大腿直筋や外側広筋の状態の善し悪しと脊柱の側弯の関係性

真っ直ぐ立つ図.png
まずはまっすぐに立っている状態。


正中線のライン上に頭、脊椎、仙骨、と並んでいますね。
とても気持ちよく見ていられる状態です。
骨が整えられて並んでいるということは、
骨格筋の力がはいるべきところと抜くべきところが明瞭に分けられていて、
骨の位置を正しているということを意味します。


この状態が、効率的に体を支えています。








つぎに右利きの人の太ももの大腿直筋や外側広筋の硬さや短縮度合いを観察してみましょう。



右側大腿直筋の短縮により右傾斜.png





右利きの人が右の大腿直筋を左側と比べ使う頻度が高いと、
右側の外側広筋や大腿直筋が左以上にパンプアップします。


本人が右側ばかり使おうと思ってもいないが、
気づかぬうちにそうしていることが多いです。


すると、、、
やがて右側腸骨の上前腸骨棘を下降させます。
大腿直筋などが上前腸骨棘と膝下に付着して
その筋肉が硬化短縮していくことによります。


この時点で右側の腸骨が前傾します。
脚部の大腿骨頭の骨の長さは変わりませんが、
前傾した分だけ骨盤が右側を下にして傾き出します。



そしてこの状態を観察すると、
右側に上半身が大きくぶれます。
中心から右側に反れていますね。


これでは体を支えるには不都合です。
いつも上半身は強烈な力で右側に倒れ続けるからです。





ならば、どう対処するか?


右側屈で右に傾斜しすぎて中心軸が消えたのを補正するため腰椎1・2当たりかr左側屈.png


それでは右側に倒れすぎた胸郭以上の部分を、
こんどは左側に倒します。
(そのような姿勢修正作業は無意識に行うので自分では、そんなことをしているとは気づかないでしょう)


そすると真ん中の線にそぐうように近づいてきたとわかりますね。


このようになるほうが垂直に近いため、
楽に上半身を支えることができます。


胴体部分を垂直にしておきたい理由は、
500Kgほどの重い電信柱でも地面に対して完璧に垂直に立っていれば、
軽く手を添える程度の力で電信柱を支えることができますが、
その電信柱が斜め45度くらいに倒れているときに支えれば、
押しつぶされそうな状態になるものですね。
それと同じようなものです。


胴体とは、垂直に近づいたほうが楽に立てられるポールのようなもの。
そう考えてみてください。







そして最後の詰めですが、、


よくみてみると頭が左に傾斜している状態です。
だからそれをより楽に支えるためにどうするか。



首が右に曲がり右肩が上に上がることでL字歪曲した脊柱となりました.png



右に頭・首を曲げる感じにすればいいですよね。


そうすると上図のようなL字の側弯ができあがります。








つまり脚という地面に対して近い箇所の左右の均衡が崩れると、
それに影響された脊椎や頭部は、
できるだけ中心線にそぐったように並ぶことができるようにと
脊椎をわざと歪曲させて中心線に並べていきます。
そうやって重力の芯を捉えようと必死に対処する。




だから大腿直筋や外側広筋の状態の善し悪しや均衡具合をみることで、
その人がどちらに体が歪曲しているだろうかとか、
どれだけの量の歪曲度合いがあるだろうかなどが
推測できてしまいます。




大腿直筋や外側広筋が左右とも柔軟で凝りもなく、
内転筋やハムストリング筋などが理想的バランスで骨盤以上を支え上げるならば、
脊椎もまっすぐに親しい状態にいつづけられます。
とてもコンディションづくりにも大切な視点です。




側弯過程.gif


歪みいく骨の様子をパタパタgifアニメで表現。
あまり参考にならないですが、
くねくねしながら最低限の歪曲で済ますよう努める流れがわかるかも。


そしてこのL字に脊椎が曲がっている状態から脊椎の湾曲の度合いが増して進行すると、
S字に脊椎が曲がりだしていきます。
そうなるといったん骨盤の左右の高さが揃ったり左右の脚の硬さが似通ってきますが、
脊椎に生じている棘突起の詰まりや後屈や側屈を観たり、
体の前後左右等倒しにくい方向などがないかをチェックすると問題が見つかるはずです。






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