治りやすい側弯症と治りにくい側弯症の違い

立位で前屈をしてもらう。
そのとき背中の肋骨部分が左右とも地面に対して水平ならば正常。
またはもし立位で脊椎がゆがんでいたとしても、
このスクリーニングテストで正常と同様に地面に対して水平ならば機能的側弯症。
だが背中の肋骨部分が左右どちらかに傾き盛り上がっているならば器質的側弯症。


この機能的側弯症と器質的側弯症。


ワークをする側と受ける側ともに大きな違いがある。


実は機能的側弯症の場合、
整体などの施術を受けたり、
体の使い方を改善したり、
ドーマン法などの特殊なトレーニングをすれば改善の方向へと向かいやすい。
機能的側弯ならば比較的改善しやすいためちょっとその時点で安心してます。


だが器質的側弯症の場合、
ちょっとやそっとでは改善が見られないことがほとんど。


側弯症を改善させたという施術者の友人の話を聞くと、
スムースに改善したクライアントと、
まったく改善しないかかえってひどくなるものもいるという。


この違いは機能的な側弯症のクライアントが治りやすく、
器質的な側弯症のクライアントはなかなか歯が立たない。
というようなこと。



私も器質的な側弯症の方では、
全霊の気合をいれ時間をかけて取組んでどうにか結果が出せる。


ものすごく頭を使う。



たとえば器質構造的原因として神経筋システムの障害。
これは上位・下位運動ニューロンの病変や
ジストロフィーなどの筋原繊維の原因を含む。
そのほかにも神経線維腫症リュウマチ様疾患、
骨軟骨異形成症、骨への感染、腫瘍、代謝性疾患等がある。
だからことによると私の手に負えないこともある。
その場合にはそう自力のなさを伝えるしかない。



機能的な原因のときは、
下肢〜骨盤変位。
腹筋の弛緩、広背筋、腰方形筋、大殿筋、梨状筋、大腿二頭筋等の筋の緊張・短縮、
それに伴う骨格の機能的変位が原因。
だから初期段階的な機能的原因だけのときは
上記の筋肉を緩めたり調整すればいい。
だが機能的原因で側弯症になった状態を継続し時間が経つと、
二次的に他の筋肉や靭帯に多大な負担をかけてしまうことに。
それにより二次的な機能的原因による側弯症原因も追加される。
二次的な影響は一定のパターンを大きく逸脱することもある。
これが癒着が深層筋膜に入り込み骨化します。
本人も気づかないような影響もでていますし。


機能的な原因が初期段階だったら意外にスムースに改善する事もある。
それは例えば10歳以下の側弯症になる男女比は男:女=7:1か9:1。
圧倒的に女子が多くこの幼少の時には二次的な機能的原因が追加されない分、
改善しやすいといえよう。
できれば体に柔軟性が富んでいるころに改善したいのです。
側弯症は早いうちに手を打ったほうがいいというのは本当です。


大人になられた方で、
つらい腰痛や背部痛、
呼吸の浅いほうである、
ヒステリー傾向がある、
肋間神経痛などがある、
その他いくつかの体調不良を思い当たる方に、
立位前屈での背骨の隆起をみるスクリーニングテストをすると、
機能的側弯症を通り抜け器質的な側弯症を示す人が多いのです。


子供の頃に側弯症でも幸運にも水泳などをして、
大人になると改善しているという事もあります。
ですが子供たちの側弯症は増え続けていて、
大人になっても改善していないというケースも増えていると聞きまして。


やはりそうなると子供のときに側弯症を積極的に改善するためのプログラムを
受けたほうが機能的側弯症の場合にはよい結果がでるのではないでしょうか。