
(このときの汗質は普段の汗とは違うようです)




気を失ったほうが楽になれると思えるほどのことです。
気を失うこともあるでしょう。
失神するほどの苦しさ。
あまりの苦行ですから
誰にでもそれを勧められるものではありません。
自らが強い意思と最悪のリスクテイクする潔さ、
そのようなものを最低限備えていることが必要。



そのような苦を乗り越えるほどのモチベーションでおこなう修練は、
人間の肉体に潜在的に持っている能力を目覚めさせます。
そこから初めて自らのうちにある磨かれた原石が見つけられるでしょう。
それはちょっと感動です。


修練の方法はいい加減なものではなくて
十分に解剖学的にも気のめぐり的にも動きの概念的にも
考えぬかれたものでなければ意味がありません。
いい加減では体を壊すだけです。
成果は根性がついただけにとどまることもあるでしょう。
なかなか独学でそれをこなすことはできないでしょうね。


実際の話として、
そのことについて体験したことがある人は多くはないと思います。




何を隠そうありがたいことに、
私は施術をさせていただくうちに、
そのような修練を積んでいる幾人ものお客様と知り合いました。
それは私の体についての見識を深めるための貴重な財産です。


そのお客様方は、
私の施術を受けつつ、
深層筋を床をびしゃびしゃにしつつ鍛えつつ。


そのときの体は、
短期間に劇的な変化を生じていきました。
通常ではあまりに早過ぎる肉体的な変化は強いストレスになります。
だから避けるべきですが、
その心配をよそに、体が仕上がっていきました。



そのようなレベルで深層筋を鍛えるコアトレをしていくと、
人を驚かすようなことがおきてもなんら不思議ではない。


またそのような苦行を密かにしている人を観ると、
天狗になって自慢するようなレベルに留まらない。
きっと天狗になろうとしているうちは、
人からエネルギーを吸い上げる必要があるのだという弱さがある。
自らの内側にあるエネルギーの偉大さを体感してたら、
生きることに満ち足りた実感を得られるのかもしれない。


まぁ、そうなったとしても、
人生では常に試練がつきものです。
ただ精神的に青ざめるようなハードなことがおきたとしても
最後の最後には、
その人の収まるべきステージに進むきっかけだったとわかる。
乗り越えられるものだった。
人間的にそうやってスケールアップしていくんですね。


マイケルはマイムの教師について学んだ時があったそうです。
年々驚異的なまでに体中をポップさせる技を進化させていく。
私どもがみえないところで相当に努力を積んでいたのでしょう。
その進化が50歳とは信じがたいような
THIS IS IT』のダンスの動きをかなえさせていたのでしょう。


奇跡を血と汗と涙で掴みとる。


そのような努力の末に得た表現には魂が宿るのでしょう。
マイケルのことをそのような視点で偉業をなした人物と
思いながら映画を観ていました。