今年一年、ありがとうございました。

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今年一年、
この日記をお読みいただきました方々。


大変にお世話をいただきました。
心より感謝を申し上げます。


そして、どうぞ素晴らしい2011年をお迎えください。


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チェロ奏者として有名な巨匠カザルス。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%B6%E3%83%AB%E3%82%B9

http://www.youtube.com/watch?v=VhcjeZ3o5us&feature=fvw


一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える
という本を読んでいたら興味深い彼のエピソードが(P60)に紹介されていた。


文章的に長くなりすぎないように、
簡単にまとめると。。。

                                              • まとめここから-----------------------


カズンズという人物がカザルスに出会ったのは、
90歳の誕生日直前であった。
カザルスが苦労して起き上がる姿は、
関節炎で体は衰弱して着替えも一人ではできないし、
肺気腫のため呼吸も苦しそうだ。


カザルスはピアノの名手でもある。
ピアノを弾くために体を前まで運ぶ。
腰が曲り、手は腫れ上がっている。


いかにも苦しそうな状態でピアノを弾ける状態には思えないような表現だ。


だがカザルスは、突然豹変した。


カザルスの体に力がみなぎり、健康体に。柔軟性あるピアニストにしか出来ない演奏を始めた。
指は鍵盤の上を舞っているようだった。



音楽と一体化することによって精神状態が180度変わり、肉体も変わった。


カズンズの言葉は
「もはや縮こまって、こわばった肉体は消え失せ、
関節炎の痛みから完全に解放された柔軟で優雅な肉体がそこにあった。」


まっすぐに立ち、背筋が伸び、足を引きずることもない。
歩いてテーブルに着くと、心ゆくまで朝食を味わい、
海岸の散歩に出ていった。

                                        • まとめここまで-----------------------


カザルス(1876年〜1973年)。
彼の人生は第一次世界大戦を経て、
亡命もするなど大変なものでした。
1971年10月24日(国連の日)、
ニューヨーク国連本部にて演奏会、国連平和賞が授与されたそうです。


話は飛んでしまいましたが、
いいたいことはカザルスは音楽と一体になることで、
自らが背負った肺気腫や関節炎、曲がってしまった腰を、
瞬間に豹変させることができたということ。


■ 人間にはよく使えるように練り上げられた体では、
■ 一瞬にして体を健康体に引き戻す機能が備わっているのです。



私が以前にお会いした90歳を越えた
和装の出で立ちの女性の日本舞踊の先生。


印象がさっきまで和室で座る姿を観て、
一般の方よりは姿勢は良いが高齢のためか
肩が持ち上がり下半身に不安定さがある。
体の大関節のところどころで気が停滞して見えた。
それが自分の出番を迎えてスイッチが入るやいなや、
豹変した。


体の所作、動作の大きさは若者にはかなわない。
一般の人が観ても面白そうには見えないだろう。
だが姿勢は整えられ指先や視線、つま先や膝が、
あるべき角度に吸い込まれて動きがつながれる。
深層筋の躍動を感じ取れる。
血色がよくなり色艶が良くなる。


ただ残念なことは踊り終えたら、
いつものこじんまりした姿勢に戻ったことだ。



だが踊りに一体化したときに
体の内奥から沸き立つ力は
一瞬にして体調を整えてくれていた。
その機会が尊き貴重なものなのです。


しばらくの間、その血色の良さが続いていた。


そんな強烈なり健康体を取り戻すための若返りの一瞬を感じて生きられる。
体の使い方を内奥まで練込め成長し続けられるような技芸や
運動習慣などを持てれば。
それは生涯の宝でしょう。


全世界の誰もが、
そのようなエキサイティングな取り組みをできるようになれれば。
どんなに素晴らしい世の中になることでしょう。


肉体への気配りが行き届きますと
心と身とともに手を携えて、
気づかずにいた六根の曇を晴らせてくれるでしょう。
私はここに『未来の世界』を平らにする力を感じます。


私なりにその動作原型を探りつつ、
いろいろと思索を重ねてきました。


ですが私一人でがんばってこれたわけではなく、
お客様から直接に私の視野を拡大させていただく
多くの機会をいただきました。


今思い返してみても私の方向性を示唆してくれた。
そのようなことを言葉の端々から日々感じつつ。


お陰さまで充実した一年を過ごすことができました。


ありがとうございました。


ボディワイズ
鈴木政春