「私、痛みの耐性があがったみたい!」といわれるお客様の言葉に、にんまり。 ^-^

今日の施術でのお客様のひと言。

「私、痛みの耐性があがったみたい!」

『主訴(※お客様の、いま、一番、困っている改善してほしいところのこと)』は、
左肩・首が一定方向へ向くと、痛みで悲鳴をあげるほどといわれます。

左腕を伸ばし内旋・外旋は大丈夫だが、
内転、外転をしようとなさるとき、挙上しようとするときに痛みがでておられます。

 

左腕が痛い.jpg

 

私が観察すると、状態として左肩の全体が前方へと3~4.5センチほど出っ張た状態のままになっている。
(本人は気づいていないと思われます。肩甲骨と肋骨の隙間にある肩甲下筋が外にずれたまま癒着しています)
起立時に左側の起立筋の幅が右側の4倍に膨れ上がっております。
中心軸が背骨から左起立筋へとずれて固定されているのがわかります。
このお客様は関節等が柔軟なため、中心軸がずれるような脚部の支えが誤ったパターンを記憶再現し続ければ、
いくら施術で左肩や首に関連する部位をリリースしても、早々に戻るでしょう。

いまはまだ臨時施術として施術時間を長めに設定して対応させていただいているので、
お客様に時間をいただく許可を得て歩行時の脚部操作を小一時間かけてレクチャー。
動き方が合理的になっていくよう構築するための脳トレです。
臨時が終わったときには、施術時間を規定していく予定ですので、
このような十分な時間はおとりすることができなくなります。

そのようなときは私のお世話になっている
フェルデンクライス・メソッドの先生にセッションを依頼なさるよう勧めるのがよいのでしょうね。


あと気になる点。
胸椎が左右に蛇行している点があり、胸椎4番の左への側屈がきつくなっております。
心臓へ向かう神経根に問題がでているということ。
私の手を、その周囲にかざすとチリチリと神経の接触不良時に発する違和感が察知できます。
左肩裏手が内部的に血流のうっ滞が感じられる熱をこもった状態で、
かつ左首が横方向へと2センチほど物理的に肥大している様子です。

また上部胸椎が詰まりが強くなって歪曲度が大きく、かつ複雑になっているときは、
免疫力が後退しているときです。
その点も気を付けなければなりません。


左手の脈をとったとき、状況からすれば遅脈で細脈(さくみゃく)という脈圧が小さめになるだろうと想定していたが、
思ったよりも強かったので。
私、「あのぉ、こちらへお見えになられるとき、小走りになりました?」とお伺いすると「はい、そうです!」とのこと。

やっぱり。 ^-^


左腕を内転、外転するときの痛みの主たる原因筋は、
ゴルフのスイングをした以降に急激に痛みが感じられたという
「首・肩・腕のねじり」という動作が内側で複雑な肩や腕への神経の圧迫に通じる。
ということで
先日、以下の私のブログ書き込みで斜角筋の説明をさせていただきましたところに関係がありそう。

 

2020年06月23日

bodywise-note.seesaa.net

 

 

私も去年あたりから今年の前半まで左腕の挙上がつらかったんです。
それは斜角筋の上部あたりとその周囲の筋肉が異常な硬化をしめし、
それが腕への神経を圧迫していたのです。

そのお客様のパターンでは、斜角筋の下部の肋骨の一番周囲に位置ずれの問題が極端にでています。

体幹部の問題を左肩甲骨がずれて固定することで補助していた。
補助を別の言い方でいえば、ごまかして使うようなパターンを自己内で無意識に学習習得して、
肩甲骨が上がりっぱなしで前方向と外方へとずらされたまま問題ある肩や腕の使い方を覚えて強化し続けています。

となれば斜角筋の比較的地面に近い肋骨1番付近に腕の神経を圧迫して、
手の内転・外転動作で異常な激痛をあおるのだろうと判断。

 

斜角筋は胸鎖乳突筋の下にある.jpg

 

そこからいつものように体の外方からのずれを解いて丁寧に積んでいく仕事を、時間をかけておこなってまいりました。

 

こちらのお客様は今年の早々にもおいでいただけて、
そのときも私は上記のような見立てに近い内容で施術をしていました。

そのときも腕に痛みがあり負担があったわけです。
施術によるリリースの効果は、ある程度はあったものの、4カ月ほどして今回の運びになったのです。


ただ今回は、前回のリリースよりもはるかに深部までリリースの手を伸ばすことができました。

 

 

スモールサイズのベン石温熱器ですね。

 

スモールサイズのベン石温熱器スイッチ.jpg


こちらの小回りを利かせたい要所、
そこを的確にピンポイントで打ち抜けたから。
リリースが飛躍したといえるでしょう。

こちらにより腋下から肩関節の大きくなったしこりを緩め、
鎖骨下、大胸筋等の肩を前に持ってきて猫背を作る筋も細やかに解けた。

胸郭部の腕や首の根元の地盤が凸凹に整理されていない状態を整理できた。
これができなければ首の筋肉、特に斜角筋の中部や後部のような深層で胸鎖乳突筋等に隠された部分は
触れることさえかないません。

実際、私自身、以前から当然のように斜角筋の特性は知っていたのです。

でもスモールサイズのベン石温熱器のようなツールがなかったため、
既に石のごとく硬化した場合は、リリースしたくても、
喉元で頸動脈の近所であって致命的事故が生じる場所だと知っていたため、
問題が生じる3歩手前で手を止めることで対応するしかありませんでした。


ここで、でてくる、先にあげたお客様の言葉。

今日の施術でのお客様のひと言。

「私、痛みの耐性があがったみたい!」

です。 ^-^

 

施術の痛みという嫌なこと極まりない負担が大幅に減った流れで、
リリースの進行がなされたことをつたえていただいた言葉。

私も、この言葉は最高に、うれしいのです。

 


以前、首筋をリリースするときは、ベン石やネフライト製のスティック状のツールを加熱して使っていました。
それでリリースすれば、ある程度の対応ができました。
以前は、そのダメージが蓄積して炎症が進んだ斜角筋や周囲部位を触れば容易に腫れ上がる。
だからお客様自身も、すでに首がそのようなレベルの硬化状態に達したら対処するすべがなく、
私自身も自分の左首がそのようになってしまったら座して進行を遅らせるよう工夫するしかない状況でした。

加圧してずり圧で二つの組織が筋膜を通して癒着したものをはがすというのは、
接着して固定された状態を破壊することという激しい変化を起こすという側面があります。
筋肉の個所によっては、喉元のような人の生命にかかわる急所近くは、その破壊リスクは他の部位とは意味が違う。

ですがどう見ても、斜角筋の奥の奥が問題となれば、すぐにでも壊れて崩壊しそうな急所を、
丁寧に少しずつ崩していくしかない。
またはあまりにも危険すぎる状況だと把握できれば、
アプローチすること自体、お客様に後遺症を負わせるため決して安易に手を出してはならない。
そのような判断をします。


去年までは、ネフライトやベン石のスティックさえもちいられてはいませんでした。

そのように申し訳ありませんがスルーするしかないという対応をさせていただいたことがあります。
少しずつ外壁を削って深部へとたどり着くという回数を経て変えるという工程に任せるのです。

 

ネフライトやベン石をホットストーン化させると、単なるずり圧という圧迫しての摩擦で解くだけのときと、
温熱で溶かしてから緩まった部分を少しずつはがすという作業に変えてリスクを低減させることができました。

ただネフライトやベン石をホットストーン化させるとき。難点があります。
「温度設定が最適なまま維持できない」のです。
スティック状という放熱しやすい形状であるが故、
熱を患部に送り筋膜の癒着部を緩めてくれる量が冷えれば減少します。
でもしょっちゅうとっかえひっかえしての施術は、
ホットウォーマーという業務用加熱器を使っている私でも作業的に5倍の時間がかかります。
すると少し高めの温度に加熱させてから患部を羊皮で覆って減温させてホットストーンを使うことになります。
それは途中で急激に冷めだしますから、すると患部のリリースが数分で別の状況になってしまうという不安定さ。

その部分が、前回、お客様の首筋のリリースをする、または腋下のリリースをするときに負担になったのでしょう。

それがこの度はスモールサイズのベン石温熱器という
温度管理が以前のものとは比較にならないほど楽で、
加熱状態が電熱でキープでき、
首をリリースするための応用が利く形状であるというツールが手元にあります。

それにより狙える的確さ精度が上がったことが第一ですが、
同時に筋膜のリリースが数センチ奥まで届かせることができたのです。
リリースのときに、さほどの恐怖する激痛をあたえずに、です!!!

首の深部に眠って時折、腕の内転外転で激痛を起こす部分に対して、
こちらの機器をコアにして、別のベン石のスティックや大き目のベン石温熱器を併用するような応用をして解きました。
スモールサイズのベン石温熱器だけでは、熱量が足らない場合があります。
今回のような首の骨を大幅に左へとずらすほどの深層部のねじれが入り込めば、
かなり緻密に工程をわけて解かないと、、、一回で解くのは無茶を強いることになるため無理だと思います。


前回よりもはるかにリリース上の仕上がりはよく、
おみえになられたときに腕を痛みが出るほうに動かそうとするだけで、
カラダがぴくんっとびっくりストップ現象が起こっている状態が見受けられたものが、
すっかり掻き消えてました。

痛みのレベルは、腕を動かした際、0~10でスケーリングすれば、
前回の今年の初頭の施術では10の激痛が一時的半減し5になる状態くらい。
今回の施術では2~3まで低下して日常生活上支障ないまでいったでしょう。

お客様自身、うつ伏せで腕立て伏せのような状態をとって、いつもなら激痛だったのが、
「ありゃ、痛くない!」
左腕を後ろに引く(外転)、左手で右肩を抱く(内転)しても、
「ほら、痛くないよ!」
と、施術後の状態をパフォーマンスしていただけました。^-^

わかりやすいデモ、ありがとうございます!!

 

 

まさに一つの画期的なツールを導入することにより、
施術成果が、別物といえるほど飛躍することがあります。

そのような好例を、私も今日、体験させていただきました。

ありがとうございます!!