『日経サイエンス2007年1月号』を読んでいて面白い記事を見つけた。
自在に動く玉乗りロボット
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0701/bollbot.html
不思議なロボットを考えたものです。
三本の柱を立てた1.5メートルの巨大なボールペンのような感じのロボ。
最下層は玉乗り用のボールとそのボールを動かす駆動部分があります。
その上に鉛直軸をモニターするための鉛直ジャイロスコープがある。
そしてより上部にはバッテリーや制御コンピュータを積んでいる。
でここで感心するのが、
常に鉛直軸をモニターし体が傾いていればそれを修正するシステム。
このシステムのおかげで全体像が奇妙に見えるボールボットが倒れずに動く。
ボールボットの写真が上記URLに少し載っているが玉に乗っている。
玉は地面に対して一点でその体を支えているわけです。
玉乗りをしたことがある人はわかると思いますが、
ついつい進行方向に傾斜するとすぐ倒れてしまう。
そうならないように玉の中心の真上に乗ります。
そして少しだけ進行方向に進もうとするとそちらへ本体が傾斜します。
それを傾斜しすぎて倒れないようにコントロールしながら進むのです。
変った動き方をすると思われるでしょう。
ですが体の使い方がうまい方の体の胴体の移動に、
このボールボットに似ている点があるように思えるのです。
たとえば、
地面に対して重心点が上下せずなめらかに進むところもそうですし、
鉛直方向をボールボットでは鉛直ジャイロスコープで把握しますし、
人間は仙骨や耳の平衡器官などで鉛直を常に把握しています。
一般の方の歩き方ですと足を上げ下げして膝を曲げて歩きがち。
そうなると重心点が上下せざるを得ません。
膝を曲げて太ももの前側の筋に力が入る人もおり、
そのような歩き方ですと足首の力を脱力できません。
足首に力みが入ると仙骨の鉛直を感じるセンサーの働きが鈍ります。
そのため胴体を静かな水面を舟が進むように進ませることができない。
重い質量を持った胴体を上下させて疲れてしまいます。
逆に地面に対して重心の位置が一定をキープできれば
胴体が進行方向に向かって突き進む慣性の法則が成立。
慣性の法則を胴体が体現すると省エネで動け疲れません。
ボールボットのように胴体を立て動く方法を追求すると、
立位姿勢や歩き方のよしあしもわかりだすはずです。