アクティブレスト   = 行動的に休むことの大切さ =

自室でひとり、おこなう体の使い方のレッスンで、おもしろさを実感する瞬間。

アクティブレスト。
消極的な休息ではなく、
積極的にカラダの各部を緩まる操作していく。
そのためには現状の筋が休めてるか緊張しているのか。
現在の自身の状態を認知することから始めます。


いったん、深層筋までリリースできた状態になったとします。

ここでは、多くの筋膜が慢性的な凝りと化けている方の場合は除かれます。
それは、ドサッと大変わりする瞬間の快感は、慢性的な凝りが多い方は味わえないからです。。。


深層筋まで緩められて筋肉は生まれたての赤ちゃんのようにしなやかで温かみある代謝があり、
関節の可動域も正常、体幹もしっかり前後白湯上下にバランスを感じ取り重みを通すべきルートに通せている。
そうなれば筋膜の癒着が起きづらく、合理的なカラダの操作が可能となります。
「凝りづらいカラダ」になるんです。


でも。。。

いくら筋膜上の癒着が低減しても、
ハードに動いたり、一定姿勢を長時間保持するなど、
部分的な筋疲労を起こし乳酸が溜まるほどであれば。
またはそこまではいかなくても、
いまだに、動き方として肉体上の負担が大幅目減りするまでの過程にある場合。
(※ 整体や筋膜リリースなどで、他者の先生により筋膜を緩められただけの方に多い。他者による単なるリリースだけでは、理想体を得るには改善は不足しているといえるでしょう)

もともと筋膜の癒着は。
生理的に筋肉と筋肉の間にある筋膜同士の隙間を埋められた「潤滑油」の油切れが悪化して、
コラーゲン組織同士でねばついた性質をもつ筋膜がねばりついて動きが取れなくなる現象です。

ただし筋膜がいったんは癒着しても、身体を動かして代謝力アップした状態下で、
癒着した膜組織を別方向へとずらすような動作が入ればリリースが起こります。
そのときにストレッチをするとほどけるのか?というと、そうではないでしょう。
すでに筋膜組織が癒着しているので、膜組織中に痛覚神経がたくさん含まれておりますので。
本人的に癒着した状態を無理やり引っぺがすような動かし方がなされたら、
「テテテテッ」と痛みを感じるわけです。
その痛みを感じそうな雰囲気は、そうなるまえに、人って本能でわかるんですね。
すると無意識に筋膜が癒着した状態を引っぺがすような動作やマッサージを自身で進んで避けようとするんです。 




そこ、気持ち、よーくわかりますよね。




誰だって痛いのは嫌ですし、不安や恐怖を感じます。
事の解決にはならないまでも、痛みがない状態で安住したい。
そうやって、自分をかわいがるようにできている。

だから癒着がもろに進んだトリガーポイントと呼ばれる、
いくつかの筋膜が癒着が進んで周囲組織まで悪影響を及ぼす炎症か所は、
「痛いから触らないでおいて、、、」と、何がしたかったのかを忘れた行動にでるのが普通なのです。
それが大化けできない理由でもありますね。


ただすでに筋膜が十分に緩められた筋組織が多い人では、
自分の体の隅々をボディスキャニングと言ってチェックをしていくと。。。
脳が
「あれ?左右の腰の張りが違ってたじゃないか!」
「床に仰向けに寝て、膝を立てて左右に倒すと、腰の動きが右はスムースだけど、左は突っかかって不快だな」
などと、カラダの部分に、静止状態で左右や前後、またはその場の皮膚、または皮下、そして奥の筋組織、それから骨の置き所など、
どういった現状であるか、身体をモニターするにしたがって、
脳に現状の筋の詰まりや凝り、代謝が衰えた部位や他の様々なフェルトセンスといわれるような微妙な触覚や温冷感やチリチリ感じる通電感などの微妙な感情をもともなうこともある感覚がみえてくるときがあります。

そんなフェルトセンスを感じ取れたとき、すでにそのフォーカスを当てた場所の血行は改善傾向にあります。
先ほどまでは血が10ながれるべきところを5ぐらいだったとなると、運動神経系や保護系の神経等には血という資源をわたせるものの、
痛覚や触覚等においては十分に血が供給されていない状態に陥ります。
それがもとで、すでに筋肉の凝りを創るような過剰な負担を強いる運動をしていないにもかかわらず、
そのときの筋に凝りを創る負担状態が保ち続けられているのです。

それをボディスキャニング中に、カラダの各部を詳細にモニターすると、意識が集中された体の組織部位に血行が集まるという特性があるため、
10流れるべき血が5だったから見過ごしていた違和感が、その場所を感じ取りたいという選択的必要性から血が意識を向けた場所へ一気に7~8ほども流れ出す。
すると血行不良で痛覚や触覚が低酸素麻痺された状態から抜け、
すでに無益な惰性による凝りを創り続けていたと脳が判断し気づくことができるのです。
先ほどまで筋の中にある「筋紡錘」という筋肉を収縮させる緊張状態を作り出す神経が過剰に興奮し続けていたままで血行が悪化したままを保つはめになっていました。
それで無駄な筋硬化をし続けていたわけですが、

脳が「緩めていい状況だったんだな。それなのになーに、筋緊張しっぱなしで無駄なことをしてるんだろう?!」

と気づけた瞬間。




その瞬間です。




凝った状態が「ドサッ」と音を立てて重い背負子で背負っていた荷を降ろせたほどの、
体が一気に楽になって息がしやすくなったし、どさっとおろせた筋硬化の関連性ある遠位の張りも消え失せてます。
これが快感です。

まさに凶悪な憑き物が抜け出て、自分に体が戻されたようです。
これって筋膜の癒着がしっかり抜けた人が、一時的に加重な負担運動等から癒着したものが雪崩を打って消えたとき。
こんな感じなんですよ。




アクティブレストとして、積極的な休息をとり筋組織へと無駄な仕事をしていないかを探す行為です。
意識や感覚を活かし研ぎ澄ませることで、徐々にアクティブレストのセンスが向上していきます。




人は、アクティブに筋肉を収縮伸長させて運動することは運動と認めるわけですが、
アクティブムーブメントと同レベルの重要さをもってアクティブレストは実益があります。





あと、筋膜が生理的に緩む仕組みは眠りによりかなえられることについて、
蛇足になりますが、書かせていただきます。


深く入眠している人を観察すると、手足をぴくぴく動かしたりバタつかせたり。
歯ぎしりをしたり、寝返りを打つ。
それらも体内に蓄積した筋膜の癒着断層をリセットするための行為だといわれています。
錐体外路系とよばれるカラダの恒常性を保ちゆがみをリセットする機能が、
私たちの体内には仕組みとしてあるわけです。
地震を起こしてプレートのゆがみをリセットさせるのと同じ操作なんです。


それに加えて、夜に深い質のいい睡眠をとれているときにも強力なリリースが起こります。
普段、私たちが日常を送るときの脳波は、β波かリラックスしていてα波がでているといわれます。
それが質のいい睡眠をとっているときに、脳波がさらに鎮まります。
その鎮まったときに、わずか30秒とか数十秒内単位で、筋膜が癒着した状態を非常に強力にはがしてくれる液が脳内より排出されます。
こちらの好影響が得られるならば、
「あなたは筋膜が癒着しても寝れば治るカラダの持ち主です。質のいい睡眠を心がけてください!」でOKです。



睡眠導入剤を使わなければ入眠できない方について、補足すれば。

残念ながら
睡眠導入剤を使う睡眠では、
錐体外路系の筋膜がゆがんだ状態にある部位をリセットする操作が起こりづらいといわれています。
また脳から排出される筋膜をゆるっとさせる液も、α波までの脳波がでるにとどまり、Θ波に近しいほどの安眠状態にはならないため、
強力に筋膜が癒着した状態を正常な筋肉へ戻す液は脳内からまったくといえるほど排出されていません。
私たちに効果的に働く筋膜癒着をほどいてくれる陰の功労者が隠れている状態では、
筋膜の癒着した状態は慢性化し凝りの層が積み重なっていくでしょう。
骨の骨膜周囲まで凝りが達すると動脈を圧迫して血行の停滞をおこす作用があらわれてきます。
そうなると、自身の運動等の努力をなさるだけでは、正常な筋肉状態へと戻すには根気や知識が必要になります。
特に最近、独自に調べているのですが、睡眠導入剤を使われている方では、
首の頸動脈が肩こりの延長線上で斜角筋の硬化が進行しやすいように感じています。
頚椎第一部位などが凝りで締め付けられることで自律神経系などは全般、脊髄神経の情報のやり取りが怪しくなるようです。

そのようなことが内側で起きている可能性もあるようですから、
リセットできない筋膜の癒着が蓄積されてしまいやすいのです。

するとアクティブレストを心がけても疲れがとりきれません。

そういった場合には、
できることならばいったんアクティブレストが体験できるよう、
整体等で筋膜の癒着がほどかれた体に改善をしていただくなど。

一時的にでもホッと息を深くはけるような脱力ができるような状態になっていただいて、
交感神経の高ぶりが常々起き続けていたという不快から脚抜けをしてください。
そのようなときに、

「アクティブムーブメント」と「アクティブレスト」は、
身体づくりの両輪であると実感できるかもしれませんよ。