自分用カスタマイズが成果の決め手!

先だってメールをミクシィ経由でメールをいただきました。


内容はだいたいこんな感じです。


体の操作法を学んでいたがどうもそれが自分に合わない。
有名かつ信頼できて一定の成果も出ている身体訓練法だ。
ならば十分研究し実践すれば期待に答えてくれるはずだ。
だが今自分が欲していることについての、
期待通りの成果が出てこない。




中国武術に興味があり多くの文献にあたったり人づてに話を聞く。
すると興味深い老師の話を聞いた。
ちょっと鮮明な記憶じゃないけど、
多少脚色交えるとこんな感じです。



=====ここから=====


日本人は老師の動きをそっくりそのまま真似ようとする。
だけどそれではいけないんだよ。


なぜかって?


それはね、
人それぞれ気血の流れが違うからだよ。
たとえばね。
人には十二本の経絡が体の中を電車が通るネットワークのようなんだ。
私の心臓に弱点があり心経が陰陽でいうと強い陰だったとする。
だとすると太極拳の型をするときには、
心経を治すための動きをしようと工夫するんだよ。
もしあなたが腎臓が強い陰だったらそれを治す事。
それを太極拳の動きに取り入れることが必要です。


心経が強陽のあなたが私と同じ動きをすれば、
陰陽のバランスを悪化させてしまう。
体を悪くしかねないんだよ。


それを知らずに私をそっくりそのまま真似る。
それで...
体が不調に陥ってもかまいなしに続けている。


それではいけないんだよ!


だから気血を治し滋養をかなえるための太極拳は、
ひとりひとりの動きの処方がある。


私には私にダイレクトにマッチしたものが必要だ。
あなたにはあなたの気血にあったものでなければ、
その真価は発揮されることはないんだ。
私にあった動きがあなたにあうなんてことはない!


そういうものなんだよ。


太極拳のゆっくり動く練習法(=慢練)は、
自分の内側の気血の流れを探り整えるためのものなんだ。
自分を感じて追求して欲しい。


そう考えて練習をするといい。


=====ここまで=====


中国医学を学んだことがある人には、
カンタンに理解できる話です。


だが日本人は中国人ほど中国医学に慣れ親しみ、
基本的な陰陽や気血による身体管理意識は少ないようだ。
中国医学は中国では鍼灸・漢方・気功含め
西洋医学に並び重んじられる医学として認めている。
潜在意識の底まで自然に気血の管理意識が芽生える。


すると老師は気血を整えるために太極拳をしている。
だが日本人は気血を整えることを意識せず太極拳をする。
そこに本当に不思議がっている様子がうかがえるだろう。


つまり自分の体の現状を把握して、
ダイレクトにマッチしたものでなければ適切に健康増進への架け橋にはならない。


そう考えると『これは体にいいといわれているから』
というもののすべてに対して「自分にはどうか?」という基準軸が必要となる。
自分の体の現状を正確に把握し、
それに合うカスタマイズをして、
真の価値を享受できるといえる。


ここまでいうと深く学ぶのもめんどくさくてげんなりすることもある。


でも人が知識を得るのは生活に役立てたいため。
自分の生活をより豊かにしたいから学ぶのです。
より人生を向上させるための学び方がわかれば、
人の成長に天井はないといわれている。


自分を知ること。


たとえばそのためには、
太極拳のゆっくりした練習で自分の内側の気血の動きを感じ、
流れを整える動きを探りだすほどの慎重さと細やかさが必要だ。
内側の気血の流れを知れば滞りや行き過ぎを調整することが適う。


人から学べるものと自分が学ばなければならないものがある。
そういったことなのでしょうか。