安藤忠雄 一心不乱に

昨日、なにげなくテレビを見ていたら、
建築家として名高い、安藤忠雄が若い頃から今までやってきたときに心に刻み続けた言葉を告げていた。


【一心不乱】


安藤忠雄は、
過去にはプロボクサーでもあった。ファイティング原田の練習風景を見て、その才能に圧倒され、ボクサーとしてやっていくのを諦めた。
建築家にしては、あれ?って思えるような経歴だ。



通常は建築家になるには、
建築について学ぶことのできる大学など専門的教育を受ける。
そのうえに建築家同士の仲間を持つことになる。
同じような専門的な教育を受けてきた者同士は
横のつながりを広げていきやすくなるのです。


だが安藤忠雄は、
大学での専門的な建築教育は受けておらず、
彼の著書「建築家 安藤忠雄」によれば
関西の建築家・都市計画家の水谷頴介などの建築設計事務所でのアルバイト経験と
独学で建築士試験に合格したという。


仕事を始めたときには、
専門的教育は受けていない、そして仲間もいない。
彼の言葉では「始まりから負けから始まったんです」という。


そこからの出発でした。



若いときにアメリカやインドなどを放浪のたびに出ていたそうです。
インドにわたり生死が混然と混ざり合う地で考えたことがすごい。
「人生というものは所詮どちらに転んでも大した違いはない。
ならば闘って、自分の目指すこと、信じることを貫き通せばいいのだ。
闘いであるからには、いつか必ず敗れるときが来る。
その時は、自然に淘汰されるに任せよう」


仕事は喧嘩。
安藤忠雄物語 3/5 (Youtubeより)
http://youtu.be/YoaJwvGqA9c



そのような経験も手伝ってか、
自分がしたい仕事をするには、
昼飯を取るのをも忘れて一心不乱に作業をする大工を見ていても、
自分も仕事に対して「一心不乱」に取り組んで行こうと決意した。



もし自分が専門教育を受けてないからと思えば、
気落ちが足をふらつかせ、
前に進めなくなりブレーキが掛かる。
進みたいけど、進むための自信をもつイメージが持てない。


そのような迷いには、大きな気をそちらに奪われてしまうから。
浮ついたことしかできなくなるでしょう。


自分には専門的教育は受けていないのだからこそ、
純粋に一心不乱になるしかないという気持ちで走りだすこと。
そうすれば自分のこころのアクセルを誰よりも強く踏み出せ勝負できるでしょう。



私も、整体の専門学校にはいきました。
ですが、そのときの技術は何ら役に立ちませんでした。
実践的に役立つには、ずいぶん隔たり有り。


そしてある整体の先生に見習う過去があります。
そのときの先生の少しの動きや言葉も聞き逃すまい、
見過ごすまいと目を皿のようにして見ていました。
ある程度進んだら、あとは自分との勝負です。
どこまで走っていけるかという勝負です。


私は、つねに負けからの出発という気持ちは抜けませんでした。
だから怖かったなぁ。。。ずっと、ずっと。


でも前を向いてチリのような知識を増やしていくしかない。
それでも塵も積もれば山となる。




一心不乱にという気持ち。
だから私にもよくわかります。


それが唯一の勝負を勝ち抜くための武器でしたから。


それにより得られたものもあります。
職人のような、つねに仕事の仕上がりばかりを考えて、
いい仕事をしたいということに時間を費やしてきました。


職人気質。


やっかいでもあるもので、
今の時代では行き過ぎるのもよくありません。


それによって得たものと失ったもの。



考えさせられる所があります。


生活全体を含めたバランスを、
しっかり見定めるようにする。
そこにも力を入れていけば、
本当はもっと充実したことができるものでしょう。



ただ、専門的教育は受けなくても、
物事に一心不乱に打ち込むことで
独学で学んでいくことによっても
人を感動させることができることを、
安藤忠雄は教えてくれているのです。


私にとっては。^-^)



それにしても安藤忠雄の経歴がすごい、
コロンビア大学客員教授
ハーバード大学客員教授
ニューヨーク近代美術館にて個展開催。
東京大学工学部教授に就任。(56歳)
東京大学特別栄誉教授。(64歳)


最期に。
仕事はボクシングのリングに登っている気持ちで戦えという言葉もあった。
元プロボクサーだった安藤忠雄らしい。
リングという緊張状態を体験したものの集中力はものすごいものなのだろうな。