体の中のめぐりが停滞すると、痛みが発生するんです

中医学的視界でものを見てみると。

人体内部では「気・血・津液」などがめぐると考えられています。

これらを少し解説をつけさせていただきますと、

「気」とは陰陽の陽にあたるもの。
気は、<実体はありません>が、<機能はたくさんある>のです。

たとえば、、、
・推動(すいどう)作用という、血液や津液を推し動かす作用があります。
・防衛作用という、外邪の侵入を体表で防ぐ作用があります。
・おんく作用という、身体を温める作用があります。
・気化作用という、物質を変化させる作用があります。
・固摂(こせつ)作用という、血液や津液が漏れでないようにする作用があります。


「血・津液」は陰陽の陰にあたるものです。
血は、わかりますよね。 ^-^

津液(しんえき)とは、血の構成成分のひとつであり、また血以外の正常な体液成分の総称でもあります。
細胞液、内臓に含まれる体液成分、関節液、リンパ液、涙、鼻水、唾液、涎、汗、女性のおりもの、羊水など、これらは全て津液です。


「気・血・津液」が、理想的な状況で体中の根幹から末端までまんべんなくめぐっている状態が健康体です。
それが、なんらかの内外の原因により「気・血・津液」のひとつかまたは複合的に
流れを滞らせてしまう停滞した状態となるときがでてきます。

すると、「気・血・津液」がめぐっていれば問題はないが、
うまくめぐることができず停滞すれば、
それは「邪」となります。

その「邪」が体の不調へおとしいれる原因になるのです。

 

ちなみに、「気・血・津液」のそれぞれの滞りとなった際の呼び名をお伝えしますね。

・気がスムースに流ない状態が「気滞」(きたい)です。

・血が滞れば「瘀血」(おけつ)となります。
 瘀血とは、
 流れが滞った血のことです。
 血行不良も瘀血の一種ですね。

・津液が滞れば「痰飲」(たんいん)となります。
 痰飲とは消化器官内に余分な水分がたまって停滞する状態 です。

 

「気・血・津液」の滞っている状態自体が「邪」だったんですね!

「邪」という、邪悪な悪魔がいて特別な悪さをするのかと思えば。
そんなものではなかったんです。。。

 

では「気滞」「瘀血」「痰飲」となれば、どうなるのか?
つまり正常に「気・血・津液」のめぐりが停滞したら、ということですね。


想像力豊かな方は、
体のなかに腐りかけのため池が存在するかのようなよどんだ汚れた状態を思い描く方もおられるはず。


そうなってしまうと、よどみが浄化されずに、やがては荒れ放題となるのです。


そのとき!
つまりが原因で<痛みが引き起こされる>ことがあるんです。


それを「通ぜざれば、すなわち痛む」といいます。


このようなときはつまった状態をとってあげれば痛みが改善するのです。


寝ただけでも「気滞」「瘀血」「痰飲」などの状態も改善することもあるでしょう。

ですがそれらの悪化の進行が深刻になれば、
寝たり休んだりするだけでは
一向に気・血・津液の滞りが改善できなくなってしまうんです。


そうなると、より専門的な対策を打っていく必要が出てきますね。


中医学では、
鍼や漢方やスイナ(中国式マッサージのようなもの)で
気滞」「瘀血」「痰飲」のような滞りによる邪を吹き飛ばすのですね。

または、、、
私の施術でも体内の「気滞」「瘀血」「痰飲」の滞りが<筋膜の癒着が主因>になっているときも多いのです。
血管やリンパ管等の管。
それらの管の隣にある筋膜が癒着して管を圧迫すると、
血液やリンパ液の流れを止めたり停滞させることがよくあります。

今までの私の施術では血液・津液の滞りを狙い打つことが多いですね。
人体構造の構成として血管・リンパ管や神経のラインをも物質的にとらえて観ていたのです。
そうなると「気」という実体のないものをみる手段がチェック的に取り入れていなかったので、
気滞」へのアプローチは手薄になってしまっていたんですね。

たとえば「気滞」を、発見するためのひとつの手段として「脈診」があるんですね。
直接的に脈診だけで体のどの部位に「気滞」があるかはわかるわけではないのですが、
脈をとるときに、体内に強い気が流れているかどうかわかります。
橈骨動脈を触って脈診をするのですが、
脈診時の脈が浮いているか沈んでいるか、
血管の形状が明瞭かぐにゃっとしているか、
血管内に十分な血液が流れていそうかスカスカか、
脈の遅速の様子や脈の長さ等を見てみることで、
気の流れの強さや滞っている状態のおおよそをチェックしているのです。


脈診をさせていただいたときに、
「診断」のような私が脈診で感じたことを
断定的に身体の状態をお客様に直接伝えることはできません。
その理由は私は医師ではないため、そのような資格がないのです。

ですが確かに脈をうまく取れるようになると、
気の強さ弱さ等が、
そこに明瞭に表現されているとわかるんですね。

今までの施術では脈を見させていただいて参考にして施術をするという流れがなかったのです。
それを数日前に私がときどき会食をする方のデモワークをさせていただいたとき、
脈をみてから施術へと移行させていただき、
気の様子をチェックさせていただいたのです。

気滞の対処法のベースは、
気を乗せて運ぶ血の流れを改善させることで果たせる部分があるのですが、
もうちょっと直接的に気の様子への操作力をあげられるようにできれば。


気の停滞は、体中のそこここに起きるものです。
その滞りがそこここに痛みを発生させるのです。
ほんとうに妙なところに痛みが出たり、
その痛みが移動して逃げていったり。

そこで起きている混乱を整理していくならば、
安らいでいける変化がおこることでしょう。

そのように感じているこのごろです。