免疫力が低下しているとは、胸骨の手押しポンプの動きが悪くなったってことで見れるの?

過剰なストレスが免疫力低下に、私たちを追い込みます。

オーバーワーク:適度な休息をとれず働きすぎによる過労。
精神的ストレスが常態化すれば、過度な緊張が抜けなくなる。
様々な原因により、
結果、「呼吸が浅くなり(←キーワード)」免疫力が低下することがあります。


免疫力が低下すると。

ウイルス感染に負けて風邪をひいたり、
消化器が弱くなり口内炎ができたり、
各人固有のアレルギー反応が過度に起きやすくなる。

大きなところでは、免疫性疾患がんのような命に係わるケースもあらわれてきます。

他に目を向ければ自己免疫疾患には、
バセドウ病、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス、血管炎など。
生命体として生き続けるために、自己の細胞を守る免疫系が適切な制御が困難になることも怖ろしい。

 

免疫は、外部からの細菌やウイルス等を様々な機能特化したリンパ球により攻撃し身を守る生命維持に欠かせない機能です。
リンパ系がつかさどります。

具体的に観察していきましょう。

下図はリンパ管。リンパ球を全身へ送る水路ですね。

リンパ系.png

あなたは、リンパマッサージをご存知ですか?

リンパ管内部の”老廃物”がリンパ管内をふさぐように流れを停滞させたとき。
カラダにはむくみ等がおきます。
リンパマッサージは、そのようなリンパ管内の老廃物をリンパ節という老廃物を処理する器官へと送り進める意図を持った手技のことです。
またはリンパ管が筋肉の凝りで圧迫されてリンパ液の流通を阻害するときなどがあり、
最近ではそのような凝りも同時に緩めるようにしているという先生方もおられるようです。

リンパ球を運ぶためのリンパ管という水路の運行障害を取り除くことで、
リンパ管の末端まで免疫物質を送り循環させることは重要ですね。


ですがリンパ管はリンパ球を作る器官ではありません。
リンパ管の内部の通りがよくなったが、肝心のリンパ球が源流から流れてこないとしたら?

通行しやすくなった道路を作っても、誰も何も通らない道なら意味がない。
通り道の舗装だけでは、人によって十分とは言えないのです。
それだけではリンパ系システムが機能してくれません。。


そのような状態にある方がいるこを理解していただきたいのです。


あなたが免疫を強めたいと考えたならば、
リンパ球を「育てる」器官の特性を熟知してみたいと思いませんか?

 

免疫機能を強化するには、
(1)機能性高いリンパ球の製造を促進させる(リンパ球のエリート製造工場の機能)
(2)リンパ球をリンパ管に適切に送り込む(「在庫を出荷しない病」)
このふたつが欠かせません。

免疫機能を強化するための土台作り。
こちらに取り組めば、
体液のpHの影響でリンパ管内の老廃物もたまりづらくなります。
それゆえにリンパマッサージと同時にか、
または幾分先行してリンパ球を育て送るという点に手を差し伸べるべきでしょう。

 

では、リンパ管の中を通る「リンパ球」は、
どこで、どのように作られているものでしょう?

私たちは、うまくリンパ球を育てているのでしょうか?
育てたリンパ球を、リンパ管へと送り出しているのでしょうか?
自身のそのような実態を把握できているでしょうか。

 


ただ今回は免疫系の詳細なお話をするには場が違います。
施術系の話がぼやけるため、ばっさりと割愛させていただきます。


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今回、取り上げるのは免疫機能をつかさどる器官は『胸腺』です。

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『胸腺(きょうせん、英: thymus)』は胸腔に存在し、T細胞の分化、成熟など免疫系に関与する一次リンパ器官。
胸小葉とよばれる二葉からなっており、胸骨の後ろ、心臓の前に位置し、心臓に乗るように存在する。(Wikipediaより)

 

胸骨前から.png

 

胸腺横から.png

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 胸骨はココに!.gif

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『T細胞』はリンパ球の一種で、骨髄で産生された前駆細胞が胸腺での選択を経て分化成熟したもの。
細胞表面に特徴的なT細胞受容体(T cell receptor;TCR)を有している。末梢血中のリンパ球の70〜80%を占める。
名前の『T』は胸腺を意味するThymusに由来する。 (Wikipediaより)

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骨髄(B細胞分化)や胸腺(T細胞分化)の一次リンパ組織と呼ばれる器官で、
免疫細胞の原型が作られます。
ただこのままでは免疫機能が発揮できるわけではないのです。
それらは脾臓・リンパ節などの二次リンパ組織に送られ、
さらに練りに練られて優れた免疫行動をとれる細胞へと変わることで活躍できるわけです。

優れた免疫行動がとれる細胞には、どういう細胞があるのでしょうか?
たとえばがんのような細胞に対抗してくれる免疫系の細胞にNK細胞(ナチュラルキラー細胞)です。
自己のカラダのなかにあるT細胞のなかで優れたT細胞を選抜して鍛え上げた進化系がNK細胞です。

強力な免疫力を備えたNK細胞の存在は、胸腺内のT細胞が元になるのです。
素材となるT細胞を十分に製造し、そしてそれを次のステップに運ぶのです。
脾臓などの二次リンパ組織に運ばれて強力な免疫細胞に練り訓練された免疫部隊を組織してカラダを守る流れです。

つまり端的にみれば、
胸腺が活躍できなければ、
その時点で次のステージに進めなくなり免疫機能全体の活躍ができなくなるという、
負のドミノ倒しのようにバタバタと倒れる仕組みなんですね。


ここまでお話をさせていただいたことから、
「胸腺は、大切な免疫系の要でもあるな」と感じていただけたら、うれしいです。

 

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ある意味、胸腺の中に、免疫系の大事な素材がストックされているといえるでしょう。


子供のころに胸腺は最も大きく、大人になっていくと徐々に縮小していくともいわれています。
事実、そのようなことがいわれるほど、大人になると胸腺が縮みこまってしまった人を観ることができます。

食生活等の影響もあるようですが、
胸腺は心臓にも負けないくらいハート型の形状をしています。
情緒が安定してしあわせホルモンが出ている人ほど、
オトナになっても胸腺は大きいといわれています。

胸腺が委縮すればT細胞を製造するには制約が加わります。
単純に敷地面積が広い工場のほうが製造能力が高いのです。

なので気を付けてストレスフルな気分での生活上の切なさを上回る、
自己を充実させて喜びを感じられる暮らしを追求すること。
それが大切な胸腺の状態をよくする戦略となります。
こどものように純真無垢な明るさで、やさしさで生きられておれば、
胸腺の大きさは大きいことでしょう。

 


次に胸腺の内部に蓄積したT細胞を送り出す必要があります。

たとえば血液を送り出すときには?
心臓のポンプの力で、勢いよく動脈管へ血液を送りますね。
心臓から体の末端まで血液を送るには、
15個分の心臓の力がないとだめだといわれています。

実際は血液を動脈を通して送る力のあとの14個分の心臓のパワーは、
筋肉の収縮と伸長により血管内の血液を絞って送り出す力により運用されています。


胸腺は、心筋というパワフルな心臓のようなポンプの力を持ってはいません。
胸腺は、免疫物質が貯められた、静止したままの袋のようなものです。

ちゃっかりとしたところは、胸腺は心臓真上に設置してある臓器ですから。
多少なりとも心臓のポンプの動きによる振動波をいただき、
胸腺がポンプを持たない状態をカバーしようとしてくれるのかもしれません。
ただしこれだけの力では、胸腺内の貯まったT細胞を送ることはできません。

 

それでは強力なポンプ力が必須な胸腺には、
いったいどのようなポンプが与えられたのでしょう?


強力なポンプ力といわれれば、
鋭い方は察してくれたでしょう。


呼吸をするときに、胸が膨らみ縮みという繰り返しがおこります。
そのときにポンプ現象が起こっています。

スムースに肋骨が、胸骨が動くのです。

「息を胸に吸い込めば」肋骨が前後左右に拡張します。
その時は胸骨は前方へ移動します。
「息を胸から吐き出せば」拡張した肋骨や胸骨が大きくスムースに縮みだします。

少し小さくなりますが下図のようになります。

 

呼吸時の胸郭の動き アニメ.gif

 

この胸骨が前方に出たり、後方に引っ込む様子を、
私どもは{井戸の手押しポンプ}といいます。


胸骨と胸椎に挟まれた位置に、胸腺はおります。

うまく胸郭が拡張し収縮するというムーブメントが起きていれば、
胸郭が拡張するときには胸骨と胸椎の距離が離れ、
胸郭が収縮するときには胸骨と胸椎の距離が近づきます。

このような動きにより、私たちの心臓や肺なども自己マッサージを受けられているものは、
非常にタフな力を発揮できます。

同時にこの胸郭呼吸が強力な胸腺からためられた免疫物質を排出して
二次の処理システムへと送るためのポンプ力にしているのです。


免疫力の良い方々の胸郭を観察すればわかります。
井戸の手押しポンプがしっかり機能して、前後に動いています。

その逆に、
免疫力が思わしくない方々の胸郭を観察すればわかります。
井戸の手押しポンプが、あまり動けておらず機能していないのです。
その機能していないというのは、
胸腺内の免疫物質を次の二次リンパ組織へ送る力がないということを意味しています。

このような胸郭のポンプ力が低減されている方々の場合には、
リンパマッサージを受けてリンパの流れを改善させたが、
リンパ管の水路に免疫物質がまばらに流れるだけの様子がイメージされます。
それでは強力なウイルスや細菌から身を守れません。


なので、私どもは、お客様の胸骨の呼吸時の手押しポンプの動きがあるかどうか。

そこを観て、免疫系の問題を持たれているかどうか。
同時に手押しポンプの動きの振幅の正常ではない減少の量から、
どれほどの根が深いものかをみています。

 

一般的に胸骨の動きが正常な状態と比較して異常なといえるほどすぐない振幅の手押しポンプ状態であれば、
それは胸郭全体に問題を感じることがあります。

・ある方は肋骨が拡大したまま固定なさっておられる拡張型のパターンをもつ胸郭。

・ある方は肋骨の前側の肋軟骨が内側に陥没するロート胸のパターンをもつ胸郭。

・ある方は右側肋骨が前後に拡張しており、左側肋骨は前後がつぶれるようなパターンをもつ胸郭。

・または器質的に胸郭形成不全ということもある。
(こちらの場合では筋膜リリースをすることで、骨格上の配置を変える適応範囲外となります)


などなど、
各、それぞれのパターンが他種にわかれてあります。

 

それらのパターンがどのような状態で構成されているかを思い出すままちょっとだけ観察分類すれば、

・肋間筋が緊張して委縮したまま固定していた、

・腋下の肋間筋が縮み過ぎてしまったり(特に左側)

・胸骨と肋骨を結ぶ靭帯(胸肋靭帯等)が骨化して動けなくなったり、

・肋軟骨の配置異常から肋軟骨同士で癒着がなされたり、

・胸椎に細かな左右屈が多数入った状態が慢性化していたり、
 (この場合は、「全脊椎の作用と性質」を参照すれば多くの身体情報をキャッチできるでしょう。)

 

胸骨の手押しポンプの様子は、
本人も視覚的に状態を確認できるため、
容易に理解し受け入れることができるでしょう。
その現状が自身の免疫系のコンディションに関連するという理解があれば、
もし動きが悪いようであれば改善することで状態の良化を図れると信じて対処していただければ幸いです。

多くの場合、物理的な落ち込みを改善すれば結果がでていきます。


ですが肋骨の周囲のリリースは、
痛みが強く出るという点、
それに肋骨および肋軟骨等が容易に骨折に至る点、
ハンドマッサージ等でセルフリリースをするにも
難しく感じるところがいくつもありました。

つまりなかなか成果が出ないんですね。。。

私もかつて、多くのお客様に、
「少しでもいいから肋骨の変位した部分を緩めるように、セルフマッサージをしてくださいね!」
とお願いし続けたことか!!


きっとまじめなお客様が多くおられるので、しっかりお風呂に入ったり、
柔らかくなるときにがんばったことでしょう。
ですがすでに硬化が進みが強くなっている方々は特に変化が非常に起こりづらいのです。

 


それはなぜでしょう?
ここからは一般の方にはさほどわからなくてもいいレベルのことかもしれませんが、
実際に施術で胸郭のリリースをするときに、胸椎のずれがある場合に、
その修正が難易度が高くリスクもあって困難であると思えることが多い。
そんな感想を漏らした先生を知っています。

 

私と一緒に施術の詳細を話し合うと、やはり胸椎の緩ませ方は他の部分とは違うという意見を聞くことがあります。

 

もちろん、他の部分も解きづらいところは山ほどある。

でも、胸椎がずれて固まり、胸椎らしい動きが取れないことが、
実は先ほどから申し上げている胸骨の手押しポンプの動きが起きない原因になっているのです。

背中を触って胸椎の左右への湾曲が多くある場合、
特に上部の心臓等へ脊髄神経が分枝されている神経根が閉じるような部分があれば、
大幅に免疫力を後退させる「風が吹けば桶屋が儲かる」的な問題を含んでいますので。

このような部分。

私も、以前はどのようにうまくこの部位をリリースすれば、
より安全かつ効果的に改善をなされるかを、いろいろ手技で考えていましたが。
結果としては、うまく私自身が納得できるような成果まではあらわれませんでした。
相当、寝食忘れて研究して、施術中もその成果をもとにお客様へ対応させていただいて、
がんばってはいたのですが。。。

申し訳ありません。


ただ現在、ホットストーンを使って、長時間の置石、敷石を使って、
胸椎のこの胸郭の根に当たる部分。
計算して長時間温め続けさせていただいてから、
後にリリースを私の手で加えていきます。

そのようにさせていただくことで、
お客様へのリリースにかかるときの肉体的な負担、それに派生する精神的な負担も軽減しました。
同時にホットストーンを使ったリリースを受けられたお客様の多くが、
状態が改善されたままでいられる時間が長期にわたり持続するようになった。
また、その状況で再度施術を受けるようにすると、
改善の深まりが以前よりもさらに上向くようになったとおっしゃっていただける同業者の施術家の先生もいまして。

私にとって、ホットストーンを総合的に利用することで、
いまだかつて対応できていなかったもどかしかった部分をきれいにしていける。
そのようなことはうれしい限りです。

 


そして、施術で施術者の手で脊椎のなかの胸椎を稼働できるように緩められていき、
そのうえでスモールサイズのベン石温熱器を用いて胸部の手が届く肋骨や胸骨部を解いた人から感想をいただきました。

「自分の胸が、こんなしなやかに躍動するものだったなんて、今もまだ信じられません!」

そして、
「以前は定期的に体調不良の波が押してきたが、最近は、ひどい状態にはならなくなった。
 ひどくなりそうな気がすれば、少しまたスモールサイズのベン石温熱器を使って
 首(後ろ側)と腕と胸、そしてお尻の仙骨と腰椎5番の間の腰仙関節のところを解くと、
 あれほどひどい片頭痛もしなくなったし、まだ期間は短いけど梅雨なのに精神的にうつにもならなくなったわ」

とのことです。

意外に免疫力が高い体の状態のときは精神的耐性が上向いていて、うつになりづらくなります。
免疫力が低下すると、体内の代謝が不良となっているせいもあり頭部の血流が減少することによるうつが起きやすいようです。

 

ただまだ課題として残っているのは、
すでに胸椎の椎間板が狭窄が強くなって凸凹しながら固定されている方の場合。

スモールサイズのベン石温熱器を使っただけでは、
手持ちのスティックでアプローチできるのは自分の手の届く胸部の前面止まりになりますから。
他者によりうつ伏せで施術を受けたり、または長時間ホットストーンを背中に置いたままにするような過程がなければ、
成果が出るとは言えない状態です。

もちろんある程度の身体上の柔軟性があれば、その状況も違うのですが。。。
どうも、変化改善のペースが遅いという点と、胸の前だけ緩んで、胸の後ろは放置して硬化したままでは、
体質上、前後の動きに動と静のコントラストが異常につきすぎるのは新たな問題が出る可能性もあります。

なので、今のところは、脊椎がL字パターンで曲がる人はまだ大丈夫ですが、
すでにS字のゆがみがあると胸椎のゆがみを指摘された方の場合には、
施術者等に頼んで背中の胸椎のリリースをしていくことを先行して改善させたほうがいい結果につながると思います。

 

そのようなご希望がございましたら、気軽にお声がけください。