慢性疲労症候群のひとつの側面


いつもいつも体がだるい。
いくら寝ても疲れが取れない。
眠気が襲ってくるが深く寝ている感じがしない。


そういった症状をもたれる方。
その方のワークをしていくと、
ある特徴を見出すことができる。


血液には細胞の各部へ新鮮な栄養素や酸素を運びこみ、
消費したら老廃物や二酸化炭素と代わり体外に捨てる。
その過程で自然治癒力が発揮され生命力は再生される。


この血液の流れを通して人は健やかに生きられるのだ。
だが体の深部に非常に強い硬化した筋膜を抱えている。
体の浅い部分の筋肉はある程度柔らかくとも、
深部筋の硬化が動脈の血管を圧迫している。
皮膚に近い浅い筋肉層から硬化して、
骨に近い深い筋肉層まで硬化が観察することもできる。
内臓部分にしこりが多く点在しているか全体が腫れる。


このようなケースではどのようなことが起こるだろう。


体の中でおきていることを観察する。。。
老廃物がたまり二酸化炭素が排泄できない体組織から
恒常的に強い酸化したプラスイオンが発生している。
プラスイオン化された状態がどのようなことを引き起こすか。


まず活性酸素を発生させる。
癌組織は活性酸素が関係しているという。
自律神経やホルモンのバランスが崩れる。
肩こり・冷え性不眠症・肌荒れなどが起こる。


また慢性疲労化する理由として乳酸に関係してくる。
プラスイオン化された体からは乳酸を増加させる反応がでるのです。
長距離のランニングを普段運動しない方が走ったとします。
すると息がぜぇ〜ぜぇ〜しますよね。


足は自然に硬くなりこれ以上走ることを拒む。
そのときに乳酸を多量に増加させて
筋肉を疲労させすぎて痛ませないようにする。
生理的な筋肉のオーバーユース防止の現象。
もし乳酸が出ないならば筋肉の再生が追いつかないほど使うだろう。
筋組織はもろく硬化分離し破壊される。
そうならないよう筋肉を動かせなくする強い酸の『乳酸』を
どんどん増加させて体を動かせないように食い止めるのです。


すばらしい工夫でしょ。



ですがワークをしているときに体の中に多くのしこりを見つけることがあると、
そうものんきなことをいうこともできません。


この筋は硬化し炎症を持っています。
同時に乳酸を多く出しているのです。
硬化した筋肉はもろく破砕断裂しやすいため、
使わないようにしたほうが長く利用できるという保護のため。
だから走って筋疲労を起こしてオーバーユースを避けるのと、
ほぼ同じ意味合いで乳酸を出し続けている。
この乳酸がそのオーバーユースの筋肉と同様に
硬くなった筋を麻痺させています。
体のゆがみを支えるために自ら体内に仕込んだ筋硬化は簡単に消えることはない。
走った後にできた一時的なコリならよいですが、
意味合いがまったく違うので一生その体の中の筋硬化部分が、
体を支えるつっかえぼうとして存在してしまう。
同時にそのつっかえぼうは時間経過と共に硬度と太さをまして行き、
乳酸排出量を年々増やしていくものです。


それが体全体的に埋まっている。
でも硬化した筋肉を使わなければ、
日常生活が送れない。。。


でも筋肉疲労もかえって体の麻痺が進むと、
無茶ができてごまかしながら動かせるから、
どうにかこうにか動いている。。。


その仕組みを知っているため、
「慢性疲労がおありのようですね」と、
ワークで体の中の様子をみてお伝えします。
裏側にあるいろいろな仕組みがわかればわかるほど、
適切な言葉をかけられるのです。


ワーク技術と見立てがよくなると、
冷静な状況判断がしやすくなります。
ご本人には気づかないところを本当に多く見つけられるからです。
その反面、お体の状態を思いやるととてもつらく感じられてきます。