エッグハート

胸郭の変形について、
漏斗胸、鳩胸などについて。
私自身は、10年来そのリリース法を研究してきました。
そこに目をつけたのは、以前結婚していたときの義理の母を、
改善させたいからという、今ではほろ苦い思い出から始まったのですが。

それゆえに、安全で、不快のない、効果の高いものをと研究成果の余念はなかった。



英語のサイトですが、
次のサイトのイラストが役立ちます。


ScienceDirect
http://www.sciencedirect.com/
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1043067909000318  (←こちらを参照)


多くの漏斗胸、鳩胸などの状態を胸郭全体を前から見た図、横からや中央から縦割りの断面図など、
非常にわかりやすいようになっている。


図には、心臓の位置が書かれており、描かれた心臓が窮屈に変異されていないか、
肺は描かれていないがその状態はどうか、
心臓上に位置する胸腺はどうなっているか、
喉の中の管になる気管や食道などはどうか、
頭の位置もどうであるかを観察してほしい。




そうすると、
これほどまでに歪みを大きく受け入れて変異し、
独特な個性を持たされる胸郭という鳥かご状の
骨で構成されたユニットはないだろう。


100人の人がいれば、100通りの歪曲のパターンがある。
そういえるほど美しすぎるほどの胸郭はめずらしい。
なのでアレルギーをもつ子どもたちなども、
この胸郭の歪みがあることは知られている。
先日、歯科矯正をする子どもたちが多くなってきた、
と教えて頂きました。
歯科矯正についても、顎関節のズレを呼び、
それが胸鎖関節や恥骨結合、仙腸関節などの関節の噛合異常を引き起こしますから、
それが風が吹けば桶屋が儲かる的に、胸郭の歪みを助長することになります。
成長期の胸郭などはまだ柔らかさがあるため、
変位量も大きくなる傾向があるため、
こういった時期は注意が特に必要かもしれません。
側わん症につながっていくと、
施術でそれを軽快するのはそうたやすいものではありませんから。



脱線してすいません。



もともと心臓や肺などの生きるのに重要な生命維持装置を守るのが役割だったし、
それらのポンプの働きを助けるべきものであったのだが、
それがひとたび鳩胸や漏斗胸になると肋骨の可動域を制限させてしまい、
心臓や肺を硬いボックスに閉じ込め窮屈な圧迫をしたり、
胸腺を縮みこまされるようにしてしまうものと成り得る。


低血圧があるとか、アトピーや花粉症などやアレルギー性疾患があるとみれば、
このような形状の胸郭ならそうなるような機能性の欠如がおこるだろと推測されるので。
胸郭の状態をチェックさせてもらえれば、
臨床経験が多い観察力があるものならば
どういった不具合があるかを言い当てる。


そういったことがおこるのです。



上記にあげてあるサイトのイラストは参考までの分類のいちぶの程度のもので、
これを知っているだけでリリースが安全にできるわけではないことは確かです。
これだけでは施術をするものがリリースをするための情報量が足りませんので。


だからそこを重要視すべきと気づいたものは、
独自にノウハウを蓄積していくわけです。
それが施術の成果に違いを産みますから。


私も相当、ここのリリース法は難題が多く、
試行錯誤を繰り返しました。
ここ最近は、施術者が相当な体の使い手でなければ、
ここは解けないといえるような解き方に落ち着いたのですが。


料理人が自分のレシピを公開しても、
作り手の技術が自分と同じほどなければ同じ味にはできない。
だから気前よく本にして出版できるのだといいます。
施術もそういったものなので、
実際に施術のレシピを書いても、
それを観て真似られるものはない。
同じ背景で同じ発想を持つ施術家。
そんな条件はあんまり聞かないので。


そういうものだから、
施術家自身がそれぞれが自分にあった納得できる解き方を工夫するべきなのですね。



胸郭を解くとき、いくつかの難問があり、代表格をあげます。


難問のひとつが、肋骨や胸骨や肋軟骨や鎖骨は骨折しやすい。
ただ肋骨周辺や胸椎に根付いたしこりは骨と同化して骨よりも硬い。
それを安全にリリースするにはどうすればいいのか?


それだけではありません。
すでにトライしたことがる人ならばわかるでしょうが、
胸郭周りの変位が進んだ方々は、
そこかしこに激痛ポイントを胸の周りに持っている。
単にちょっと指で押している、当たっているだけで、
針で刺された感じだったり、熱ゴテでもあてられた
つらい衝撃をうけてしまう。


それらの問題を、最低限クリアしなければ、
解き進むことができないわけです。


それらを私はまだ完璧にクリアできたわけではありませんが、
自己評価として、相当な工夫の成果は出てきたと思います。




私は、施術前にお客様の立ち姿を見るのですが、
そのときに脳内でこのようなイラストを描き出しています。
どこをどう彫刻していけばいいかとか
粘土細工のように加工すればいいかなど、
必死にイメージを整えつつ考えています。


あまりに難しすぎて。
それまでの経験から飛びすぎると、
現実を受け入れられずに、
「すいません、とにかくトライさせてください」ということになります。


通常は、木彫りの長方形の原木に削りだすマークを付けて、
それを像の重心をとることを大切にして削りだしていくのです。
なのでとにかくトライなんてことはないのですが。
ですが、何度かリリースを繰り返させていただくと、
胸郭の動きに杢目のような目の流れが見えてきます。
それが現れてくれるまで行けば、
どうすればいいかとなるのです。



胸郭が美的に美しくシンメトリーに整えられ偏りなく柔軟ならば、
私どものところに来て頂く必要はないのです。
なので、私もどうにかして、そんな美しい状態にしようと務める。


私は、ここの胸郭のみというわけではなく、
腹腔内全体を卵(エッグ)の形ととらえて、
そこに心臓(ハート)がそえられたイラストを描く。


そのようなエッグハートを整えられたイメージになるサポーターになるというのが、
次の私の仕事を進める起爆剤にしたい方向付けとさせていただこうと考えてます。




また骨盤を矯正するのが大切といわれますが、
それは確かなのですが、そこに注意が奪われすぎるのも視野を狭めます。


骨盤を安定させるのは、
これらの胸郭というよりダイナミックな動きをしているものを支える支えで、
それを先行させて解いていきたいからというものとして、私は考えています。


骨盤を整えられなければその上に位置する胸郭というたまご型のユニットを整えられない。


だからだから骨盤という腹腔内の底面を形作る部分を整えるわけです。
骨盤を整えるは全体を整えるための過程でしかありません。
そう考えております。



骨盤部分が、下丹田、頭部が上丹田
大切な中央にあるのが胸郭、中丹田。


胸郭の再生を目指してがんばれば、
そして夜明けがやってくる!
(「ガイヤの夜明け」風の蟹江敬三ナレーター的な声で読んでみてください^-^;)


そこに流れが生まれれば
面白くなりそうだ!