腰仙関節部などの斜転のお話

昨日は『無料小規模説明会』でした。


私としては顔を知っております方々でどの方も素晴らしい方ばかり。


太極拳をなさっておられるお客様が、
立位姿勢が手本になられるレベルです。
すばらしい。

なのでそのお客様をサンプルに良い例はこのような立ち方ですよ!
という姿勢を実際に見て頂いて「おぉ〜!すごい、まっすぐ」と。
和やかに施術のデモをしつつ。


つい昨日はちょっと難しいことを急に説明したくなりまして。



その日の朝に『十字式健康法』関連の本を書棚から引っ張り出して。


脊椎の「斜転」、
特に腰椎部分の斜転の問題を少し解説させていただきました。


腰椎5番と仙椎1番の椎間板が縮だして狭窄すること。
それはときどきこちらの日記でも解説しています。
ただそこをもうちょっと先にというか専門的なことを
解説していこうかなと。


参加者は私の同業者の方はおられませんでした。
ですがなぜ私が施術をするときに
右側の臀部筋を左側よりも深く緩めていくか。
少しだけでもわかってもらえれば面白いかなと思いまして。


何年もずっと辛い思いをする慢性的な腰痛や神経痛などの人がいますよね。
またはなんとなく調子が悪い状態がずっと続いてしまっていて、
多くの施術院等で施術を受けてもなんだかよくなった感じがしない。


そのようなときに疑われてしまうところなんですが、
頚椎第1番の環椎と頚椎2番のあたりや
腰椎5番と仙椎1番とのあたりの脊椎部分が「斜転」していることがある。


単純に当該椎間板部分が狭窄しているだけじゃないんです。
斜転してねじれてしまっていることで脊髄神経が外にでる穴の椎間孔部が、
ねじれがきつくなるんだそうです。


そこから該当する神経が引き伸ばされて常に過緊張状態になっていたりと
神経的な問題がそのなかで生じてしまう。
それが首と頭の付け根の部分の関節と
仙骨と腰椎との交わる腰仙関節あたりで起きる。
すごい重要な関節部分で正常機能できていなければならない部位なんです。


この二つの関節が斜転すれば
脊椎全体の緊張を過剰にさせるような性質がある。
その脊椎の緊張は自律神経系にあまりよい影響を与えないそうです。


案外と慢性的な症状を持つ方々が自身がそのような状態にいることに
気づいている例は少ないようです。
施術院等でも丁寧に説明をするにしても、
骨格部の歪みや椎間板の狭窄等は言及しても
斜転までは複雑な説明になるためか説明をしていないこともあるようです。


この二つの関節は密接に連携しつつ働いています。


その関係性により、
どちらか一方がずれてしまえば、
そのズレが小さければずれていない方の関節がずれたものを修正する。
だがずれが大きければずれていない方の関節もずらして
脊椎のバランスをとろうとする。
そうなると両方ともずれてしまうことになるのです。


右の臀部を左よりもずっと丁寧に解いていくのはこの腰仙関節部分の
斜転を骨盤の骨膜にまで根深く癒着した臀部筋等を緩めるためです。


そこを十字式健康法では独特な念力で対応するわけですが、
私はそこを筋膜リリースで対応しようとしているわけです。


私なりにこの部分はすごい面白いな、
と研究課題の1つとして長年見てきております。


だから右の臀部を長時間解いているのは、
左の臀部を解く時間が短くなるのは右側を解く作業で疲労困憊したためでも
時間調整をミスって右ばかり解いているわけでもありません。^-^;


けっこうシビアにシナリオの全体を把握して時間を計算をしてのこと。


ただ問題は十字式健康法では数十秒で調整するのですが、
筋膜リリースでは数時間は必要となるという点でしょう。



ですが筋膜リリースは大胆に問題の硬化した部位を緩めるばかりではなく、
ちみつに部分をミリ単位かそれ以下の単位で主要部を緩めることもできる。


筋膜リリースのハンドリング性のよさはすばらしい。
そこを利用して斜転する主要な関節部をリリースしていく。
それによる成果はなかなかのものです。



私はそこを初めて慎重に検討して実施したとき、
目からウロコがはがれた感じでした。


リリースされた後の仕上がりレベルが明らかに違う。
その結果が手にとるようにわかったときはうれしかったですね。


それが施術をとても効果的で深部にまで
影響をおよぼすようにさせる秘密のひとつです。
施術の秘密はもっといっぱいあるのですが、
これは重要度がもっとも高いもののひとつなのです。


そこを伝えてから施術のデモを見ていただこうかと。
急にそうしようと説明会をする朝方に思い立ちまして。


なんとな〜く、人体の秘密っていろいろあるものだなと
感じ取っていただければそれで十分であります。^-^;