タッチをするときの秘密「肩甲骨のひびき」と「指先の感」


施術をするときに、
服の上から体を接触する。
そうすることで筋膜の様子をチェックするのです。


筋膜の硬化の状態を見る。
どの流れで硬化の山脈が立つか、虚脱した谷が生まれているか。


ただ実際は指先を服に触れる一歩手前で、
私の感覚では肩甲骨部分にひびいてくる。


おそらくそれは気感というものを感じて、
そこに手を置いていいかどうかを判断し
やばそうなものであれば肩甲骨を引いて
手先部分の重要極まりないセンサーを守ろうとする反応なのだろう。


たとえば四足で歩く動物ならば、
勘がいいものであれば足下に異物がある殺気を感じた瞬間に、
そこから咄嗟に手を引こうとしたり、
勢いで手をおいたとしても最小のダメージで済ませるよう減速して手を置く。
そのような働きがあるようだ。


つまり手の指先でそのような危険な異物を感じていては腕を咄嗟に持ちあげられないから、
腕を動かすパワーの源の肩甲骨部分にそのような鋭敏なひびきのようなものが届いて観ず。
そのような機能が備わっているのだろう。


それができなければ靴を履く習慣がなかった昔々の時代では、
尖った突き出して木片や砕けた岩に足裏を傷つけられていて
歩けなくなってアウトになっていた。


猫の観察をしていると、
足を上げて下ろすときの踏み込むときに、
最大限に膝や肘、そして肩甲骨や骨盤周囲の筋肉で足裏に一気に体重がかからないようにしている。
そんな注意深さが型となって、自分の身を守る。


指先よりも背中の肩甲骨や起立筋部分のほうが数多くの情報をキャッチして得てして正確。
そのようなものとなっているのだろう。
だから背筋がしっかりしているときは、
ものすごい鋭敏に肩甲骨周辺が目覚め
それが背後の死角をも埋めてくれる。


ただ疲れすぎ背筋が曲がれば、感度が消えて肩が上に上がっていく。
その姿を施術中に等身大の姿見で観ると、「いかん、いかん!」と、
必死に脇を〆て耳で音を聴こうとする。


肩甲骨の形状は、耳と似ているのです。
相似形は、相互に動きの影響が生ずる。
腸骨も耳の形状に似ている。
ダンサーは研ぎ澄ました耳で音を聴き、
そして肩甲骨と腸骨をも活性化させる。
そういった様子を真似るため、
耳を澄ませて音を聴くことで
首筋を立て背中を広げることができる。




そしてもちろん指先というセンサーもすぐれものだ。


たとえば指先を人の体に触れるか触れないかのとき、
いや、むしろ3ミリほど浮いているときに、
私は体温や湿度や気感(生命力)などを感じている。
接触すると表面部分の情報しか得られないため、
浮いているほうが情報量が深部までに渡ります。



そして経絡の気も浮いているときに感知します。
たとえば広背筋は脾経を知る筋で、大円筋は督脈で、大腿四頭筋が小腸経で、、、などのように、
12経絡ごとにこの筋肉の状態をチェックすることで
該当する経絡のコンディションを知ることが出来る仕組みがあります。
通常は該当する筋肉の力がはいるかどうかの筋力テストをするのです。
ですがそれをすると、それだけで多大な時間がかかりますから、
貴重な施術時間が削られることになるのです。
だから広背筋の近所に私が手を寄せたときに、
すでにそのものの該当する脾経がバランスがとれたエネルギー状態かどうかを、
緻密にとはいいがたいところではありますが、
概要的には把握しようとして情報を得ている。
それは貴重なディープルックをするためには
欠かせない情報源になっているのです。


そしてこのようなことは
手先の扱いを教えられて覚えだし、
肩甲骨部分の使い方がうまくいくようになると
そのような感度が増して感覚が強くなってきた。


気をつかむセンサーは筋膜のなかを通るという。
指先から肩甲骨や脊椎まで嘘がないつながりができたときに、
通電でき通信関係がうまくいくのだろうと推測しております。




そして指先を実際に触れるとき。


筋膜の実際の硬さを知る。
そのときに冷えがあればそのシコリは血管を圧迫している深層があって
筋膜のシコリは深くいきわたっていることです。
そのときに生命感が感じられる暖かさがあれば、
筋膜のシコリは表層筋がなっているだけですからほっといても回復する。


そんな様子を指を浮かして感じたときにえた情報と、
指を置いて触れた時の情報を合わせて推測をします。


私は以前に、筋硬度計( http://www.try-all-jpn.com/neutone/neutone.html )という
筋肉がどの程度シコリになっているかを数値的に計測できる検査機器を購入いたしました。
ただ筋硬度計では深層筋部分のシコリになっている具合は検出できない、
表層筋の状態をチェックするにとどまるものです。


私は筋硬度計の圧のかかり具合による数値化検出の状態チェックを
自分の指先でその感じ取る練習をいたしましたし、
その上、温度や湿りや気感などの情報を合わせて、
深層筋部分の情報収集に活かすようにしました。



結果的にお客様の体を触っているときに、
私は筋硬度をデジタル化した数値で読み、
施術前と施術後の変化を検査しています。
私のイメージスクリーンではデジタル化しているし、
意外にその情報はメモリーされるものなのですよね。



以前はお客様に「施術を受けても今回は変わったところなんてないよ」といわれると、
少なからず動揺したものです。


ですが今は数値的に確実にステップアップしているということがわかっているため、
人の自身の状態を感じる感覚の妙なんだなぁと思って、
「そうですね、そう感じられるのですね」というだけ。^-^;


人は改善した状態を味わったとしても、
すぐにそれは以前からそうだった感に。
それでより奥の層に仕舞いこんだ問題部分へと地が流れ、
そこに違和感を感じ始めるような仕組みがあるのですね。


人の筋膜は多層構造になっているもので広く連関がある。
本格的に深層部を掘り返すことでリセットをするならば、
埋もれて忘れ去られた血行が悪くなって感じ取れなくなったデットストックがある。
そのデットストック部分が血を止めたり、神経を圧迫させたり、筋肉の連動を妨げ、
体を歪曲させてしまった釣り合いの取れない姿勢や動作をさせても平気にさせる。


そこまで施術で手を突っ込むという概念は、
まったく3年前の私には持てませんでした。
実際に解けるような技術が身についてきて、
初めて見えてくるものも多くあるのですね。。。


目をつむり、
指先が感じ。


ほぼ1秒に満たない瞬間のできごとですが、
それで十分に情報を集められていることが。
他人ごとのように不思議に感じられます。 ^-^)





ちなみに筋肉の状態は神経によりコントロールされている。
だから神経的に混乱した状態をリセットをかけるだけでも
ある程度のところまで即効で改善させられるのです。
私にとりまして、それはとても魅力的なものです。
ただケースバイケースですが、
長年にわたった慢性のものや
階段からの転倒や交通事故の衝突など莫大な衝撃が体に入るときは
なかなか成績が思わしくないこともあるようです。
それは強烈な硬化した筋肉が神経系を正常にさせてもすぐにまた以前の状態に戻す恒常性を発揮したり、
精神的なストレスが継続してかかっていると筋肉が弱化するという反応で体が正常に支えられなくなるという
生理的な現象には手が回っていなかったりなど。
この点は私にとってこれからの課題となります。