声帯隔膜と骨盤隔膜

声帯隔膜の硬さを認識することは容易だ。


仰向けに寝てもらい頚椎リリースをおこなうと、
のどの中にある声帯隔膜のしこりを発見できる。


私の場合はその人の声を聞くと、
どれくらいの声帯隔膜部分にしこりがあるかがだいたいわかる。


声を出すときに抜ける息が左右に偏りがあるか。
または声自体に響きがなくなる。
男性ならばのどぼとけの動きをみても偏りが見えるか、
つっかかりのある動きをみてもわかる。
その他いくつもの正常時とは違うような感じが観察できます。



声帯隔膜が硬化していると胸郭前部が硬化萎縮するため、
呼吸がしにくいことと
心臓を圧迫して動悸がしたり
胸腺を締め付けて免疫力が下がる。


もちろん声帯隔膜部分は自分で触ることも出来る。
ただ私どもが頚椎部分をリリースしてより深部の硬い核になる部分。
ここにしこりがあるんだよとわかりやすくしてから触ってもらうと驚く。


そしてこの声帯隔膜の硬さが同期する部分がある。



横隔膜を中間にはさんだ『骨盤隔膜』だ。


骨盤隔膜は上に引き上げられれば声帯隔膜は下に引き下げられる。

骨盤隔膜は下に引き下げられれば声帯隔膜は上に引き上げられる。



必ずこのような相反する同期動が起きて呼吸がなされている仕組みだ。
だから声帯隔膜部分が硬化すれば、
骨盤隔膜部分もそれに引きつられて動きが悪くなる。
骨盤隔膜の片側だけが動きすぎれば
硬化して動きが抑制された部分が無理に動かされて
引きちぎられるほどの不快感極まりないようになる。


それに骨盤隔膜は足の使い方が悪ければそれに伴い硬化したり歪曲する。


だがこの骨盤隔膜に存在しているしこり部分を認識するのは場所的に難しい!!



それは骨盤という骨の存在が強い場所。
仙骨・尾骨・腸骨・大腿骨は強靭な靭帯で立体的且つ縦横無尽につながっている。
そして靭帯や腱部分はもともとコラーゲン組織が繊維化していて
ともすると容易に硬化し繊維化して骨化していく。
だがそうなってももともとが骨の存在という硬さがある部分で、
首のように振り向いたりなどのような可動が取りだ足されない部分。
骨化の仕方が見事に骨盤に一体化してしまう。
骨化してもあまり不都合を感じないだろう。
あまりにも一体化しているので動きにすでに不都合がでていても、
『昔からこうだったからこれが当然』という感覚で占められている。
その気持ちはとてもよくわかる。。。。。


だが一部ダンサーなどはその部分の不都合に気づき、
しっかり骨盤隔膜が動く者と自分との違いに不思議がるだろう。
『なんで?』と思うが、
あまりこの骨盤隔膜がしこりとなり骨化するなんて意識は薄い。
だから不思議・・・という意識でとどまってしまう。



だけど骨盤隔膜が活きて初めて体の垂直軸と水平軸を感じられる。
腹式呼吸をするためにはこの骨盤隔膜。
気を丹田にためるためには骨盤隔膜。
地に足が着いた爆発的な力を出すにも骨盤隔膜の柔軟で機能を発揮させることだ。
股関節の自由な可動も骨盤隔膜の機能的なゆるみ広がる力が必要だ。


ですからこの骨盤隔膜。
ここを活かす事が必須。



この存在がクローズアップされてくる日が近々くるだろう。