経絡は肺経が第一走者

経絡のお話。


経絡は神経や血管などのような解剖学的実態は発見されていない。


ノイロメーターなどで各経絡の虚実を測定できるため、
一応のこと数値での評価もできるでしょう。


私にはできませんが
脈診にて各経絡の状態やバランスをかんがみて、
体の中の様子を分析する方法もあります。
チベット医学は脈診の力に優れているそうです。


脈診をなさる方に「経絡の中で重要なものは?」と問うと、
それぞれの場合によるのではありますが、
多くの方は『肺経』もエントリーします。


肺経は、人体のエネルギー周期の出発点とされていて、
長い夜の眠りについていた休息した体が目覚めるには
肺経が正常機能しなければならないためです。


経絡には順繰りに午前3時に肺経が目覚め活性化し、
次に大腸経を目覚めさせてと次々に活性化のバトンを回していく仕組み。
これは経絡の勉強をしたことがないとぴんとこないかもしれませんが、
私などは一日の人間の生活周期に照らしてみると興味深い相関を感じました。


第一走者が肺経で第二走者が大腸経で
第三走者が胃経で第四走者が脾経で・・・・と続いていき、
最後に肝経までバトンが伝わり、
翌日にまた肺経がそのバトンを受け取り走り出す感じです。


たとえば第一走者の肺経さんがバトンを次の走者に渡し損ねたりしたら、
その後のすべての走者にその影響が出てしまう。
第一走者の問題が後の走者に持ち越されてしまう。


オリンピックのアメリカ男子リレーとかを見ていればわかるでしょ?
そのような感じになります。


つまり肺経の虚実のバランスが取れているかをみて、
もしそこで大きなダメージがあれば
他の経絡もそのダメージの影響がすべてにでてしまう。




もし肺経に関係する慢性的アレルギー症状があれば、
つぎのような問題がでてくるときがあるようです。


拇指の関節炎、テニス肘、五十肩、肩の腱鞘炎、
午前の発熱、喘息、血痰、気管支炎、気管支拡張症、
心臓喘息、午前3時〜5時に悪化する喘息、にきび、アトピー性皮膚炎、
慢性的蕁麻疹、湿疹、多汗、皮膚発疹、
その他省略。。。



そういったものですから肺経をまずは念入りにチェック。
そしてケアします。


ただ肺経上の筋膜をごりごりリリースすると、
ひえーっというほど痛い。
だけどここを解くと呼吸がすごくしやすくなる。


私の場合は筋膜をリリースするときにも、
肺経に限らず経絡の流れる道に沿ってリリースしていき、
経絡のつまりが出てエネルギーが伝えられない遮断が起こる部位を解きます。
経絡は筋膜つたいにエネルギーを流すラインだといわれていますから、
伸びすぎたり引き連れたりした筋膜を正常化することが経絡の様子に
なんらかの好影響を及ぼすものと思われます。