身体操作法のうち、面白いのが「腱」の使い方の妙です。

身体操作法のうち、面白いのが「」の使い方の妙です。





この「腱」の用法は私が先にいうものではなく、
遠い昔からあるものです。


たとえば江戸時代ころに撮影された武士の写真。
一般人の写真。
芸者さんの写真。
お坊さんの写真。


ゾクゾクするような、腱の使い手といっていい。


そんな輩が、わんさかそこに写っているのです。




以前、こちらのブログにも書いたと思うが、
確かペリーが日本にやってきた当時の記録で、
驚くような書き込みがあったそうです。。。



群馬県の高崎から天秤棒を担いだあさり売りの少年。
毎日、日本橋の方まであさりを仕入れに来る。
車で行っても相当遠いですよね。
必死に仕入れにくるのですよね。
ただいくら必死に頑張っても、
私には絶対できない芸当です。


もちろん日本橋であさりなどを仕入れてから、
重くなった天秤棒を担いで腐らせる前に返り、
そこから販売に走るわけですから。


どこまですごいんだろうか?!


マジ?


そう思うわけですが、
当時の写真をチェック。
すると、こんなペリーもびっくりというのも、
あながちいい加減すぎるようなことではない。


私には、初めてそう思えてきた時があります。




そしてそのような動きの巧みさが息づいている。
おそらく当時の日本人には、
それ当たり前すぎることで、
かえって動かなくていいような若旦那さんのような身分のものほど、
病気がちでとなっていたかのようです。


おそらくですが江戸時代の劣悪な長屋暮らし。
それは半端ではなく大火もしばしばで、
ころりのような疫病でも多くが亡くなるほど。
そのような厳しき状況を繰り返し繰り返しで、
どうにか生き残るようなものたちの多くは、
鉄分不足で栄養失調が多かった。
現代人がその時代のその生活にタイムスリップすれば、
数日で死ぬのではないかと思うようなこともあったと。


そのような状態であったにもかかわらず、
江戸っ子は、常に気を吐いて生き抜いた。


そのたくましさの秘密に、
私は彼らの体捌きの省エネモードが関係すると考えています。
その省エネモードのムーブメントはひ弱なものではなかった。
身体機能に潜んでいる爆発的な威力を発揮させ使いこなした。


だから、すごいんです。



そこに【腱と骨】を合理的に活かした民族の立ち居振る舞いや、
背筋のパワーがみなぎっていると思っているのです。




たとえば私が、まだまだ不十分だと言えども、
筋肉を主体に観ていた頃では疲労はひどかったが、
腱を意識できるようになると大幅減少した。


だから睡眠時間が4時間弱でも、体が持つわけです。
(ただ、眠くないわけではないが、余裕で動ける ^-^;)



施術は相当な肉体労働で、
二人の施術をするのと山手線一周歩くのとどちらがいい?と言われれば、
私は山手線一周を選びますよ。


でもどうにかこれで持ってしまう。


それは、動きのモードを少しだけいじったから。


10年前は、屈筋主体の動きで、常に体がボロボロで悲鳴をあげていた。
つぎに、伸筋主体に変えて、若干のゆとりがでたがまだまだつらい状態。
そして、骨を意識するように変えてきたら、もうちょっと余裕が出た。
ここ数年は、腱を意識するよう研究してみて省エネの動きが少しできてきた。


そのような流れです。


なので施術でお客様に動きの変更をお願いするときに、
一般のかたの多くは屈筋主体に動くため筋を痛め関節周りの靭帯を傷つけ疲弊するところを、
少しずつ伸筋を意識してもらうようにそれとなくお伝えしていきます。
それができてそうだな、となると骨をもうちょい意識してみてもいい頃合いではといいます。
そして最後には、腱なんですが、そこから先がまだ私が至ってないものですが。
これまた覗いてみると日々、面白い発見ができるところなので。



これらは動かすための動力源のひとつとなる筋肉を意識してのことで、
そこから自分の体の重みのコントロールで動力源を増やしたりという
様々な工夫が付け加えられていくことになるのであきませんよね。
それは中国武術をなさっておられる方々は、
そうだよなとうなづいておられるでしょう。^-^v




先日、バレエの先生からメールで、
私のブログをお読み頂きまして
「Perm Ballet Schoolバレエのレッスン映像を観まして」
http://bodywise-note.seesaa.net/article/352646148.html


について質問をいただきました。


私から観れば動きの質がこちらの映像の先生が明らかに違うので、
本当にバレエをなさっておられる先生はすごいポテンシャルだと
感心させていただいたYoutubeの映像をエンベッドさせてもらう。


ご質問をいただきました先生ならば、
できておられるだろうことなのです。



ただ私がブログに書かせていただいた文章が、
大幅に言葉足らずのところがありましたため、
おそらくそれが、
摩訶不思議さのあるようなことをしているかのように捉えられてしまったのだと思います。



そして昨日、バレエをなさっておられるお客様より
私が腱について説明するのを「それは体をもっと立体化させて!」という言葉で、
バレエのレッスンで指導されていますよとのことでした。
だからそういった表現が私のブログの中であれば、
ご質問いただいた方にもわかりやすかったはず。


立体化の意味が、実に徹底した立体化を、
私はことあれば要求するかもしれないので、
「えっそこも立体化なの」となる執念深さなのでしょう。
でも、私の場合は、できたらいいな!という感じでして。^-^;




すばらしいダンサーなどは涼し気な顔で、腱を吊る感じです。
たとえば手掌の甲側の骨膜部分から腱を引き離している。
手の甲側の引き離しが体の無重力感を生むことを知っている。


そんなことをなさっている方々がたくさんおられるようにお見受けいたしております。
おそらく基礎的な身体操作はみっちり勉強なさられた先生だとお察しいたしますから、
仮にまだ私がいいたいことが表現力が悪くてわかりづらくとも、
実際にこうやってこうやってとやってもらえれば、
なんだ、簡単にできることじゃんということでして。


たとえば私が、
もしYoutubeあたりに腱についての基礎知識から応用のところまで、
解説した映像を載せれば、それだけでも話が済んでしまうのかもしれませんね。


腱でほんまモードで使えるには、
それができるだけの肉体の素地がないとできません。
それが、バレエで鍛えぬいている方、
それも本当に基礎からみっちりやっている人は、
それができるような条件ができているのですね。
そうすると、この動きって面白いし、快感だ!
となって身につけたくなるから身につくのです。


逆に腱での使い方を伝えられても、
体の様子が少し不具合が多ければ、
その力を存分に発揮することは出来ませんし、
やりづらいから身につかないものなのです。
ここの差が、想像以上に大きくて、
私もどうにか施術のバックアップで、
省エネモードの動きを自然に身につけていただければと、
苦心しつつ考えているところです。


私はもちろん、ダンサーのような優れた身体能力はありません。


私自身がこの腱を活かそうと独自に試行錯誤を繰り返していき、
無茶をするたびに何度も意識を失うところまで行きましたから。
吐き気や発熱などに襲われることもありましたから、
必ず無理をするときは木曜日で、
次の日の金曜も休みであること。
そう決めていましたから。


ただそんなことまでも
必要とする人はそうはいないし。
あまりにもつらいことになると、
そこまではいきなりできないし、
それができるような素養がある
身体能力を持っていれば問題ないのになと何度へこんだことか。


どう逆立ちしても、
昔よりかはいいが、
まだまだ人並み以下程度ですね。
(多少、その人並みの基準は高いですが^-^;)



また余談で、不謹慎な話ですが、
どこぞの合気柔術の先生などは「優れたバレエダンサーの蹴りをくらったらひとたまりもない」と、
妙な絶大な評価をしています。
おそらく通常のある程度の武人がかかってきても、平気にかわせる自信があるのだが、
本当に怖い一太刀と同じ程の力を発揮できるよう修練されていると絶賛しています。


身体操作上の美しさの中には構造的な揺るぎない強さがあってのことです。
そうでなければ腱が活かされていないのかもしれません。



身体の内側奥からの腱を活かすような生活をしてポテンシャルを遺憾なく表現できている人、
またはそのような感覚を身につけたものの喜ぶべき特徴があります。


それは年をとっても体の腱を張って体の締め付けられている部分を膨張させる技を体得しているお陰で、
血管系の詰まりが他よりも少なかったり、
省エネモードで動けるから病に伏しても、
治るかどうかの瀬戸際で他よりも粘れたり。


そのようなこととなることもあるようです。
絶対か?というとケースバイケースですが。^-^;



おそらく質問を頂いた方は、
私と同様に自分の体の内側の使い方を、
どのように説明すればいいのだろうか、
という表現力的な側面での悩みのある
同輩のような気持ちでいます。



お客様にシンプルに要点だけかいつまんで解説をするのですが、
なにせ、それに気づくまでには多くの時間がかけられています。


あまたのその様子を構成するためのヒントが組み合わされ理解が深まっていくようなもの。
それらの過程があるから、できるようになった修練のたまもののようなものです。
それを言葉で説明するにも、相当な時間も費やす必要が出てきますね。
どのヒントのピースも、大きな気付きのために欠かせないものですし。
それがなければ、「あっ!!!!見えた!!」というものとはならず。


だからかいつまんだ解説は
それを聞いていただいた方の体を操作するためのヒントにしていただければうれしい。
そのような思いとなるのです。


おそらく私の場合は、施術でリリースしてしまえば、
動きのステップアップをしやすくなるわけですから
ちょっとだけその点は有利なところがあるのですが。


バレエの先生となれば、
映像のなかの先生のような気合を送り続けるような、
集中力を高めてインプットさせるようなレッスンでしたり、
私以上に言葉の表現で相手に伝え「あっそうか!」と解らせてしまえることが大切になります。
それ故に、人の心を掌握して相手が理解しているかどうかを気遣えることと、
常にもっとわかりやすくなる表現はないか見つけようとする努力が大切です。



とにかく。
昔の江戸時代以前の普通の日本人ほどの体さばきが、
みんなが普通になれればいいのになと願っています。


そこを私の施術の先々の落とし所としたいですね。


こんなこと、なんだか以前にも書いたような気がするな。
デジャ・ヴュだろうか。^-^;