筋膜リリースで、腰痛は改善するの?それには骨盤をゆがめる大腿四頭筋を解くことが大事です!

私の骨盤がゆがんだワケは?


質問をいただきました。

「腰痛は筋膜リリースで、どうにかなるの?」

腰痛原因ごとに対処法が違います。

たとえば
腰痛原因が、筋疲労の蓄積なら対応した筋膜リリースで、
痛みの軽減や、場合により継続的な改善も期待できます。

ですが、
内臓にダメージが起きても腰痛になるのです。
それにより内臓反射による痛みがでたとしたら、
その場合は筋膜リリースでの対象とするのは難しい。


腰痛に至る過程も含めて状態を知るのが先に立つ話です。

なのでケースバイケースですから。
どうにかなるかは、性急にできるとはいいがたいのです。

まずは、状態の軽重により、重症度が高ければまずは病院へ。
その後、セカンドオピニオン的に施術を受けていただくことがベストでしょう。
または、症状が軽~中度なら、施術院での筋膜リリースで。
ただ病院は保険適用できるのですが施術院は保険適用外で、
費用が高く感じることもあるでしょう。
施術院に通うなら、もとを取れるよう積極的に先生を活用してください。 ^-^

 


あなたは「腰痛は骨盤のずれから起こる!」という話を聞いたことがあるでしょうか?

「なんで、ずれるの?私の骨盤が・・・」

疑問、持ちませんか?

私のブログでも、何度がご説明しておりますが、
絵付でわかりやすさをアップさせますので、
お付き合いください。


骨盤がパワフルにずれるのは、単純です。
「骨盤に付着点を持つ筋肉」が筋収縮著しくなって弛緩できないからずれっぱなしになるんです。


筋肉量が半端ない部分は「脚部」です。
身体を立てて姿勢を維持させ、歩き、走りという移動や姿勢維持の要が脚部の筋群です。
一般的な健康状態の脚部の筋が発達した方であれば、体重の半分のウエイトがあります。
筋断面も体幹の筋以上に太さをもちます。

だからそれは脚部の筋肉ですね。

その脚部の筋が左右不均衡になったり、
過緊張になって緩まない状態になれば、
それが骨盤に付着点を持つならば骨盤のゆがみへと移行するわけです。

ではパワフルに骨盤をずらせる脚部筋肉は?


骨盤の上前腸骨棘に付着部を持つ、大腿直筋を含む「大腿四頭筋」です。

以下の4本の筋肉の総称が「大腿四頭筋」です。

・大腿直筋
・内側広筋
・中間広筋
・外側広筋

 

脚部断面図.jpg

 

下図を見てください。
もっとも速攻で反応しやすい大腿直筋を例示して示してあります。

 

大腿直筋は骨盤をゆがませる筋.jpg

 

「ん?

 でも、普通、歩くときとか、立つときとか、この部分使うんじゃないの?」

 


もちろん、大腿四頭筋は脚部の筋肉です。
足を動かすために使われます。
ただ「脛骨と腸骨に付着点」がある。

 

腸骨の前方に付着している。
ここが、トラブルメーカーとして機能してしまう要因なんです。


腸骨の前方の突端部分、上前腸骨棘に付着しているため、
大腿直筋が収縮するたびに腸骨が下方へと引かれ骨盤の前傾状態を作り出します。


これが「骨盤のゆがみ」の震源地ですね。

 


骨盤底面の骨盤底筋が、地面に対して水平を維持することで、
内臓を腹部に縦積みにおさめ、腰椎も自然な前弯状態で立てることができるのです。
骨盤底筋の下方面はリンパ液が溜まる仕組みとなっております。
リンパ液の液体が、胴を起こしたときに水準器で水平面を図るために使われている。

うまく骨盤底直下のリンパ液の水準器が働けば、
胴体より上の部位全体を立てて、足はそれに従わせるということも楽にできるわけです。

質のいい動きをし続けるときには、
この骨盤底筋部位の水準器を斜めに傾け続けるようなことはしません!!!!!
これがひとつのキーになる見方ですね。

 

ですが大腿直筋が収縮するたびに、骨盤の腸骨が前傾させられて骨盤底筋もそれに倣います。
骨盤底筋も前傾するわけで、水準器も前傾してしまうよう大きな揺さぶりをかけられた状態。
水準器は水平の乱れを微調整して水平にする機能持ちます。
大きな前傾があれば、その微調整をして水平化する機能自体、実質無視されるようです。
そして腰椎が前傾度が強まります。。。

 

内臓面への影響を考察してみよう。

結果、内臓が骨盤に収まらない現象が起こります。
特に骨盤底筋直上にある泌尿器(膀胱)や内性器、そして大腸小腸などの消化器が、
水平面を持つ骨盤底筋の上に乗せられずに、腹部前方へとぽっこりと出っ張ります。

その内臓の出っ張りはカッコ悪いだけじゃありません。

体調的にも問題がでてくるといわれております。
骨盤底筋の下支えを失う臓器は、
臓器の位置ずれが生じてそれら臓器の下垂へと傾き、<上方からの圧迫>を受けます。
下垂が続くなら胃下垂等の状態にもなりかねません。
それでとどまりません。
位置ずれが起きた内臓は
後ろからは腰椎や大腰筋で<前方へ圧迫>されますし、
前からは腹直筋等の内臓を前方へこぼさないようにする筋肉群を筋緊張させられた張った状態となって<背側に強く圧迫>します。

そのような四方からの圧迫を受けた内臓は、本来その臓器内に流れる血管も圧迫され代謝が阻害されますし、
女性にとって内性器は最も位置を移動させやすい臓器でずれた場所で押さえられて周囲の臓器との癒着が進み、
婦人科系の問題がでてくることもあります。

また腹部のCT等の画像を見ていただければ、
臓器が下垂しているかどうかはわかります。
骨盤前傾が強い人ほど問題が起きています。

 

腰椎の前弯がきつくなることで腰椎以上の脊椎が全体に前後の湾曲が強くなります。
それにより脊柱起立筋が脊椎の骨で本来支えてくれるべき仕事を肩代わりして、
筋肉を硬化させて支えるようにします。
それにより背中のコリや張りを作ります。

ただもし腰椎の前弯がきつくなり、
その状態が長く続いて腰椎椎間板の詰まりだしが顕著になっていくと、
腰部の筋肉がパンプアップすると同時に大腰筋という内臓側にある脚の筋の一種も強い筋緊張を起こします。
大腰筋の緊張が過剰化して周囲の筋と癒着した部分に炎症を持ったり、
その大腰筋自体に炎症を持てば、その状態が「ぎっくり腰」と呼ばれます。

本当に痛いんですよね、ぎっくり腰は。。。

私も一度なったことがあって、地べたを這ってトイレにいった記憶があります。
一週間ほど治らなかった地獄のときでした。

 

歩くときや立つときに「大腿四頭筋についつい力を入れてしまう人」は、
上記のようなトラブルが起こりやすいのだと考えてください。
8割以上もの日本人は、大腿四頭筋を誤用しているといった先生がいます。

 

ならば、骨盤をゆがませないようにするには、どうすればいいか?

骨盤にゆがみをもたらす大腿四頭筋を過剰に使わないことといえるでしょうか。

骨盤、特に腸骨の上前腸骨棘に付着していれば、ゆがませる力が非常に強い。
そこは必要な動作以外は使わないようにするのが大切なのです。

立ち、歩き等は骨盤に付着部を持たない、大腰筋を使います。
それができれば大腰筋は脊椎という大黒柱を支える作用もあり、姿勢が整います。

言葉で言えば、それだけのことなのです。

 

大腰筋大腿四頭筋.jpg

大腰筋を使っても、脊椎(腰椎と下部胸椎)と大腿骨内側の小転子に付着点を持つ。
骨盤には触れているが、付着点がない。
ここが大事な視点です。

 

大腰筋を使おうとしても、骨盤が前傾したら大腰筋は働かない。

大腰筋が使える使えない.jpg


骨盤底筋が地面と水平な状態が、使いやすいです。

大腰筋をうまく使えば骨盤底筋下の水準器機能がキープできたまま、
立ち居振る舞いができるのです。
骨盤をゆがめることなく立ち、歩きをするための脚部の筋肉は体幹とつながった大腰筋と相場が決まっていました。

 

 

下図をご覧ください。

大腿四頭筋は、まっすぐな筋肉で直感的に使えますが、パワーと持久力が大腰筋と比べれば劣ります。

大腰筋は、骨盤の鼠径部の鼠径靭帯の下を通り「く」の字に曲がっており、てこを利かせて強大なパワーを発揮します。
持久力も申し分ないため、一流のスポーツ選手等はこちらを自在に利用していますね。

大腿四頭筋と大腰筋のちがい.jpg

 

 

江戸時代以前は、そのような使い方を誰もが普通にしていたといわれています。

 

 

ただ、、、問題は、すでにあなたが骨盤底筋が地面と水平位置を取れなくなっておれば、
大腰筋を使った歩き方、立ち方ができない状態です。
どうしても大腿四頭筋を使わなければ立てない感じ。


そこから抜け出すようなサポートの力として筋膜リリースは、効果的です。


大腿四頭筋を使う癖が長年にわたり定着した人は、
本能的には持っているはずの大腰筋の使い方を忘れています。
筋膜リリースで、骨盤底筋が地面と水平になったとしても、
自動的に大腰筋を使うケースは、すでにそのノウハウを持っている人だけのようです。

なので大腰筋を使う動きをつかむには、
大腿四頭筋を緩めるなどしておぜん立てをしたあとに、
大腰筋を使うような練習が必要です。
もしその使い方がわからなければ、先生から指導を受けることができれば、
助言をいただくようにするとよいでしょう。

 

大腰筋を使うことができず大腿四頭筋を使い続ければ、
腰痛は何度も繰り返されます。