真皮上のゆがみがあると、交感神経が優位になり続けて、落ち着けないというお話

皆様、こんにちは。
ボディワイズの鈴木です。


私が実際にしたことのあるいたいけな失敗をお話します。

外出時に、トレーナーを着て勢いよく出かけました。

ただその日は、気のせいとは思えない喉の詰まりがあって、息苦しい。


「最近、過労だったのだろうか、、、。

 いや、そうでもないんだけど。
 
 息苦しさのわけがわからない?」



帰宅は夜になり、服を脱ぐとき理由がわかりました。
トレーナーを後ろ前を逆に着てたようで、
トレーナーの背中側の襟首が喉を絞めていたのです。

腕は不自然に後方へ引かれるような力を感じたのは、
後前を間違えずに着ると、ちょうど楽に腕が使えるような気の利いた縫製だったようで。
それが前後が逆だと、かえって腕を前に振りだしづらくなってしまいました。


大ボケをやらかしました。


トレーナーを後ろ前に着てしまうと、のどが絞まり動きづらい.png


洋服を着るとき。
理想的な状態であれば快適でも、
着方を間違えると不快に感じます。

快適さは、あなたにはそれが当然として気にすることもないのですが、
不快さは、あなたはそれを異常ととらえつづけます。
「おまえ、なんだか変なことになってるから、それに対処しなさい!」
というメッセージを異変を無意識に感じた自分へ訴えてくるのです。
異常発生を意識へ気づかせ、是正を求めるのが「不快さ」の正体ともいえるでしょう。


そういったときに「不快さ」が感じられないなら、ずっと、後ろ前にトレーナを着続けたままで、息苦しさの被害を受け続けます。
「不快さ」の感覚に訴えかけて、問題が解決するまで導かれたほうが親切ですよね。
息苦しさを体験してそのままでいるのは生きるには不利だから。。。
息苦しさを感じれば、人はリラックスした気分にはなりづらい。
それが行き過ぎて、よっぽど苦しければ、結果的にリラックスモードにカラダが移行しづらい
「交感神経優位」が常態化してしまう結果にもなるでしょう。
(トレーナーの着そこないで、そこまで行く人はいないでしょうけど。 ^-^;)

不快さの原因が、トレーナーが前後を逆に着てたとわかって、
顔を赤くして、そそくさと途中でトイレにでも入って、着なおしました。

正常に着なおせたら、先ほど感じた不快さは、うそのように消えてます。
呼吸もしやすくなり、腕の動作の制限もなくなりましたから。
そう変わった一瞬、「快適になった」と感じるも、それが当たり前の状態ですから、
わざわざ快適だと喜び続けるようなことはせず、快適さもわすれてしまえるのです。





そういうものですよね。
なぜ、こんな当たり前なことを、つらつら語っているかというと、
カラダの内側にある着崩れしたものの影響と似ていたからです。





私はブログでここ数日間にわたり「真皮」という、
皮膚のミドルポジションに位置する組織についてお伝えしております。
これからお話したいのは、そこのまとめです。


「真皮」は、破れない網目の全身タイツやウエットスーツを着たように、人体の全体を覆っております。

真皮という、あたかも全身タイツのようなシート状組織を正常に着込んでいれば、網目が規則正しく並ぶことになります。
そうなれば、先ほどトレーナーを正常に着れれば快適でなんら不具合や不快を感じないといいましたが、そういう状態です。


ただ真皮は、表皮の下に位置する組織で、外見上、真皮に引き連れや詰まりといったしわができたり、
そのしわが加重されてゆがみといえるほどの不連続性をもつことがあります。


下図は、私のフリーハンドでイメージに落としたもので、正確性が欠けますが、
体内に下図のような地層でいえば褶曲といえそうなゆがみや引き連れが真皮に生じているとき、
左右歪曲の様子は、真皮の下に位置する筋肉の層(主に表層筋)と同期して不連続な褶曲を描きます。

それに対して、真ん中の正常な絵の黒の水平ラインの重ねは、規則性とシンメトリーを左右に示しており、
この状態は『デルマトーム』と呼ばれる神経支配に似た様相と持って沿っています。
(絵がヘタでいい加減さがありまして沿ってないけど、沿っているイメージでご覧ください)

真皮が正常と歪曲.png


デルマトームのラインが規則的な並びで正常であれば正常。
それのラインが歪曲し褶曲のような複雑さを示せば、
不快さを訴えて交感神経という緊張し続けるのです。
真皮のずれから体内の脈管系は圧迫を強いられて代謝が減じられるところもでてきますし、
休んでも休み足りない感じになるんですね。

同時に、真皮のしわや褶曲のような曲がりくねりは、
筋肉の凝りのように、一般の方が手先で触っても見えてきづらいでしょう。
そういったものがあるとわかって、それを見つけ出していこうと意図的に発見の研鑽を積まなければ、
そのような部位の変位があったと気づかれていた人はほぼおられないと思います。

(そういう私も、朝顔の手の操作の練習が進んできて、ようやくそこが明瞭にわかりだしたというところで、偉いことはないのですが ^-^;)
(そういった真皮のしわやゆがみがあるというのは、筋膜リリースを始めたときに見知ったわけですが、それをとらえきれずにいたわけです)





真皮のしわができる理由はいくつかあると思います。


たとえば、、、
その人の運動のパターンで偏りがあったり、
過労で日々疲れをためていたり、
怪我などの外傷の後遺症として、
または先天的な人体組織の偏りが内在している方もおられます。


などなどでしょうか。




「軽微なしわ程度」なら、筋膜の癒着が生理的にリセットがなされる仕組みと同様な正常化への恒常性機能で改善がはかられます。

睡眠時に、α波という脳波から、わずか数秒から数十秒ほどΘ波という脳波が現れるのですが、
その瞬間に、強い筋膜系の癒着等をはがしてくれる特殊な分泌物が体内で排出されます。
これが強力なんですよ!
それのおかげで、筋膜の癒着は生理的に発生するのは当然のことですが、
それがそんなに重篤じゃない程度のものであればきれいさっぱりリフレッシュし、朝の目覚めをむかえるのです。
そのときに真皮のゆがみも、どうやらリフレッシュしているらしいという話を聞いたことがあるのです。

ただ上述したような、
日々繰り返される右利きなら右利きばかりの利用の偏重や、そもそもオーバーワークで心身がなえたり、外傷で真皮がよれたまま固定されたり。。。
というようになり、
軽微なしわ程度の真皮のゆがみと言えなくなると。


特にそのゆがみが慢性化して真皮組織が皮下組織を通して下に位置する筋肉等に癒着しだすと厄介です。
ここは最近、個人的に見つけたもので「あっ」と声を出すほどの発見でした。



本来、筋肉と皮下組織という膜状のし切りがあるあいだいには、すべりをよくするような潤滑油で満たされています。
その潤滑油がさらさらで新鮮な状態であれば、筋肉と真皮との影響は重く考えすぎなくてもいいでしょう。
ただその潤滑油が少しずつ量が減ってしまうような供給不足になったり、供給がストップして古くなった潤滑油をコールタールのようなどす黒い粘り気のある状態にして使うようであれば問題があらわれます。
このコールタールのようなものは、吸い玉療法で、患部を吸引するときに、黒々とした痕が皮膚から浮かび上がるのですが、これがそれです。
潤滑油切れから酸化した老廃物の温床を体内に置いていることとなり、そこから発せられる不純物に毒されると老化が速まるといわれています。


すると。
筋肉は、慢性化したゆがみに定着しやすくなり、
隣同士の筋や腱や靭帯、そして骨に、不着点以外の所に癒着してゆがみの状態を、
変な癖でのしわがついた真皮の全身タイツと協力して、身体的なゆがみを作り出していきます。


そうなった際の真皮の影響について、どういう強さで縛りつけが生じているのかが解説された医学的な文献等を見つけられませんでした。
間接的に推測できるような内容はオステオパシーの手技のひとつのテキストにありましたが、いまひとつしっくりきません。
そこで私は自分の身体で、筋膜の癒着レベルの凝りができた部分とその上に位置する引き連れた真皮がどの程度であるかを解きながら観察を繰り返しました。
それで筋膜の癒着と真皮のしわとは関係があると言えそうな体験を重ねてました。
ボウエンテクニックの先生方なら、ごくごく軽めのムーブをおこなうと真皮への語りかけになるということがわかりますよね~。
その意味でも、ボウエンテクニックの講習会参加は、貴重な教えをいただけたと感謝しております。
一般的な整体のノウハウ等では、おそらく真皮のゆがみの状態を正確には見つけられないか、ほんとうに見つけづらいので。


そして最近の施術では、ボウエンテクニック(自己流に成り下がっていますが)でのムーブを取り入れているとき、
かつては筋膜というところに意識をどーんとおいていたので、そちらに効かせるというところが主でしたが、
いまでは真皮にも影響を送る意識でというように変えた手をつかうときが挟まれています。

一部の同業者の方は、目ざとくそのことに気づかれて
「おや?いま、ほら、いつもと違うことやってたみたいだったけど。それ、なによ?!」と。




ちなみに、そのときに真皮という皮膚層の真ん中の部分があって、そちらを改善するような手はずで手技を構成したと伝えるも、
反応はいまいちで「?」という感じでした。
真皮とかいわれてもピンとこないもので、そこを解説すればそれで小一時間以上かかるもので。。
そちらに貴重な施術時間を持っていかれたくはなかったので、口をつぐんでいたわけなのですが。




目ざとい。 ^-^;




そのようなところもあり、
少しずつ皮膚から真皮について。
真皮の異常なしわが筋肉を締め付けて凝りをつくるものだし、
真皮が着崩れた衣服のようになれば不快さがあるということをブログでお伝えしておこうと考えてました。


ただ真皮の着崩れは、、、、もう、それが何十年も続けば、不快感を感じる感覚自体、脳でいつものことでしかたないものだと聞く耳を持たなくするのです。
そうなってしまえば不快感が、あまり感じ取れないか、ほぼ不快さがない人になるのですが。
ただ真皮の着崩れが元で体組織に異常がでた場合、自律神経系への不調がでて収まりづらくなる傾向があるようです。
本当は不快さがあったときに、悪化した状況を改善し根治させておければよかったのですが。。。
この不快さを感じずにという状況になると、無理や無茶ができる体で負担を貯めやすくなるので、
その負担蓄積は筋組織や他の臓器にもしわ寄せもいくようです。
そうなると真皮の着崩れに縛られていて脈管系の代謝が阻害されているなんて、原因部分に気づくのもなかなかむずかしい。





最後に。
真皮のしわ寄せを、自分でどうにか緩めたいと思う方へ。

皮膚の上から強い力でぎゅうぎゅう押し付けても、真皮に集中して圧が配れるものではなく、改善はあまり期待できません。
前日あたりに言いました、皮下組織に押圧の刺激が届くと皮膚抵抗がおきてその部位がバリアー状になって変化もしづらくなります。

真皮への影響を与えたいときは、皮膚抵抗を起こさないような刺激を採用するとよいようです。

たとえば吸い玉療法のような、空気を吸引して減圧したカップを皮膚につけると真皮も上方へと持ち上がり動きが出ます。
このときも刺激が皮膚に加わっているから皮膚抵抗が起きてしまうのではと思われるかもしれません。
ですが皮膚抵抗は外部から体内に侵略してダメージを加えるような攻撃から身を守る反応です。
それを陰陽の陽圧といいますが、
すい玉療法でおこなう刺激は、皮膚をカラダの遠位に引き上げる圧を使い、陰圧と呼びますが、
この陰圧では皮膚抵抗が起きない()
(正確に言うと起きづらい)
よう生理的にできておりまして。
皮膚抵抗がない刺激は真皮にもダイレクトに影響を与えられて効率よく改善を促せるのです。

そのようなこともあり、自身の真皮によいことをプレゼントしてあげようという方がいたら、
定期的にカッピングを、できれば全身にくまなくしてみるようにするといいでしょう。
徐々に吸い玉をした後の痕の様子で、黒い痕の位置がわかってきますから。
そちらがよく確認できましたら、おおかたはその場所の真皮にしわやゆがみはございますから、
そこを中心に定期的なカッピングをしていただくと効率的な真皮にいいケアにつながるでしょう。

※ カッピングにつきまして、そのグッズは、比較的安価なものもアマゾン等で手に入りますが、
  やり方の詳細や注意点もありますから、本格的にやってみたい人は、そちらを取り入れている治療院等に
  数度、研修がてらお通いいただき、質疑応答をお願いするようにしていただければと思います。