『全脊椎の作用と性質』の精読へ・・ようやくたどりつく

全脊椎の作用と性質』という本。



アンマ・指圧・ほねつぎ等のいわゆる民間療法をもとにした「身体均整法」の講義録のうち、
全脊椎に関する部分をまとめる。
椎骨別に作用と性質・影響関係・調整法・具体的症状の改善について、治療者に向けて解説。
という内容。


経絡の学習とともにこちらの本の精読も休業中の課題です。


私は多くの民間医療の専門書から一般書まで、
極力目を通して必要ならばPDFにしていった。
非常に時間ばかりかかり効率が悪いものだが、
内容が浅いもの・誤るものを記憶したくない。


誤ったものを信じて手技動作を身に付ければ、
それを修正するのは難しい。
誤る内容を記憶し散りばめれば自信が削がれる。
パソコンのデータベースなら不要→削除で済む。
だが頭のなかは不便なもので、
ごちゃまぜにして記憶したら、
削除は容易ではない。


正誤のインデックスよりインパクトや親しみなどのほうが重視されるから、
新たに正解をいれるも以前のものと思考が混じり得体のしれないものへ。
変なことですが、今は正誤未判断で記憶に深く残すべきではないという
記憶定着を避けるべき状況のものというものもでてくる。


そう考えては、多くを集めて目利き吟味して、
最後の最後まで頭の記憶容量のなかにいれる
珠玉のものを選びとるしかない。


多く集めて資料点数を増やして目の前に並べ、
あとは容赦なくバッサリと不要な物達を斬る。



テレビで観た話だが、
浮世絵を江戸時代のままをお一人で再現する職人さんがでていました。
彼は江戸時代の物をそのまま復元するこだわりがあって、
はじめの頃は文献で残る資料集めと当時使われた絵の具の原料集めが仕事だったという。
私は版木を彫ることしかイメージできなかったが、
彼の創る一枚の再現された浮世絵に多くの資料集めの成果がある。
そのようなものは観る人が見なければ決してわからない影の努力。


まずは原料を集めるのが大変苦労したという。
思い通りのものに辿り着くまでの労力は執念の火で賄ったのでしょう。
そこの手を抜かなかったんですね。


自分が惚れ込んだものに徹底してこだわる姿勢が、
よく現れています。


そのような気持で私も頑張りたいと思いました。



辞書的に携えておこうという気持ちになるような分量の内容だが、
どうしてもこの本の内容を頭のなかに叩き込んでおきたい。


これは削除してはならない記憶に定着させるべき教材となります。



経絡の学習が一段落し、次はこちらの精読。


「音読→書き写し→音読(感情をこめて)」
「理解が深まれば、マインドマップ化して、要点をキーワードで記憶。」


という地道な作業中。
黙って、黙々とやるしかないです。


「視読」で頭に残るほどでは、
私の記憶力や理解判断力では、
ちっとも使い物になりません。




全脊椎の・・・というと、
頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、仙椎が5個、そして尾椎。
7+12+5+5+1のトータルで、30個の椎骨たち。


そちらの作用と性質を、どうにか頭に定着させたい。。。


今までは視読で頭のなかにインデックスだけを残して、
視読するのが手一杯で精読はできていませんでした。


お客様の症状について難題がでてくれば
スキャニングしたテキストデータが貼り付いたPDFファイルで、
文字検索をかけて調べるようにしていた。
検索して調べることで頻出度の高いものは頭に残る。


だがそれでは足りないと感じていました。
この本の内容がほぼ把握し記憶できたら、
人体を見る深さが厚みが拡大するだろう。


昨日の自分と、今日の自分を変えるには、
いい修行ですよね。



ちなみに頚椎の第一番目のところ、
つまり頭蓋骨を支える直下の脊椎。
施術をなさる方も見ておられるでしょうから、
こちらの本書の書き込みの、
ほんの一部分だけを紹介させていただきます。


『C1を中心とする調整効果このブロックを編集する
・ 頭頸関節が完全に調整できれば頭の形は日数が経つと正常な形になる
・ 脳貧血・歯・目・内臓全般(延髄の関係から)をコントロールし、左は腎臓、右は膵臓インシュリン)に作用する。
脳出血後遺症・高血圧・頭の血液の量度を整える
・ ・頭頸関節が左にねじれると運動神経に、右にねじれると延髄の呼吸中枢・膵臓・腎臓等の自律神経・食欲不振に悪作用を及ぼす。
・ 異常が1側に出ると機能、2側は平行性の欠如、3側は慢性的故障があると考えられる。
・ 目がはっきりすると頭もはっきりする。』


内容は盛りだくさんですよね。


「これでもか〜」というほど、
一文の情報が大変濃いのです。


頚椎の第一番目が血液のコントロールするというのは、
専門書レベルの解剖学の本を詳細に見つめれば見えてきますが。
「左は腎臓、右は膵臓インシュリン)に作用」というのはもう、想像つきましょうか?
経絡知識の深い用い方を理解する、解剖学・生理学などを操れる、生体力学的内容も解る、
そのような深く広域の見る力を支柱にして導きだした答えと臨床からの裏付けとがあり、
圧倒されます。


ただ裏付けまで語れば大百科事典となるため、
エッセンスのみを簡潔に書かれている。
人体を読むルールを操れるようになるとすごい。
だから一般の方やいまだ未熟な私が一見すると、
なんでなんだろう、というものもあります。


とにかく子どもが初めて竹馬に乗るように、
くじけず完走したいと思います。



乗りこなせると、
しあわせな気持になるんでしょう。

そのときのことを思って。