腰仙関節のリリース

アプライドキネシオロジー関係の専門書籍を読むと、
決まってページのはじめごろに
「ロベットリアクター」や「ロベットブラザー」といわれる
脊椎の運動にかかわる関係を示した脊椎部の図解が表示されています。

そちらの図をみると
C1-L5に関係が見て取れるという。


C1とは頚椎の1番のことでL5は腰椎の5番のこと。
両者には深い関係性があることを示します。


お客様のうちに
「今まで腕の立つ施術をすると評判の先生に
何軒もの施術院にお世話になりました。
施術を受けると数日は体調は持つのですが、
それが過ぎるともとの不快感やつらさがぶり返してしまって。」
とおっしゃられていた方が何名もおられるのです。



そのなかには医師から自律神経系に何らかの問題があるのではないか?と
指摘を受けた方もおられます。


たとえば
不眠、疲れやすい、集中力が持たない、特定箇所の不快感が消えない、
呼吸が浅い、緊張が解けない、アレルギー体質、強い冷え性体質など。
他にも訴えられる項目をあげればきりがないのですが。


そのようなときには頚椎の1番に問題があることが多く見受けられます。
自律神経系でこの頚椎の1番は頭という重い物体を小さな頚椎1番で
支えなければならない。
頭から下の脊椎の並びが正しい状態で椎骨同士を結んで
椎間板が十分な厚みを保持でき縦靭帯も前後で正しく機能させたい。


それならばまったく難なく頭の重さなどは羽が生えたように軽く感じられる。
すると脳から脊椎を通る脊椎神経を通す穴の部分がしっかり開いてくれます。
そうなれば自律神経の失調する原因の大きなもののひとつがなくてすみます。


この頚椎の1番の部分は自律神経を圧迫し
神経にダメージを与えるかどうかの重要な関所のような場所です。


自律神経系 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%BE%8B%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B3%BB


ただこの頚椎の1番は腰椎の5番の動きに深い関連性がある。
この腰椎の5番が接している部分、
「腰椎の4番と腰椎の5番部分」と「腰椎の5番と仙骨上端の間の腰仙関節」の2つの椎間板を含んだ関節があるが、
この両者の関節が緩まらねば頚椎の1番を緩めても
時期に腰椎5番の関節の異常に引きづられる形で
頚椎1番がもとのゆがみにもどされる。


そのようなことを繰り返していることがあるように見受けられます。


それが腰椎5番の特に腰仙関節を緩めることができると
その成果は頚椎1番のずれを是正するような動きにつながります。


それにより状態が安定してくるという計算です。


では頚椎1番を正せば腰椎5番が正されるし、ということもいえているのでは?
と疑問をもたれるかもしれません。
ただ問題点のひとつとして挙げられるのは、
腰椎5番のずれは強力なでん部やハムストリング筋や
そけい部の筋肉や内臓部の裏に位置する大腰筋などで固められてしまい、
まるで腰仙関節部は不動関節というまったく動かない関節と同程度としか
動けない人がおられるのです。


歩行時に腰椎5番はダイレクトに脚部の衝撃を受け取ってしまうこともある。
正常な骨盤部の状態ならば仙腸関節部分が仙骨と腸骨の衝撃を緩和させる
緩衝材として働くよう機能するものですが、
腰椎5番あたりに問題がある方の多くはこの機能が仙腸関節の硬直化で
期待できない。
そのようなときには仙骨と腰椎5番の隙間の腰仙関節に厳しい衝撃が
ただ歩いているだけでも加えられることになります。
衝撃は頚椎1番にも脊椎の回旋などの運動を通し
伝えられダメージをあたえられるということのようです。
いすに座るときに座骨を立てないような不良姿勢をしても、
そのときにかかる負担は頚椎1番にまで伝わり疲労が蓄積してしまう。


だから私が他の施術院に通っているが問題がずっと継続中の方をみて
「すぐに症状が戻るでしょう。大変でしたね。」というときがあります。
それは明らかに腰仙関節が硬直して仙骨が後ろに反り返りすぎて
強い圧をかけてもぴくりとも動かないことを確認していて発している言葉。


自動的にこの部分が日常生活をしていて緩むことは
めったにおきないことです。
本人は気づかないのですが常に腰仙関節に負担を
日々の生活で蓄積するような動きを強化させています。
慢性化したしこりは常に日々そこに疲労を蓄積させる動きが元となり成長を続けています。
だから自然になくなるというケースは、
なんらかの動き方を機能的な改善へと進めるきっかけがない限り、
これではこの先もずっとそこにネックを抱え続けることとなるのです。


ときどきまだ腰椎部の柔軟性が残っていて周囲の組織も悪くない人もいます。
日頃からヨガや太極拳等のエクササイズを実践している方々です。
そのようなときは腰椎5番もフローティングしている骨だと捕らえて、
この部分をゆるいゆらし圧をかけて緩めることもできるのです。
ある程度の体の全体の組織が柔軟性を持つ方ならばこれで対応できます。


でもすでにさまざまな部分で深層部の筋膜にまでしこりが入り込めば
それをしても成果の持ちが芳しくないときがあるんです。


そのようなときは骨に化けたような硬化した深層部の広く関連筋を
丁寧に緩めていく。
かなりこれは手間隙と時間がかかる作業ですが、
ここを積み重ねると徐々に体調の改善が積み重ねられていく実感がでてくる。




自分では気づけない腰椎や仙骨にかかわる部分がネックになっていると、
そこを十分適切なケアをしない限り、
負担が将来に持ち越されていくと考えるとゾッとするところです。


場合によってはこのような部分に問題があって不調が続いている人もいると思いますので、
そのような節があるときはある程度の高度な医学的な知識を持っておられる施術者に
チェックしていただくといい。
腰仙関節部分を恒常的に緩めた状態に保てる技術を持っている施術者かどうか。
それを見抜くことも大切ですね。