肩が痛い、腕が上がらないという不具合を施術のときに主訴として訴えていただくことがあります。
そのようになってみるとつらい、、、。
私もかつて自分がそうなってみて、ちょっとした操作と思えることさえできなくなった状態に、
精神的なショックを受けたことがあります。
施術をするものでありながら、こうなるとは。。。
それは私が母の介護をし終えてすぐのことでした。
それから砭石温熱器や自家用遠赤外線ドーム型サウナをつかって患部の代謝をあげる。
施術による手技ではセルフカウンターストレインをメインに
あとは一人でやるには工夫のいるマッスルエナジーテクニック。
これがまたカウンターストレインではティピカルポイントという圧痛点をとらえて、そこからその該当する硬化緊縮してしまった筋肉をさらに縮める姿勢にポジションどりしていくのですが。
自分でこれを探索するのは、他者にしていただくよりもはるかに難易度が高く感じました。
でもこのままじゃ好ましくないと、やるだけやっていこうと。
基本、手を側方に挙上するには三角筋を使うのです。
その三角筋をリリースするのもけっこう痛いんですが、単純にオステオパシー系の施術テキストの通りにすればケアできる筋膜リリースで済ませられる段階を超えている状態まで病が複雑に深部へと入り込んでいたのでしょう。
三角筋、大円筋、肩甲下筋、前鋸筋、主だった上腕筋とうとう、と鎖骨下筋や肩甲骨周りのすべての癒着しそうな筋群を正常に変えられるまでリリースを行った。
それで患部がまだ深く入り込まなければ、これで片がつく。
お客様の施術でも、これでほぼ8割はその場で軽快するのです。
だがそのときのわたしの状態は、そんなに甘いものじゃありませんでした。
中国医学で言うところの「肝」という肝経絡を通してできあがった患部だったようで、自身で詳細に調べれば、それはまんま中医学の専門書にあった通り。
肝経が状態が悪化が著しくという、五臓六腑の五臓という、一度壊したら再生が至難の業というところにまでダメージが進んでいることがわかってきた。
余談ですが五臓六腑の五臓(心臓・肺・肝臓・腎臓・脾臓)に病がはいるときは六腑(小腸・大腸・膵臓・膀胱・胃など)よりも状態の悪化が進行した印です。
他者に、こういったことを言われるよりも自分で学んで知っているぶん、言われてショックというのはなくてありがたかったんですが。
マニピュレーションと呼ばれる手技療法も有効だがそれだけでは、改善から軽快と言えるまでは圧倒的に隔たりがあるところまでしか登ることができない状態にあったと気づきました。
必死で、どうにか脈診に舌診をあわせて虚実を確かめつつ徐々に進みまして、半年間、みっちりかかって改善し問題ない状態に置き換えが終わりました。
最初は正解や進む道が調べても見当がつかなかったため不安だったが、同時進行で中医学の勉強をしていたため「自分の体が生きたままの患者素材」になっていました。
ちょうと脈診講座を受講していたときで、脈のテンポが飛んで打ててなかったり、沈脈と虚と乾の状態はこんな感じなのかと実感しました。
つまりそのときの私の状態は臓器の肝を壊して起きた肩の不調でした。
そうしたときはいくら肩だけをケアしても、正直、埒が明かない。
そうこうしているうちにさらに本体の肝への病の位置が深まり悪化へと舵が切られます。
もし肝経の異常が読めていなかったら、施したアプローチが見当外れのものとなり、肝の悪化が進んでいたでしょう。
いま、考えるとそこが瀬戸際だったんだなと思ってゾッとします。
そして定期的に合って近況を話すような友達がいて、その方が肩の不調を訴えてきまして。
かなり膨大な時間を一回の施術にかけて手技にてリリースをして、改善は見られたが、軽快とはいえないところも残っているといいます。
脈を見れば以前より体幹がねじれている点があって、、、と、ここから先は、お話は差し控えさせていただきますが、私のパターンとは違った意味合いで、厄介な状態に陥っていることはわかりました。
おそらくお仕事が自宅勤務になり一定姿勢を続けることが多くなり、通勤時のきついストレスから代謝を上げる負荷もなくなっている。歩く量も少ない。
そして、手の使い方がパターン化して、そのパターン以外の動きをなす量が減っていく。
そう、腕の骨と肩甲骨との接点は、肩甲骨の臼状関節部にボール状の上腕骨の骨頭が入る構造。
その臼の中をボールがころころ転がるようなイメージで動かすよう仕組まれています。
この上腕骨の骨頭部のボールを転がすような腕の操作をするときに、その腕は螺旋を描くような動作を行うのです。そしてその螺旋動作が起こることで肩甲骨が機能するようにできています。
肩甲骨も腕の骨です。腕を使うときには、自然に肩甲骨が動くような動作であらねば肩を壊します。
その肩を壊すような動き方のパターンを、いつしか無自覚で作り上げて強固にそれを学習し、
その使い方しかできないようになってしまった。
つまり手の使い方の誤用が続けざまになされ続けたため、自らの肩を壊して炎症を強いているのですが、そこには気づかずに痛みの不具合にのみ気が持っていかれようとすることがあります。
そのようなときに両肩が動けなくなっているときは難しいのですが、片側は動けるというなら、体はその左右のバランスを重さでつりあいたつやじろべえの状態に肩は落ち着きます。
それはたとえば左肩が問題が出たようなときには、左右の主だった重りとなる腕の吊りが無意識につりあわない状態に陥ってしまうため問題が発生するときがあります。
やじろべえでいえば、片側のつりあいを分ける棒が曲がっていて不安定になってしまう。
それが人体で起これば、そこの乱れたバランスを補正するような操作を、現在の痛みが出ている肩が痛みのない肩の位置ヅレから被る不安定さを是正するようにして立つ行為を成立させるのです。
そうした問題は体幹のねじれがあると生じやすいので、この場合は治療点は患部の痛い部分だけではなく、痛くない反対側に位置の補正をしてもらわなければならないところだと教える必要が出てきます。
そのことがかなわなければ、いくら現状の肩関節部の筋の硬化を緩めても、速攻でもとの痛みがぶり返すので効率悪いのですね。
このような左右対称や上下の対称を見て、患部から離れた部位に治療点があるということに気づくのは、施術の専門の方でなければみえてこないもので、そこは大変に重要な考えだと思います。
あとは、腕の螺旋の動きは、現状、肩が痛いとやりたくない激痛を産む動きそのものなので、そうしようと勧めても、そんなことは体に悪い動きに違いないと思われて、拒否反応が著しい。
そこを乗り越えて、手の操作の誤用をいつのまにか覚えたのは誰が悪いわけじゃないもので、そこから派生した進行しているものだから、これから正しい動きを再教育しようねというように持っていく必要があります。
内情的に言えば、こうなるのですが、激痛が完全に消えてからその螺旋動作が身につくようにというのでは、先へと遅々として進めないので。
どこでこれが提案なされるか。
タイミングが問題になります。
ちなみに、力士が相手力士を強力なつっぱりをするときも螺旋の動きで手は動作しています。
そして足も股関節がボールとソケットのようなボールがハマって回転する関節ですから、
螺旋の動きになるときに大腰筋が動き腸骨が操作されることとなります。
もともと手で言う肩から先、足で言う股関節から先を直線的に動かす操作は、人体を損傷させる傷つける使い方なのです。
あまりそういった学習をする機会がないため、へぇそういうものなの?とスルーされそうですが、ここ、自身の人生を変える習慣と言い得るレベルのレベル上げができる最重要な知識だと感じて、手足を螺旋の動きをさせるとは?と自問自答し、実際に自身の体で試していただければ嬉しい限りです。