表皮・真皮・皮下組織のなかで「真皮」に純粋無垢を絵にかいたようなアプローチを集中させたら。。。 治療脈がでて、治りがよくなった!?

「昨日、皮膚の中の真皮に刺激を与えることで施術効果が飛躍的に引き出せるんだよ!」ということを、
こちらのブログに書かせていただきました。

皮膚といいますか。
お肌についての知識は、女性に詳しい方がおられるようですがおさらいをさせていただきます。

真皮にセンサー.png

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の三層構造。

上図をご覧ください。

真皮という1~3mmの厚さしかない皮膚層に、多くの感覚受容器が位置しております。

まずは、そこを認識していただきましたら、ほんとうにうれしい限りです。

純粋に真皮層にのみ、手技の技を効かせることはむずかしいことですが、
どこに狙い目をつけるか。
そこは対処する手を付けるにも欠かせないことでしょう。


手技療法で真皮へ純粋無垢な刺激を配ることで、
再現性のいいよく効く施術の手ごたえが増していきます。




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以下は、解剖学的な流れに沿ったことも含んで、
皮下組織に及ぶ圧がかかると皮膚抵抗が起きて、
施術成果が減少しやすい
ということを認識していただける結果が得られればうれしいです。

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【表皮】は上層から順に{角質層・顆粒層・有棘層・基底層}の4層で構成されています。

角質層・顆粒層・有棘層には感覚器官はないものの、
{基底層の底部}に真皮から伸びる<マイスナー小体・メルケル細胞>という触感覚、圧や振動を感知するセンサーがあります。

表皮の厚み:0.1~0.3mmが平均ですが、場所により身体の部位によっては0.04~1.5mmのようにひらきがあります。

表皮は皮膚の最も表面側にあり、保湿機能や防御として保護機能があります。血管は通っていません。




【真皮】には、上記に述べた<マイスナー小体・メルケル細胞>が上層部に存在します。
他に<パチーニ小体>という圧を感知するセンサーが設けられています。

真皮の厚み: 1 ~ 3 mm

真皮の水分を除くと約70%はコラーゲン、約5%がエラスチンで構成されています。
肌のハリや弾力をもたらしたり、皮膚が簡単にはちぎれたりしないよう強固につなぎ合わせる役割を担ってる性状があります。
この皮膚がカンタンにちぎれることがない真皮をとらえ動きをあたえることで、
たとえば、施術者がお客様の手の真皮をとらえて意図した作用を起こすよう動かすことで、肩や首など遠位に位置する部位の状態を変化させることもできるのです。
この遠位への刺激を送る施術は、受けたことがない方はイメージしづらいかもしれません。
ですがそれを受けてみると「確かに・・・」とうなられるかたもおられます。

これが真皮層を選択的に厳密なアプローチができたときに起きる生理的な現象です。


ただ真皮より下の皮下組織にまで及ぶ強い圧が皮膚にあたえられたときには、
このような遠位への改善を当て込むような遠隔リリースがまったく効かなくなります。


その理由は【 皮膚抵抗の発動 】によります。



【皮下組織】は、主に皮下脂肪がある層です。弾力性をもたらし人体への刺激を緩和するクッションとしての役割があります。


皮下組織に至る量の圧力で刺激を加える場合、外部からの刺激を体内に侵入する危険と判断し皮膚抵抗と呼ばれる抵抗を示します。
外敵から攻撃されたとき、ぶつかったとき、強力に自身を壊す危険から身を守るという有益な機能にかかわります。
ですが半面、凝りのある部分をほどこうとしてマッサージ圧を加えるときにもこの皮膚抵抗が働いてしまうため、
有効な刺激エネルギーを体内に位置する筋肉の凝りや癒着部に届けようとしても、ここの層で弾かれてしまいます。

皮膚抵抗が起きる状態はバリアーが皮膚に形成されたという緊張状態でもあります。
この緊張が起きた瞬間、周囲の関連する部位や組織、筋肉等が同時に身を守ろうとする緊張バリアーを張り身を守ろうとする。
これもまたそのバリアーを計算して、内部に送り込むエネルギー量を増さない限りは患部はなかなか変化してくれません。
悩ましいです。。。

そして皮膚抵抗が強くあらわれると真皮節から脊髄神経領域へと緊張の情報が届いたときには、
逃げるか戦うかの交感神経優位という、治療脈がでることが難しくなる状態に陥ります。
治療脈という、カラダの中のゆがみやひずみなどを自ら微痙攣をおこして自己解放してくれる状態は、
副交感神経が優位なときに生じやすいということが知られています。




真皮の下に位置する皮下組織には圧刺激を与えずに、真皮の感覚センサーがたくさんある部位に適切に刺激を加えたとき。
たとえばカラダの左右の同じ腰の位置(たとえば経穴の腎兪穴)に同量で同方向かつ同質の圧を加えると、
その腎兪穴への外部刺激を感じて左右の差異に気づいたとします。
脳に、左側のほうが気が流れてないぞ!とか緊張してるよね!とか、ネガティブな状態があると鋭く発見できたとすると、
それに対して自動的にカラダが理想的な構造体の状態へ戻ろうとする反射にも似た反応が発動するのです。

通常の状態では気づかれなかった情報を、皮膚抵抗のない刺激をうまく送り込むと引き出すことができる。

そうすることにより純粋にカラダの左右差やゆがみの状態にあると認識して、理想の構造体へと戻ろうとする是正処置がとられます。
そのようなカラダの内側から発動される恒常性を守るための自己調整機能を治療脈と呼んでいます。


本来、理想とされるボウエンテクニックの施術スタイルは、このような操作をおこなうことという意図があるのではと、
ボウエンテクニックの講習会で講師から教えられたような気がいたしております。

ただ、当時の私は先日もブログで言いましたが、手製の真鍮製のグッズでインパクト圧をかけて硬化した筋を緩めるという研究に傾倒していたため、なかなかその講師が要求する「もっとやさしい圧で!」がかなえられず「鈴木君は、圧が強すぎよ!」といわれ続けてました。

もし真皮に理想の刺激を与えようというシーンがあれば、表皮から真皮の底まで3mmほど。
だから少しでも圧が強かったり圧の強弱が出るような不安定さがあればうまく真皮の感覚受容器を刺激できません。
タイツをはいたときよれやねじれが生じるような着込み方をすると、気持ち悪いものですが、
歪んだ体は真皮をそんなタイツのようなゆがみやねじれがある状態ですでにはいているということなのです。

そしてその真皮のパッケージがゆがんだような着込み方であったならば、その下にある筋肉を正しい位置へと移動させる施術をしても、真皮のゆがみの影響下に置かれてるがゆえに、またもや筋肉が施術前の位置へいくよう真皮のゆがみに導かれてしまうのです。

そのような真皮の引き連れが元で筋肉の調整をしてもゆがみが戻る現象がおこります。


確か、足にはくストッキング状のような網タイツの左腰あたりをかんぬきのようなものでひっかけて引っ張るような絵を、
ロルフィング関係の本で観た記憶があります。
そのようなタイツをはけば左腰の持ち上がりばかりでなく、その他の部位にも内部的な窮屈さが現れてくるでしょう。
その様子はタイツの網状模様の牽引で引きずられ持っていかれて網目がつぶれる流線形のようすあらわされています。

そのイメージに網タイツを真皮に置き換えてみてください。
真皮の「皮膚が簡単にはちぎれたりしないよう強固につなぎ合わせる作用」が働いて、
捻じれたり委縮してたりといった位置ずれが起きた、連続する真皮によっておきており、
その引き連れは近場では大きく遠位にも影響が少なく減衰するものの飛び火する様子が見受けられます。

これは筋膜の癒着によるゆがみの発生がおきることをも引き起こす、
着込み方が雑でよれたまま身にまとわりつかれた真皮によるゆがみ作りですね。

時にはこの網タイツを、格子状模様の全身ウエットスーツ男として描くような絵もありますね。


ただ恥ずかしながら私はその絵を見たときに、もっとざっくりとした表皮以下の皮下脂肪下のコラーゲン組織上の膜かなにかが存在して起こされるものではないかと。
誤認していたときがあります。

真皮の性質を知って理解していたら、わかるものですが、
まさか真皮だったとは。。。

その絵を見た20年前後をさかのぼる当時の私は、生理学等に穴があったと反省いたします。




そして治療脈を発現させるというやりかたにはある種特殊な呼吸を使うときもありますが、
真皮へ適正な圧を伝えていくことでそれを起こすこともできるということ。
そのことをボウエンテクニックの講習会で学んでたんだなと。


ただ皮下組織に影響が与えられないが、真皮には等速等圧の刺激を与えるという手技は、
一般の人たちのおこなえる手さばきではないので。


それは私にも同様にいえることでした。


ですが少しずつ朝顔の手の操作が手慣れてきたおかげで、
カラダの技術が追い付いてくれた感じになってきました。
そしてようやく「やっぱりそうだったか現象」が引き出しやすくなってきて腑に落ちました。

武術家が施術力が高いという意味合いを、再認識させていただきました。
武術の修練過程で「普通じゃこの手のさばき方、使い方って、絶対思いつかない」というノウハウがあって。

個人的に死ぬ前にそれを知れてよかったと喜んでます。 ^-^;




ただボウエンテクニックの講習会に参加してたとき、
とあるロルファーさんも習っていてその先生の施術を施術場まで予約を取らせてもらい幾度か受けに行きました。
(本人にブログで書いていいか聞いてないので、誰かというところを濁しています m__m)
その先生の丁寧な手技は講習生のなかでも群を抜いていて、
いま、思えば、彼はまさにそのとき真皮に対してジャストに与える刺激といえるような手さばきでした。
それもあってなのか、ボウエンテクニックでの効果性が非常に優れておられたことを覚えています。
「そのとき私は、他の講習生とは違う刺激だけど、どういうことなのだろうか?」というような感じで、
適切にバックグラウンドを見抜けてはいませんでした。
スゴイ人もいるものです。 ^-^
いま、その時受け取った圧の感覚を思い出しながら再現できればとも試みているところです。