暗示操作による作用の流れについての考察


暗示操作による作用の流れについて。

(1)精神的作用を与えるために暗示を与える

(2)暗示は脳に働きかけることになる

(3)脳は神経に作用する

(4)筋肉が緩みだす

(5)一時的な筋弛緩状態となる



上記のような流れで暗示により実際に筋肉を弛緩させる作用が生じる。


言葉の誘導による暗示や威光暗示などにより暗示が与えられたとき。
脳が暗示を信じたり信じたいと願った深さに比例し作用幅が決まる。


暗示内容を信じたいと思う気持ちを暗示の受け入れ側が強く持てば
強制的暗示よりもずっとその暗示効果が深くなるといわれています。


この一時的な筋弛緩状体を暗示により作り出して、
それをうまく毎回の施術で積み上げていくという手法があります。


施術による筋弛緩成果と暗示による筋弛緩成果を掛け合わせる。
とてもすばらしい総合的な成果が期待できるでしょう。


ただ逆に暗示をかけることがうますぎるときにはあまりいただけません。
暗示の筋弛緩は脳が神経を通して一時的に作り出した状態です。
暗示効果は長続きしないようなのです。


脳はその暗示を受け入れても時間とともに効果を失います。
一時記憶脳部分の海馬がその暗示をすぐに忘れさせますし、
時間とともに暗示内容を否定して「いつもの自分」に帰ります。
暗示によって自分の性格をいきなり180度変えようとしても、
なかなかうまくいかないし無理してがんばっても疲れて元に戻る。
そんなことと同じようなものだと思います。


なので暗示効果だけの成果で筋弛緩したときには
みごとにまた元通りの筋状態へ逆行していきます。
ときに一時的に筋弛緩して快調になり逆行すると、
そのギャップにより苦しむことがあります。


俗に言われる好転反応のような
止血されて痛覚神経が麻痺していたのが正常になったため
昔感じた懐かしい痛みが感じられたというのは別ですが。


私は暗示効果を利用する方法はことごとく手放して使いませんが、
私が考えるには暗示操作がうまい先生が悪い先生とは思いません。


ただ施術を受ける側が
暗示効果や暗示操作のメカニズムを理解できればと思います。


暗示操作は善用も悪用もできます。


自己暗示技術を身につければ、
暗示で筋弛緩状態を作り出せます。
暗示を応用して痛みのコントロールや能力開発にまでつなげられます。
私は自己暗示の力で自らの窮地を乗り越えてきました。