呼吸関連筋たちの改善と、もう少し拡大して立位での足裏重心がどうかかるかで呼吸を眺めたとき


先日、メールでお客様にお返事をさせていただいた部分の抜粋をのせさせていただきます。
後に思いついたことを一部加筆させていただきました。
また加筆箇所は(  )でくくりました。


まだお会いしてボディチェックをさせていただいていないお客様です。
それゆえ一般的なところでの物言いになってしまい、
個別具体的な状況はわかりません。
それはそれでも一部でも参考になればと思い、
ざっくりと回答させていただいたので項目の箇条書きに書き方が留まりました。


とりあえず、
呼吸がしづらいと感じておられる方は、ご一読を。 ^-^


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(事前に『漏斗胸』ではないと、医師に確認していただいた後のこと)
※ 漏斗胸とは、胸骨部分が内側に凹んでしまっている状態のこと。
  その場合には、手術対象となる場合も含まれますから、
  自身で胸骨下部の凹みが気になるときは医師に相談を。
  

(また漏斗胸ではないが、『胸郭変異』という症状はより多くの方に見られている状況です。
シンメトリックな動きが必須のバレエをなさっておられる方にも、
実際、体のバランスをこれで崩していることに気付かれていない。
そのようなケースでは練習でどうにかしていくというよりも、
胸郭変異を正常化させることが優先したほうがいい練習になると思います。


と、すぐれたダンス能力をもつ彼女たちでも、気づいていないことが多く、
いわんや、一般の方にて、首こりや肩こり、腰痛、背部痛などが強い人達、
その他、何気ない慢性的な胴体部分の不調を抱えている人の多くに、
事の大小がありますが胸郭変異になっている不都合を抱えているようです。


すると一見すると健康体と見られている方々のなかでも
胸郭変異が見られるということ。
それにより体の重心が高止まりして安定せず、
疲れやすいし、呼吸器系にとどまらず心臓に負担をかけるなどの様子がみられる。
胸郭は正常な左右シンメトリー状態が理想だが、
骨盤の左右の歪みや手の片側を使いすぎたり首や肩のこりなどから肋骨の骨自体が位置ずれを起こす。
この場合は症状とまで明言されることはないケースも多いのであるが、
呼吸のしづらさや自立神経失調症といえそうな不調を覚え、
不眠や疲れやすさや気力減退、精力の減少などの調子の悪さを感じることもあるようです。


また理想的な肋骨は、仰向けに寝ていただいて胸骨部を押すと、
柔軟剤を効かせてふわふわな洗いたてのタオルを10枚重ねした感じで、
ふんわりと沈み込みます。


それが胸郭変異があれば、ふんわりと沈み込まなかったり、左右に沈み込みがずれたり、
手の圧を弾かれて沈み込まずに粘ってしまうような状態です。


胸郭全体は、正常でしなやかな状態ならば、どこを押しても別段痛みも感じません。
「あっ、押されてるな〜」程度です。
ただし問題が出ると極端に鋭い痛みがでるのがこちらの特徴です。
胸郭変異が、肋間筋や横隔膜部分、大胸筋や首筋の筋肉、
それに腕の筋肉などの呼吸関連筋等で起きているとき、
まだ状態としてそれらがいくらかでも柔らかさがあれば強烈な痛みがでるほどの炎症を持っています。
このような場合は、自身でオイルマッサージを丁寧に繰り返すことで緩みが増していく傾向があります。
またすでに柔軟性が低下して筋の伸張性が劣化した場合は、痛覚神経が麻痺を起こして無痛となります。
後者のほうが、状態の変化を作り出すことはかなりのテクニックが必要となります。
セルフではとても難しいので、一部著名なヨガの先生等でもこの障壁を崩せないほどの厄介なものです。)



呼吸関連部と言っていい場所は、
詳細にみていけば数限りないもののように感じています。
そこでそのなかの一部の私が、そのなかでも一般的に主だったものだと思えるものを挙げておきます。


腕のこりや腕と肩の付け根の奥のこり、
肩甲骨周り(特に大円筋や肩甲下筋などの硬化)、
肋間筋の筋緊張や虚脱して伸びきっている部分、
鎖骨上下の可動が可能か、鎖骨の位置が高止まりしていないか


また大腰筋部分が硬化が強すぎるときには
腹部の奥が緊張して硬化が著しい状態になり、
それが横隔膜や骨盤隔膜という直接呼吸に関わる隔膜を動かせないように
動きづらさをだしてしまいます。
そちらは察していただけているようですね。 ^ー^すばらしい。


また単純に腹直筋が硬化していても呼吸がしづらくなります。
その際は腹直筋が骨に付着している胸骨や肋骨部分や恥骨部の付着点が硬化が強いときが見受けられますので、
それらを緩めるようにオイルマッサージ等を試されるのもよいでしょう。


(以上、さらっと書きましたが、どれも本当に実直に解ける量に比例して呼吸のしやすさが増していきます。
ただし腕の片側を使いすぎるとか片方の側ばかりでものを噛むとかいうだけでも、
胸郭は歪み始めるものですから、
解いていく必要性と同時に、新たに歪ませないようにする改善の徹底がなければ問題は早々に再燃します)



あとは大きな姿勢でとらえてみると、
かかとで立つかつまさきで立つかという違いがでてきてしまいます。
うまく深い呼吸ができる人は、
左右のかかとがしっかり息を吸うときに地面を押すことができるようになっています。


(通常、右利きならば利き足側のつま先側にばかり重心をかけてしまう。
腹式呼吸では、つま先側に重心が来ると楽に息が吐ける、かかと側に重心が来ると楽に息が吸える。
それが右利きなら右つま先側と左かかとに乗っかったままで、
前後の揺れの移動が自律的に自発的に起きないようになっている。
この立ち方をしている時点で、腹式呼吸が苦手なんだなと判断されるので、
フットプリントで足裏の地面への接触の様子を見れば、それで呼吸がしにくいかどうかも一目瞭然です。
それが理想通りの足の裏で呼吸をするかのような、息を吸う時はかかとで、吐く時はつま先が両足とも、
しっかり揃えて自発自立で起こるようになれば、黙っていても全身に至るまで体調はよくなるでしょう。 )


ただこの姿勢の改善は、全身のバランスを読みながら調整をしていかなければ
かえって現状のバランスを見失って苦しい状態が上塗りになることがあるので、
できれば信頼の置けそうな施術家をみつけていただき腰部の詰まりをゆるめていただいて、
臀部の深部のコリをゆるめていただいて、脚部の大腿直筋や外側広筋等をゆるめていただいて、
などのすでに硬化した筋肉に自由な動きを与えるような下準備をしてから、
それから、全身のバランスを再構成していくよう修正をなさると安全です。
やっていて迷宮にはいることも少ないでしょう。


(すでに長年に渡り体を歪める姿勢を維持していたならば、その状態で体を支えようと体制が整えられ、
その状態をうまく矯正できなければかえって体調不良の深刻なものを与えられることもある。
その場合には、理にかなったプログラムで少しずつ改善を上乗せするようにしなければダメ。


欲張って一気に治そうと考えていては、
「リバウンド」から状態の改善方向を模索する気力も萎えることが多い。
胸郭変異があると、有無を言わさず安定感を乱すような上半身に重心が留まりつづけるので、
先行して全身の筋骨格系の筋肉や骨格の問題をリセットして置くようにするといいでしょう。
ただし3〜5手とか先々まで読んでリリースしないと、このリセットはできないと思います。
それはすでに歪みがでていて、歪ませる状態が身に板についた状態ですし、
体を歪ませることが無意識に起きてしまう癖が強く体に残っているのです。
つねに歪み運動を加えて体を歪ませ続けているので、
この人はどのような歪みを作り出すのが得意なのかを読み、
それに対処した割合で調整をしなければうまくは先に進めないのです。
動物という動き方のプログラムを脳に神経筋に仕込んでいる関係上、
筋膜をリセットしただけでは
そこへの改善力は十分だと言える人はすでに動きのプログラムに精通して理解のある人という少数派です。
だからこそ、体の使い方について、重箱の隅をつつくようなことをいいます。
今までの体の使い方のパターンに、少しでも別の動きのバリエーションを加えさせて、
定番化した歪みへ向かう動き方のリセットへのきっかけとなればという考えです。


それらは
フェルデンクライス等で、熱心にそれらの癖を抜くことは可能だと思います。
他のボディワークを手を広げてしてみたいとおっしゃられれば、ぜひ!と勧めます。)


(以上、一部抜粋終わり)
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気づいたら補足の(  )が大きくなりすぎて、
最初のメール転載部分を探すほうが難しくなってしまいました。


保育園に務めている保母さんから、
多くの園児がアレルギー性疾患を持っているんですよと教えていただきました。


アレルギー性疾患を含んだ人のほとんどは、
胸腺部分に負荷がかかるような胸郭の状態であるケース。
つまり漏斗胸まではいかないが、胸郭変異ではあります。
私の少ない臨床例でも、
アレルギー性疾患を持つ小さなお子さんの胸郭を実際にチェックしてみたところでは、
柔らかさがある胸郭ではありましたが、胸骨に圧をかけると左右どちらかに偏った凹みになりました。
胸郭変異傾向があるのだろうと考えて、
注意をパンダのおもちゃを握らして、
ご両親と必死に施術をさせていただいたことがあります。


ただ個人的には、痛みが伴うような施術ですから、
幼い子供には操体法のような痛みのないものでのリリースがよろしいのでしょう。



そう考えててみただけでも、胸郭部分のリリーステクニックの恩恵は、
意外なところでも多くの方々の生活向上に寄与すると思っております。









追記:


また、余談だが、
私にメールをお送りただきました方は、
自力で自分の体の状態を調べていくと
どうやら筋骨格系の緊張やコリが問題。
その発見をネット上の情報から得られ、
自分自身でもアプローチをしています。


そして万全ではないが、
自分で問題箇所をマッサージしていき、
(※問題箇所=呼吸関連筋たちのこと)
以前よりも楽になったといわれました。


私は今は施術のデモの見学会はせずに、
地道に対面での施術の日々となります。


ですがやる気がある人や、
自分のコンディションをどのようにしたら改善できるかのヒントがほしいなと思う人には、
どのようなことを施術ですることで体が変わっていくものなのか。
私のおこなう施術を見学をするだけでも、
何らかの気づきがあるのかもしれません。


たとえば、
腕を解くというのはかなり悲鳴ものの「痛いな〜」となるのかというのもわかります。
「えっ、ここまでやんないと解けないの?!」という印象でしょう。
それ以前に、骨と筋肉が硬化した部分の区別がつけられる人のほうが少ないものです。
それではセルフマッサージをするにしても、本当にここを圧していて意味あるの?と。
そんなところもでてくるでしょうし、
あまりの硬さに驚くこともあるはず。


それでもしこりは有限ですから無限にあるものじゃないのです。
具体的に自分の体を知らずに、施術家の先生だからといって、
おいそれと信用して、自分の可愛い体を任すのはいただけない。^-^;;
できれば自分の体を正確に把握できて、
どこをどう解いてくださいという指示をできることこそ、
自分の体にしっくりしたいいことを受け取れるようになるのでしょう。
詳細までは知り尽くさなくてよいでしょうが、
私はアウトラインは知っていて欲しいと思う。


なので私が施術をさせていただいているとき、
それとなくかまたは露骨に、
「腕の硬さは右が硬いよね〜」とか
「この場所は、こんな感じですね」などと、
微妙な言葉で実況中継をしていることが多い。


意外に私が自分自身に聞かせているようでいて、
お客様の中にはそのような情報を知りたいひともいるだろうから、
ぶつぶつわざと言っているところもあるのです。



または、、、
重心がちょっとでも狂えば、人の体は支えをなくしたおもちゃのようにぐらつくもの。
胸郭異常があれば少なからず重心がずれていて、体に疲れがたまりやすいのは、
ぐらつく体をつねにぐらつかないように筋緊張を強いて、筋が疲弊するからとか。


実際に通しで施術を見学すれば、長い時間がかかります。
手当をするべき必要な箇所の多さに、ちょっと嫌気が刺しそうなほどでしょうが。



私は、施術を受けると言う前に、
自主的に自分の体と向き合いセルフマッサージ等に余念がない人ほど、
その後の自分自身の体のなかに潜在する問題を明瞭に気付かれるので、
とても素晴らしいことだと思っています。


自分でやり方を試行錯誤して工夫したものは、
自分のかわいい持ち物になります。


他人がやり方を造作なく教え伝えたものは、
他人の意味不明すぎな持ち物でしかないといえるもののときが多いから。


たとえ施術者のように十分なことができていなくても、
自分で自分の体を癒やすための試行錯誤をした人ほど、
自力で自分を変える力を信じられる人です。


私には他人の借り物よりも自分の頭を使って工夫した持ち物の方を、
断然、評価します。


それはそのような評価が高い人は、
後に私がこのようにするといいよ、とアドバイスをするときなどに、
水を得た魚のように「なーるほど、そういう考えもあったのですね」
といって、要領よく自分のものに、他人の知識も昇華させるのです。


現在はデモ見学会などは時間の都合上予定するつもりはありません。


ですが他のアイデアで。


施術は文章化してしまうと立体的な人体とは思えない平坦な感じに。
それではまったく使い物になりづらいよなというのはわかってます。


自分の足や手や頭を使って前進するぞ!という人には、
頑張れという言葉以上の何かを送りたい気持ちになる。


(都合、文章よりも、音声での解説。音声よりも映像・・・だろうか。

一般公開については、
施術技術を要領を得る前に真似られても責任を取れませんからしない方向で)


そのようなことを思う、この頃です。 ^-^