頭から爪先までの体の中の隔膜たちが整えられると施術成果は長持ちキ

横隔膜


それは肺の下に位置しています。
横隔膜が上下動することで、ダイナミックな腹式呼吸ができます。
だから呼吸にとても関係する器官だといえましょう。



そしてもうひとつの観察として。
横隔膜が硬くなって引きつれてしまっているときは、
横隔膜のなかを太い血管を通して血液を流通させる腹部大動脈や腹部大静脈が圧迫されてしまい、
血流に問題が生じます。


具体的にどのようなところで不具合を見つけたり調整するかといえば、
たとえば腰部の腎臓裏側にあるところに大きなしこりを作ったり、
臀筋の硬化で横隔膜腰側付着点を下方にひきづりおろしたり
肋軟骨部分の付着点が肋軟骨部の前方への反り返りがおきて引き伸ばされたり、
または肋軟骨部分への強い癒着を示している人もいます。
普段はちょっと息苦しいなといった感じがあるかないか。
そのような方でも上部のようなところを圧迫されると
容易に緩まなかったり腰部は分厚いしこりで横隔膜の
後方への膨らみが腹式呼吸をしたときにまったく起きなかったり。

そんな感じで横隔膜が柔軟性を失っていることが解る。
(ついでにみぞおち辺りの硬化や引き連れや冷えがあると、心臓にまで不具合を感じだします。その際はお医者様で、調べて頂く必要があるでしょう)

それでは横隔膜に開いた穴の部分も不要な引き締めにあうようになり、
血管や食道という管が圧迫されてちょっと気分が悪いなぁとなるわけです。


ちょっとだけ詳しくみてみると、Wikipediaで調べると、
胸腔と腹腔の境界にある筋板であり、胸郭下口の周りから起こり、
血管、食道が横隔膜を貫くための3孔(大動脈裂孔・食道裂孔・大静脈孔)がある。
とのこと。


横隔膜図.png


そして同時にリンパ管も同様に流れづらくなるといったことが起こり、
間質液全般の流れを抑止するようになります。



つまり間質液の流れの状態の善し悪しを推し量るための、
ここは大切なチェックポイントになるのです。


では、隔膜とは横隔膜しかないのでしょうか?



いえ、いえ、そんなことはありません。



このことは以前も、こちらのブログに書かせてもらいましたが、
地面に対して平行に位置している部位を隔膜として観れば、
『靭帯性関節ストレイン』の本に取り上げられている
8つの隔膜をあげさせていただきます。


隔膜比較.png


足裏の足底筋膜、
膝の半月板部分の脛骨と大腿骨の隙間の組織の膝窩筋膜、
骨盤隔膜(=骨盤底筋群ともいうことがある)、
横隔膜、
前頚筋膜、
後頭下筋膜、
小脳テント
鞍隔膜


これらの隔膜のほとんどが大なり小なり、
やはり呼吸の質に大変深い関係がある機能器官です。
呼吸という息を吸うときに骨盤隔膜と横隔膜が深く動きに関係するのは知られていますが、
実際は健康的な状態であれば足底筋膜も呼吸をする際に動きます。
それにその他の隔膜たちも上下に動きだすことでスムースで奥深い呼吸を助けてくれます。


それに隔膜は血流やリンパ流などの間質液の流通の関所的な役割にもなりえてしまうものです。
特に骨盤隔膜の上に溜まるリンパ液や膝裏の膝窩筋膜に関係する膝窩リンパ節などなど、
とても重要な液の流れに関係しています。


これら隔膜がベストなポジションとは、
もともと地面に対して平行に位置するよう設計されているものですから、
そのようにあれば、ひとまずはよろしいでしょう。
それでも上下で詰まり感が強くて問題が出ることもありますが。。。


問題は、側弯があるケースです。
この場合は体の中の各隔膜が地面に対して平行になっておりません。
そうなる血管やリンパ管の引きつれと圧迫は生じてしまい液の流通が悪くなります。
呼吸をしようとしても横隔膜や骨盤隔膜、
そしてたとえば声帯隔膜のようなものの動きが反射的に連関しつつ動く仕組みがあるのですが、
そこにちぐはぐさがでて深い呼吸につながらない。
(ただ呼吸の質に関しては、個人の感覚差があるので。改善後に、その前後の様子を体感してもらえなければ、ぴんとこないという意見があります。)


つまり、これらの隔膜が凝り固まっているようならば、または癒着が著しいならば、
体液の量が十分スムースに流れず呼吸がしづらいため施術を受けてもすぐに戻ります。


まったくもって、施術効果は長持ちしないんです。


そして日頃から、疲労感がでて粘りがきかなくて
ベスト・パフォーマンスを発揮しづらい。
本当だったら、もっともっと、すばらしい力が発揮できる人なのに。
とてももったいないことです。


だって血液が末端や必要な諸内臓にも届かず、
それにその血液中の酸素量が少ないのです。
それで恒常的な改善をキープしようなどは、
あり得ないでしょう。


それが頭から爪先までの隔膜が整いだすと、
順調に液が流れるように変わってきます。
呼吸の質も変わってきます。
だから必要な栄養や酸素がたっぷりの血液が体内を駆け巡ることができる。



そうなれば、施術後にも順調に自分の体のダメージ箇所を自ら無意識下で見つけて修正をしていける。
そのような体質が良好に変わっていけることとなります。
改善した状態をキープできる。
良い感じに変わってくれるのです。



ここまで劇的に変わらなくとも、
ここは問題があれば必ず書き換えられねばならない部位のひとつといえるような場所です。