臀部筋は、3層構造で臀部の深層筋までたどりつくのは難しいものです


私が施術時間の多くを費やす『臀部筋』。


臀部筋というお尻の筋肉は、
機能別に浅層・中間層・深層の三段階に分かれています。


深層部分は、骨に親しくて、骨を固定させることで安定を図ります。
浅層部分が、ムーブメントの戦力ですね。


股関節のハマり具合の異常や
仙骨・腸骨の位置がずれたり仙腸関節がずれていて骨盤の形状が問題があるとき。
慢性化しておられるケースではほぼ大部分がすでに深層部分が、硬化しています。


その問題の大小は、ケース・バイ・ケースですから、
一概にいえるものではありませんが、
実質、体を支えるべき骨盤の骨の固定をするための
臀部の深層筋が(硬化や虚脱)など問題を抱えると
脊椎を理想的なバランスを保って支えることができません。


一般的なマッサージの本や、手技療法の本などで紹介されるリリース方法では、
浅層部分の大殿筋のような筋肉には圧をかけてアプローチも容易ですが、
中間層部分のアプローチをする段では、
普通の母指や肘などの鋭い強めの加圧でなければ力は届きませんし、
無論、その奥にある深層筋といえるような小殿筋や梨状筋、そして坐骨結節等は、
アプローチが難しい。


圧をかけるときに『点』で抑えると痛みが強くて耐えられないのですよね。


「うぉ〜〜〜っ」と叫びたくなるような、激痛に寄る緊張感。
それが引き金になって二次的な筋硬化を引き起こすこともあるほどですから。
それは日頃は認識していないものですが、
すでに筋硬化が進んだ部分は血行不良を起こしていて強い炎症を抱えている。
その炎症部分があることは、血行不良が過ぎれば痛覚麻痺を起こしています。
だから平素は痛みが、さほどなく普通に生活できているのです。
ただ施術者が外圧をかけて、強烈な炎症を持っていた人ならば、
その炎症部分周囲の血行がよくなるに従い痛覚麻痺から痛覚を取り戻します。
するといきなり『えぇ??こんなところに、痛みなんてなかったはずだけど』
と驚くような痛みの部分が露呈されだすのです。


つまり今までは奥のほうでゆっくりと眠りに付いて静かにしていたところが、
寝た子を起こすようにされて目覚めた状態ですね。


なので圧をかけるときに『点』という数ミリエリアの部分を狙うのではなく、
『面』として数センチや数十センチの広がりを持たせた状態で圧をかけます。
するとどうにか痛みの具合は低下するのです。
ただし『面』に圧するエリアを拡大するということで、
容易に奥に圧が行き渡りづらくなるのです。


先の尖った針は、容易に人の肌に刺さるのですが、
削っていない新品の鉛筆を人の肌に押し付けても
刺さるような影響は起こることはありませんから。


深層に圧が極端に届きづらくなる。


そこをクリアするために、
仙腸関節のリリースを先行して徹底させることは下準備として必須で、
そこが済んだら浅層部分はすでにだいたいリリースが済んでいる状態。
それから中間層のリリースは、きっちり圧をかける必要がありますし、
臀部周りの硬さが強い方の場合は浅層と中間層が強い癒着をしている。
こちらをリリースするのは、相応な難しさが発生してくるわけですね。


そこを筋肉の硬化を捉え流れを読み、
必死に圧をかけて多層構造化したしこりの層を一枚ずつ引き離し作業を繰り返し、
繰り返し、繰り返し、繰り返し、、、、。
何をさっきから同じことをしているんだろうと思われるかもしれませんが、
ごっそりと一気にリリースしたら硬化した筋肉はバカラのグラスほどに
もろく壊れやすい筋繊維や軟骨や靭帯でできあがってしまっているから、
安全を考えれば効率を引き換えにしてでもそのようにしていかなければ。


私もお客様も、
気に入ったようなリリースがなされることはないのでしょう。


そして深層筋部分。
小殿筋や梨状筋や坐骨結節やら・・・ですが、
それらは腸骨や仙骨等の『骨膜』に触れるほどの深層ですから。
そこにもうひとつのネックが出てきます。
それは『骨膜に筋肉の周りを取り巻く筋膜の癒着が進んでいる』場合です。


実際はすでに股関節周りや骨盤の位置の慢性的な異常がある場合では、
しっかりと食い込むように骨と筋肉の付着点以外の部分の骨膜に臀部の深層筋筋膜が癒着してしまって、
骨盤の形状を整体で一時的に「えぃ!」と整えたとしても、
その深層部と骨膜の癒着が適正にリリースされない限りは
容易にまた元のいつもの状態の骨盤の形状に戻るしかない。


でもこの『骨膜』部分に張り付いた筋膜をリリースするのは、
腫れ物に触られるような激烈な神経に触るような痛みがある。
それらをできるだけ低く抑える工夫をしようと考えてますし
それでリリース面に当たる部分の表面積を増やしてみますが。。。


ただ、、、
残念なことに、
筋膜の癒着があまりにも強くなれば、
骨の硬さよりもはるかに硬度があり、
全くもって歯がたたないような状態。


人によってですが、
そのようになるまで深層筋に負担を強いて骨格のずれをたえず強烈に修正をし続けるようなときもあり。


そうなると、、、
それを解くのは痛みが強すぎて可愛そうだからと諦めるか、
またはあきらめなくても普通の母指や肘や膝などでの持続圧リリースでは難しいので。


賢くダイソーのゴム製ハンマーと当て木を使って刺激を与えたり
私のところのようなゼロプロマッサーを利用した瞬間加圧にして、
なおかつ加圧の力量を調整していってみたり。
研究の余地はまだありそうですが、
目処が付いたのはありがたいです。


そうやっていきいろいろと工夫をしていかなければ、
臀部の深層筋にまでリリースが届きづらいようです。


私は、必死に研究して今の今までかかりました。
屈折何十年。
でんでんむしのような歩みですね。。。




ちなみに最近ようやく、坐骨結節部分のリリースが、
イメージがつくようになってきました。
尾椎が真横にあるし、仙骨に直接付着するという、
最も危険で怖いところですから。


何百もの試行錯誤を重ねてきて、ようやくです。


まだまだ完全ではありませんが、
坐骨結節部分がリリースされて、
自分の骨盤の形状が変わりだす。


これも相当に施術の回数を重ねて起きることではあるのですが、
骨盤部分の形状をしっかり書き換えるようになってから
骨盤のをアドバイスできるようになったのは上々です。


施術をする側としては、
体力的にも集中力的にも、
しんどいものがあります。


ここまでするのは。 ^-^;



ただ、、、
一度、山に登れたのですから、
ショートカットできるような
なんらかの工夫をできればと。


そうできれば、

どんなにすばらしいことか!!



ただこの山を登るショートカットの目処がつくようならば、
私が当初、父が腰椎椎間板ヘルニアでのお亡くなりになった経緯から、
そのようなことを防げる知恵を授かるためのこの仕事に入った動機から、
一段落根本的な解決の緒を掴んだことになります。
長い長いトンネルから、ようやく抜け出せます。


そうなればほっとすることができるのでしょう。


そうなったとき、
今の仕事も新たな変わり目を向かえられることでしょうね。
変わり目を向かえることは不安も大きくのしかかりますが、
人生、発展的な広がりを持てるようになりたいものですね。


新たなる勇気を持って進むことも大事なことですから。。。


がんばらねば。^-^