琴の演奏会見学

お客様に、琴の演奏会のチケットをいただきました。


琴の演奏会をみにいくことは、私の人生でいままでありませんでした。^-^;


ですから一度は和の楽器をしっかりと生で聴いてみたいと思いまして、
ぜひにとお願いしていただきました。
(H様ありがとうございます)


渋谷の伝承ホール。


実際に演奏を観て、第一印象として、
琴って大きいんだ、から始まりまして。
ひとつひとつの音がここまで丁寧に扱われるのかと感動しました。


完成度が高い芸術なんですね。


たまたま先だってはこの伝承ホールの下にさくらホールというホールで、
Mさんのダンスを見たことがありました。
Mさんは、もう押しも押されぬというような方になられて久しい。


そのときのことを思い出して、
ダンサーのMさんが、この琴の調べとあわせてセッションしたら、
空恐ろしい空間があらわれるだろうと、ちょっと空想してました。




そしてもうひとつ、驚いたのが、
若手の琴の奏者が、三絃を手にしうたう古典・笹の露。


えぇ?!と、この声質、なんかすごくない?と感じる。
適度な高周波のような伸びを含み音程は聴きやすく保たれて説得力と申しますものがあふれる。
癒しの力を発揮する声の素養に、すごいぞ!と驚いてました。


あとでその方のプロフィールをみると、
活躍の幅を広げておられる若手の有望株のようでありました。
納得です。


ただ、この方の声を聴きながら、
私は、別の歌うたいの方を思い出していました。


藤岡宣男氏というカウンターテナーをなさっていた方です。
http://www.countertenor-nobuo.com/
その方の施術をさせていただいてました。
すでに不慮の事故によりお亡くなりになられているのです。


私もそのことを聞いたとき、かなりショックを受けました。
何度も彼は「僕のコンサートにおいでよ、チケットはプレゼントするから」といっていただき、
お言葉に甘えて聞きに行かせていただいたことを覚えています。


初めて藤岡さんの歌声をホールで聞いたときには、
想像以上の歌声であり、技巧も匠の域にいってる。
彼が僕はスーパーカウンターテナーになるんだと
そう言っていたことを、なぜだか思い出していた。


懐かしいな・・・。


そういえば、
彼ほど施術で我慢強い人はいなかったよな。


以前の私の施術方法は、相当に痛みが強かった。
だから痛みが強すぎるから、このやり方は封印。
そのような扱いとした方法も多かったのです。


藤岡さんは、以前はピアノを専攻していたので
生理的に動きにくい左手側の小指と薬指を酷使。
必死に動かせるように努力し続けていたのです。


それがたたってしまい、
左側の肋骨上部に引き上げる癖がついていた。
そしてものの見事に、その左側上部の肋骨が
深い筋膜層まで癒合していた。


肋骨部分について、いまの私ならば接触するアタッチメント部分を工夫して、
痛みを大幅に軽減させてしまうことができるようになっている。
だが当時は、器具を使うことの意識が欠如していたため、
指先やナックル等でのリリースを断行していた。


あまりにも痛いことだと思うので、
私はやはりやめましょうよという。
でも彼は、もしこれでもっと歌がよくなれるならばやる、
そういいはりました。


そこ以外は、彼は僕は痛みに強いからといって、
どんなところも頑張って我慢していたのですが、
さすがにそこは「うっほっほぉ」と痛すぎるときに出る笑が。。。


ただ、この部分が緩むことで腰部裏の俗に言う浮き袋が緩みだして、
呼吸の豊かさは格段にあげられたことだろうと思う。
それに今まで感じていただろう横隔膜の引き連れが消えたはずだ。


頑張ってくれたよな。


そんなシーンを思い出していた。



このようなことを思いださせるほどの力を、
この三絃をひき歌う彼には力がありました。


ただ惜しむらくは、
この有能な若者は、
目が見えないため、
自身の身体の歪みが感じ取れないできているのです。


歪みとは体の支え方の癖や、動き方の癖からもくる。
それだけではなく視覚・聴覚・嗅覚などの強く働く
利き側に近寄ろうとする、持って行かれる反応が
歪みを作ることもある。


私にはどこがどう身体内部に癒着部ができていてというのは、
外見上見ただけで察しがつきます。


施術をするものならば、
そのような癒着部をカウンターストレインのTP(ティピカルポイント)で、
圧痛チェックしていけば、
癒着があることはわかってもらえるはずだ。


びっくりするくらい痛いところがあるから。
ただ、日常的にはすでにそんな炎症部位は
慣れっこになってたり麻痺していたりして
意識上には登ってこなくなっているのです。
それをちょっとわかって貰えるようにする。


またはキネシオロジーの筋反射を使ったり、
重心のズレを認識してもらえるようにする
立位や座位でのプレッシャーテストもいい。


だが、
自分の体が歪んでいるかどうかは、
視覚があれば容易に認識できるが、
それなしであったため認識が困難。


そうなると、
ちょっとここの歪みを改善してもらおうか、
ということや、
動きの改善を試みることで対応しようなど、
発想しにくいのかもしれません。


そして体の改善をしていく機会が減るように思います。


ほんと、こんなことを考えてしまうのは、
職業病ですよね。


おぉ!と驚くほどの実力がすでに備わっているから。
それで十分だといえば、いえなくもないですからね。^-^)


ただもし腰部右腎臓裏手と左側腸骨陵上の詰まりを緩めていったら、
どういうように変わるんだろうか。


ちょうど藤岡さんの詰まっていたところと、
同じ所をこの若者は詰まっているのでして。


解けば藤岡さんのような変化が起きるかも。



そんなことを、思いました。


この若者の体の使い方のトレーナーをなさる方がおられまして、
私的には、どのようなアプローチをしていかれるのだろうかと
興味津々です。


きっとこのトレーナーをなさっている方ならば、
私はキャリア的にも人物的にも優れているので、
この若者の伸びしろを伸ばしてくれるだろうと
信じています。^-^)



あと、全くの余談ですが、
当時からボディワイズは
予約が取りづらいところでした。
藤岡さんが予約がとりたくとも取れないということで、
十字式健康普及会で施療を受けていたといってました。


「あそこだとね、えい、やぁ!って、すぐ楽になるんだよ」と、
不思議だよねという感じで、笑ってました。