お客様が合気柔術を本格的に先生について習いだされました。
その合気柔術の先生。
合気柔術にとどまらず古武術やムーブメント法など学んでいるという。
そのためお客様がおっしゃるには「この先生は奥が深そうだ」という。
それも技術面について言葉で説明することができるという。
説明は的確な示唆を含みわかりやすい。
物理を学ぶときに描かれる解説イラストが思い描けるほどの精度で、
技術の芯に在する核心部分をベールに隠そうとはしていないという。
通常、自分では技ができるときでも
技術を一般の方に口頭で伝えることは難しい。
至難の業です。
体の内側を洞察し技の工夫を凝らしていく。
時間と労力と情熱がつぎ込まれた長い旅のようなものです。
工夫を凝らす過程でひとつの技でも多層構造や入れ子構造的に
枝葉や根を複雑に伸ばし大樹になっていく。
洞察を深め自力で身に着けた技は無意識に体が動いてしまう。
言葉で一部分の工夫や技術部にスポットライトを当てすぎると、
体の内側を駆け抜けるエネルギーの滞りを呼ぶために連動性が
阻害されてしまうこともある。
体の中をいくつもの力のラインを描いて
そうなることを嫌うのも人情です。
それに言葉で表現しようというのは、
技の芯を見分け抽出する力と重要度を測り優先順位付けをすること。
初学者のためには細部のこだわりを切り捨てる割り切りも必要だ。
そして口頭で説明するツールや手法を持って伝えるプレゼン能力。
技を身に着ける別ジャンルの手間のかかる修行をせねばならない。
合気を行うものは知的で道への探究心に富む人が多いように思う。
それでも一般の人に技の骨子を伝え導くのは
「技の核心部を人に教えれば戦えば自分が負かされ権威を失う」
という発想を持たずに、
「技の核心部を人に教えれば護身に使ってもらえるだろうな」
という発想で自分が学んだすべてを伝えたいという姿勢です。
どこぞの武術講座では法外な費用を請求される秘伝レベルの教授も
誰もが習えるように抑えているようです。
社交ダンスもそちらの先生は挑戦なさったことがあるようで、
社交ダンスのレッスンでは軸の分化や統合の注意や指示があるそうです。
極々日常的に高いレベルで。
私も社交ダンスの本を読んで
「社交ダンス、只者じゃない!」と感じてまして。
世の中には面白い人がいるものです。^-^)