筋肉レベルと脳力レベルは比例する?

昨日、施術をさせていただいた方から聞いた話です。


マッサージをする仕事をしてはいないものの、興味があって勉強しておられる。
その過程で、2人の興味深い共通項を持った男性のマッサージをした経験がおありとのこと。


若くして出世街道を歩む男性と、ニートでパチプロをする男性。


どちらも才能豊かで独自の分野で開花しているとのこと。


筋肉の質が、とにかく、いい。
柔軟性高く、良質な凝りの少ない状態だという。


私も、才能がダントツに豊かな人達の体を触り、
同様な感想を持ちます。


小憎らしいほど、いい筋肉なのだ。
こわばりや凝りや緊張のないナチュラルな筋肉。
そんな筋肉はしなやかな脳を持ちます。
それはナチュラルなしたたかな筋肉の一部に、
大脳部分があるということなのだろう。


そう思うしかない事例を、
私も数多く見てきました。


それがあるから、
以前から施術を受け続けていただけるお客様が、
筋肉レベルが向上していくにしたがい発展する。
脳の部分の能力向上も図られていると見てます。


実際にそういえばかつて施術を受ける前と今では違ったところがあるな、、、
と感じていただける方も、少なからずおられると思います。
(こんど、お客様に、変化はあったかを具体的に聴取しておきます。)


その意味では、ボディワークを永続的に受けるのことは、無駄になりません。
健康的なシーンで恒常するライフスタイルに投資することになると思います。




話を戻しますね。


その昨日のお客様は、もう一歩、深く入り込んでいたんですね。


その脅威の出世頭の男性と、パチプロ男性の体の中に僅かにある筋肉が凝っている部分。
それが「まったく同じ所に、同じような凝る位置が存在していた」と教えてくれた。


冷静に事物を見渡せる観察眼を持っている証拠ですね。


施術をするものは、
ある程度は体の問題発生パターンがあるので、
定石で勝負できる施術のノウハウが活きるところもある。


ただ、、、その実、そんなに臨床は単純なものじゃない。


いくらでも定石を踏み出した体の問題部分なんて存在し、
そんなイレギュラーばかりの状態に対し差しで勝負する。


何を見て、触って、聞いて、匂いを嗅いで、何を図って、どう補助線を引いて、
その生理学的な人体を観るに留めず、
物理学的な側面をもつ人体をも把握するのか。


私には難しい数学や物理の問題は解けないが、
自然則や数理に則った定理を知り、
それを当てはめて問題を解く行為は数学や物理とさほど変わらないのが施術だ。


そんな気がしてならない。




体からのメッセージは、体表レベルでもいくらでも出ているものだ。
いくらでも問題部分を吸い上げることなんてできるはずじゃないか。
それらの問題部分が点在していて、
線に結ばれずに意味が読めないでいるときには、
当たりをつけて仮説検証を繰り返して見方を深めることに徹します。


するといつか、
「あっ、なんじゃ、これってそういう意味だったの!関連性があったじゃないの!!」
と、びっくりするような気づきが訪れるのです。


降ってくるような衝撃です。


ただ、あとでよく出来た施術書を読むと、そのことがちょろっと書いてあることもある。
それ、ときどきあるんです。


以前に目を通していたが、そのときは意味がわからずにいて、
書かれた文章のバックグラウンドが見えてこない
薄っぺらな文字の羅列。


言葉がそれでは暗記できても、活用できるシロモノではない。


そのような良書を読むにも、
読めるほどの背景知識が必要だということです。
それも自前で衝撃的な気付きとして得たものじゃなければ、
私には浅い知識を盲信すれば停滞と手痛いことが訪れると。


本から読んだだけの「半端な知識」も多く持っていますが、
結果的に使えてないし使っていなくて。。。


自分で試行錯誤をしていって、そこで得たものに信頼の重きを置いています。


そんな試行錯誤の原点は、
お客様自身の人体上のベストコンディションの基準を想像して思い描いてから、
そことの差異を体表やもう少し奥、そして体から発せられる諸々の情報を感じ、
施術水面下でアイデアを尽くしてさらに暖かくなれる体に移り変える工夫をします。



そんなときにも必要な原点が、
「アレッ、ここ、ちょっとこの人の特徴じゃないの?」と気づく力です。



出世頭の若者とパチプロ男性を列して体をチェックすることから得られるものは?
そんなことを、具体的に思考してみると面白い発見ができるだろう。


人間は、自分自身の体を自分から切り離した客観視をするのは難しい。


主観が極まれば最大の理解者になる。
極め方が甘ければ最大の誤解の迷宮を用意するものとなる。


意外と客観視することができる立場だからこそ、
見えてくるものがあるのです。




余談ですが、、、
昨日来たお客様は多くの施術院に通われてみた結果。
しっかり体の状態を見てくれるところとそうでもないところがあると痛感したといいます。
後者のようなしっかり見てくれない治療院にて、
「あなたは、別に悪いところないじゃないですか」と施術院に言われて、
「えぇ・・・そんなことないよ〜、(悪いところないのに、こんなところくるはずないじゃないの)」
というところもあれば、


そのお客様が訴える前に、自分が言いたかったところを言い当ててくれさえする治療院もあったという。


そうなると、どちらに通いたくなるでしょうか?
昨日のお客様自身、自分の状態を察知する体性感覚が鋭いという特徴を持っておられる。
そのため、どこに自分の不具合があるのかという具体的な部位の特定ができているだけ、
ちょっとやそっとじゃごまかされないぞ!という印象でした。


施術院巡りをして、すでに目利き力がプロ級になってきている。 ^-^;


私も施術に気を抜くつもりはありませんが、そのようなお客様であれば気が引き締まりますね。