カラダにべん石温熱器を当てたとき。体内に熱がどのように広がり届くのかのイメージ図より

中国語の書籍だが丁寧に熱を当てる場を図示してある実践的な本があります。
べん石療法の実践本.png


上記の本より下図の雛形は、いただきました。

熱を通すイメージ2.png



熱を通すことのサンプルとしてイメージが少しでももてていただければうれしいです。



凝りはコラーゲンの固まったイメージ出たと得られることがあります。
詳細に見ると、筋肉の凝りが起点となり、複雑な液の停滞が病を引き起こす状態へと陥っているときもあるのですが、
そのような専門的な点はさっぴいて、ざっくりした熱の入るイメージを感じとってください。


A 首を挟み込んで注熱

  熱を注ぐことで、凝りの周囲の代謝は良くなり緩みだします

B 胸腺部を挟み込んで注熱する

  免疫力を高める

C 熱は厚みのある起立筋内を通す
 
  熱は3~4cmか、状態によってはその熱の伝わりは長短する


D 腰椎、骨盤など骨を温める

  骨を加熱して骨膜を緩める
  骨膜は筋膜と同等かそれ以上にセンシティブでたるみや緊張があると骨の並びに異常をきたします

E 内臓を温める

  緊張をした内臓の硬さや内臓の周囲の組織との膜状の癒着部を緩める




○ 注熱をすることで、加圧力はセーブしてもリリースがしやすくなる。
  加圧の強さによりリスクが増大することもあるので、
  加圧の力を落としてもリリースがかなえられるのは安全上、嬉しいことです。



また中医学では病が表(おもて)にある、とか病が裏にあると表現することがあります。

病の体内への侵入を許してしまうと、
病がカラダの内部の皮膚に近くにいる病の状態が浅いところにいるか、
病がカラダの内部の骨や臓器近くまで病の状態が深いところまで沈む。


病の位置は悪化でもぐる2.png

こちらはざっくりとした、なんちゃってのイメージ図です。


ここにこの概念をお伝えしたのには理由があります。

筋膜の癒着とは、このイラストと似てるところがあるからです。

しこりの悪化の進行による浸潤化は次のようになっています。

カラダの皮膚近くにある表層筋がはじめに張って行く。
その張りが凝りへと状態を変えつつ、
徐々に表層から中層、そして深層へ。
癒着部は内部へ入り込んで行きます。

この時点では慢性的な凝りが内部に入り込み、
骨の近くを通る血管やリンパ管等の脈管系を圧迫して流れを停滞させたり、
凝りが起立筋部位にできることにより自律神経系に異変が起き出している。
凝りが引き金になって、呼吸を浅くさせることもあります。

そのような凝りの深部への進行と病の位置の進行とはシンクロしているケースが散見されるのです。


完璧なシンクロといったわけではありません。
ですがそのシンクロ理由は意味のあるもので、
凝りが代謝の滞留を引き起こし、組織の栄養を、免疫を供給されることを妨げて、
老廃物を溜め込み酸化した病を引き起こす環境を作り上げていくからです。

なのでときとして凝りの進行が病に先んじるという場合も見られるのです。
(ここは興味深いことですよね)

病や凝りが表にあるか、それとも悪化が進み裏にはいったのか、、。
それは私たち施術をおこなうものには、見て取る事ができ方法があります。
一般の方が見えないものを知る知恵や知識を学んできたからできることです。
一般の方でも手先で患部を触って感じることもできますが、それだけではダマサれる仕組みがあるのです。
ダマサれずに正解を観るには中医学の脈診や他のいくつかの高度に人体内部を感じ取る技術が必須のような気がします。
もちろんレントゲンやCTなど取り放題なら、脈診しなくてもわかるでしょうが、私はそういった機材を扱えないもので。。。

私は中医学診断のトレーニングをしていくことで精度高くカラダの内部を観る技術が身につけられました。多謝です。


その凝りができている位置が表にだけあるのか、裏にのみあるか、または表に裏に同様にあるのか。

それを知ってべん石温熱器の温度の高低を決めていきます。

ただ温度に対しての敏感さから耐性が個人個人違ってきますから、高めにする設定はむずかしいんですが、。。。
実のところ裏に入ってしまった場合は低温を注いでも改善は見受けられません。
べん石温熱器の発する熱のパワーが砭石全体を覆い尽くして見違える力をもって抑えたい。
でも、私も熱には案外弱くて水ぶくれができやすくって、、、でもそこを耐えて、、、というのがしんどくて。
自分に対しては責任上、実験台になってリスクや成果のデータを集めるには犠牲になるところはなるしかない。
ですがそこがけっこう身にしみて辛いなと思える第一人者なわけで、
、、、お客様に対しては、よりよくなるかもしれないしこらえてくださいねとは言えずにいます。 ==:
なかには熱くても耐えるからと気を利かせていっていただけることもありますが、
お客様の状態をつぶさにチェックすると大丈夫かどうかの大体の察しが付きまして。
大丈夫そうだろうと感じたら、恐る恐る前進してカラダを書き換えることに集中し、
ダメだろうと感じたら、いさぎよくもうちょっと待とうと勧めるようにしています。

でも、正直にいえば、一度でも早々に、その重大な患部が取れた状態を体験してもらい、
本人にその状態でい続けたいと言った、モチベーションを抱いてもらいたい。
そのためには注熱の温度設定を理想的に患部の緩む状態に設定したいところ。
でも、、、本当にそれで一律にしていくことに、なんら問題はないだろうか。



注熱の温度設定をどうしたらいいか、、、悩ましいところです。


ちなみに、なぜ悩ましいかというには理由があります。
患部がひどく血に滞りがでてしまえば熱をその場は欲しくてしかたがない。
そんなときに感じる熱さは、まじめに激アツなんです。
熱を与えてくれて自分を救ってくれるものをひたすら待ってたので、
質のいい熱が与えられるとそれを逃してなるものかと吸い尽くそうとすると激アツになって驚くのです。
そして十二分に熱が吸い込めて、その凍った患部が解けて流動する力に満ちたとき、
うそのようにぽっかぽかで気持ちいい感じです。
むしろそれは心地いいものだと感じられていく。

そのような熱量加算による内部上の変化のプロセスが生じることがあって。
扱いがあんがい悩ましいですね。



ただお客様の患部を変化させる熱源は、べん石温熱器の電熱発生エンジンからのみにあらずです。
それにも匹敵し、ときにはそれ以上のパフォーマンスをかなえるのが、
並行面で2本、数本の筋が癒着が進んだ場合、そこへのリリースをかなえるために修練を積んだずり圧です。

病が皮膚の表層にあるのか、または3センチ中に入ったか、4センチ入ったか。。。部位別の状況全体を把握するのには時間をかけます。


じつは察しのよいお人は、もしやとわかったかもしれませんね。


筋膜をもっとも合理的かつ効果的に剥がすずり圧をかけるとき。
凝りの根を見抜いた状態での筋膜リリースをしなければ解けないか解きづらいか。。。
といった問題が現れてきます。

簡単な例えでいえば、タブレットの新品を買ったときに、ディスプレイに保護シートが貼ってあったとします。
そのシートを剥がすときにどのような剥がし方をするでしょうか。
それのやり方のノウハウは筋膜をほどくためのずり圧にも生かされています。
シートの端っこには、保護シートを剥がしやすくするようなめくれやすい取っ手部分がついていて、
そちらをつまんだまま、剥がれる方向を見定めてそちらに向けて引っ張る。
それと同様に体内の筋膜の癒着部にも剥がれやすい部位が見つかることがあり、
そこを捉えて動かしずり圧を適度にかけて剥がれやすいところめくれ上がらせたり、
シワシワでたわむようなめくりやすさが強まる状態に置いて上げればいい。
そういったお膳立てをすると、ほぼ自動で後々までその部位はほどかれてはまたほどかれてというような状態への移行を選択したという反応も出てくるケースが有るのです。


またばかげたことですが、タブレットの新品のディスプレイをかけるほど削って削って保護シートを剥がす人もいないと思いますが。
病の位置、筋膜の癒着した位置が正確に捉えられて、しっかり保護シートのはがせるきっかけになる取っ手を見つけられないものには、
ミルフィーユ状に多層化したしこりに適切な剥がしがおこなえず、ディスプレイを傷つけて削っていたり、まったくはがせてなかったり。

そうならないように凝りの深さ、位置、点の形か、線の形か、または面か。
点であっても点在が散見するのか、一点なのか。
線であっても線はストレートか、曲線か、浅深の変化があるか。
面であっても面は○か■かコの字か、浅深の変化があるものか。
そこが読めてずり圧の軌跡を先にイメージで出してシミュレーションしないと、
筋膜が解けるようなずり圧は生まれないのです。

だから病位の深さを知り、凝りの位置の深さを知る。

それが見えてる先生かどうか。
それは2~3、手の起き方を見させていただければ嫌というほどわかるのです。
上手い人は、よくコースを読んでますね。
下手な人は、あまり中が見えておらずに、変な黒い力でそこの組織を乱します。

その上で、病の位置の高さをキープしたまま癒着したシートを剥がすような方向へと精密な機械以上に動かし続ける。
ずり圧の、圧をかける力の強さが大事。
絶妙に病の位置を察知して、癒着面をなぞるよう一定の剥がれが起きる病の位置の高さをあわせて剥がしていくのです。
ここがいい加減に強すぎたり弱すぎたりしたら、解けるものも解けません。
一発で解けなくて残念がるだけではなく、
じわじわとダメージを与えてしまう可能性が見え隠れしていることに気付かねばなりません。

繊細な抜き方がむずかしさを感じますが、
それが癒着が剥がせだす感覚がつかめるとシゴトの素晴らしさを堪能することとなります。


不謹慎な言い方と思われそうですが、オモシロイです。
皮下の見立ては鋭い観察が経験として折り重なると、
的確にどこにどのようなことがおこっているかが察知できるようになります。
その察知をもとに、さらに手で触れてみていくことでイメージを集めて行く。
するとかつては見えずにグレーゾーンだったから、
力の入れ具合を抑えていくしかなかったわけですが、
見えてくるに従い安定して、いまのはこの流れで正解よねと安心して解ける。

ここからがようやく筋膜の癒着部との太刀打ちができだしてオモシロイんです。



お客様に対してのずり圧は、そのような理解を元にして問題なくいけます。

すると熱の与え方が複数になるわけです。

べん石温熱器の電気による発熱が熱源のひとつです。
ずり圧による大きな摩擦熱が、さらに加算されるもう一つです。

この2つをうまく組み合わせることでの総合的な筋膜リリースの作用が、


1+1=2


となると思いきや。。。そうではなくて。


1+1=3~4


のようにべん石温熱器の熱とずり圧の熱が絶妙に合わさるようにすることで、
だいぶ化けますね。



冷えて固形化した筋膜の癒着という部位のリリース。
これは一般の方々がなさっておられるマッサージ器具でほどけると言われてそうなものも、
私には正直に見ていて、解いた痕が凸凹に乱されたアスファルトのように別の形に固まっているような情景が浮かぶものが多いように感じます。具体的にはなかなかいえませんが、私がもっているローラーをかけるようなものも、正直、汚い仕上がりだが解かないよりはいいと思って使っています。。。
私の施術では、そのような凸凹をなくしてきれいに仕上げるよう、手を抜かないようこころがけています。
それがあって、持続性高いリリースにつながり、その後の定着にいい影響を及ぼすようです。



べん石温熱器へ加えられた新たな改良からは、摩擦熱の加算が数倍へと跳ね上がるように生まれました。
そしてその変化は他の先生にも確認していただきました。

だから
1+1=5
にもなったような手応えを感じ、
ひとり、これで前進できるって、
うれしくて仕方がなくなりました。


うまく病の位置を捉えて、その層にジャストなずり圧を、またはときには波状圧や回転圧をかける。
そのような変化に飛んだべん石温熱器のアクションが、デフォルトの持ち手では無理だったのです。
工夫した持ち手では、そこができるようになってきました。
そのおかげで、以前に私が独自に扱ってきた真鍮製スティックを用いて患部をほどくために開発した技術の大半が流用できます。
そういった埋もれさせてしまった技術が、再浮上してくれたことは、寄り道がムダではなく価値があったことだったとわかった。
そこも他人にはわからないほどの嬉しいところです。
当時は当時で必死にやってきたわけで、
それをすべてお蔵入りにするときには。。。
多大な費用と研究労力をかけた手前、呆然としてしまったわけで。



来年は中頃くらいに、施術の受付再開をと考えていますが、
それまでに機材の全体の改良を済ませて、使い方をブラッシュアップしようと思います。

これで病位を読み人体断面の浅深を自在かつ的確に捉えている施術がかなえられれば、最高です。
複雑な絵をべん石温熱器という絵筆で描くような動きの練習を積んで自在にできるようになれれば。。。
そこに筋膜のリリースをするための合理的な絵画から解答があらわれるように思います。