「病とは、ウイルス・バクテリアとの均衡の破れから生じるもの」という考え

【 中医学的なからだの観方 】


体のシステムとは不思議なものです。
「自分は自分」と感じつつも、
その仕切りは
「自分のほとんどが体内細菌」などの集まりです。
食べたものを消化するために裏方で働いてくれる存在として、
悪玉菌とか善玉菌とかいいますよね。

それ以外にも多くのウイルス・バクテリアなどが、
体内で暴れない程度にいて混在するのが人体です。


ウイルス・バクテリアとの均衡1.jpg

 

『 健康状態 』では、
それらのウイルス・バクテリアや細菌たちと、
バランスよくそこそこうまくやっていけております。

 

では、健康状態を削ぐ要因になにがあるか?

いくつかの健康状態を乱すきっかけがあたえられるとどうなるでしょう。
その健康状態を乱す自然界の影響や過度の感情による影響などを具体的にいえば、
以下のようになります。

  外的要因の六淫という自然界からの影響が皮膚や口や鼻から体内に入り込むことによる
   {風に吹かれすぎたり、寒かったり、熱かったり、もっと暑かったり、乾燥したり、じめじめしたりする

  内的要因の七情という自らの感情の行き過ぎから気の運行を妨げることとなり五臓を傷つける
   {喜、怒、憂、思、悲、恐、驚 など}

それらの邪は、「内外合邪」といい複合的に組み合わさり複雑に影響を強めることもあります。
または怪我からのショックや出血や傷害や毒を飲んでしまったという別の要員もあるでしょう。

この六淫と七情が体調の悪化の契機となって火事の火種となっておれば、
それが手当てされることがおこなわれなければ火が消えることはありません。
六淫と七情が体調の悪化の契機となったどんな病であっても、
こちらの状況把握とその後の改善がなされることが必要です。

そのような「気血のめぐりを滞らせる火種を消す」こと。
その手当てに取り組むことが病の鎮火につながるのでしょう。

おちついて六淫七情について目を向けて俯瞰することは、
まっさきにおこなうべき自己治療となるのでしょう。

 


そして上述のさまざまな体調を崩す要因を経て、
体内の気血や津液などの代謝が滞りだし、
体内の老廃物の処理がされにくくなり酸化が進むとき。
いままでは、そこそこちょうどいいバランスで仕切れていた真菌等の攻撃が激化してきます。

そこで免疫力をあげていくように努めるわけです。
その基礎の基礎段階では、
七情・六淫などに注意深く配慮して対処するのも含み忘れてはなりません。

(七情・六淫)に気を配るという暮らしの教えは、
中医学に親しんだ文化圏で育ってきた人たちには潜在意識にしみこむほど。
文化的な教えとして浸透しております。
私たちも、そうすることでメリットがあるならば、
日頃からそれらに気を配るようにしてもいいかも。


ただそれ以外にも体内の気血を流しづらくする状態が、
たとえば筋膜が癒着して血管やリンパ管等を圧迫して
その代謝を妨げてしまうなど気の流れを抑止するとき。
その実態をリセットしていくことも、
体内環境を一時的に良好にさせるための手助けとなるでしょう。
血液の流れで神経の働きが良好になり状態悪化を見つけ出せるように戻り、
リンパの流れで免疫パワーをもった細胞等が運ばれるわけです。


ただ、、、実際のところ、
体内状況として大概の場合、
すこぶる浄化しきれたままの人など少ないように思います。

たいていは体質を崩されていない人でも、
体のここかしこに、適度な量の滞りがあって、
ウイルス・バクテリアとの均衡が崩れた部分をもっている。
ですが総合的な人体の力が勝っておるときは、
悪さをしているウイルス・バクテリアも体の一部の位置に囲われて影響が全体にはおよびません。

そのような症状があきらかに出てはいない隠れた状態でいるときを「未病」というのでしょう。

その未病の状態の囲いを破って、より広域へと影響がでるまでに、その状態に気づき対処できる。
それが「未病のままで処置できた」ということす。

 

 

私個人としては、他界した母の未病状態のときに、
十分な手当てができていなかったと思い出します。

そのような未病の状態で西洋医学的検査では問題がなくとも、
脈診や舌診等でチェックすると、
なんらか未病の状態があると思えるサインが現れているときがあります。

いまはそのときの反省をもとに、できることをしている最中です。

 

 

【 病位について 】

ウイルス・バクテリアとの均衡2.jpg


病の初期段階では、
伝統中国医学における太陽病(たいようびょう)は、三陰三陽病の一つで一番はじめに起こる外感性疾病があらわれるようです。

病の位置も皮膚の近くにあり、
対処がしやすいものとなります。

このときに体力も充実しているならば、
風邪を寝ていれば、自らの免疫力で自然治癒されるように改善しやすいものです。
それだけでおさまらなくても、精気を補ったり、邪気をはらったりすることで改善へ向くようです。

 

初期段階を過ぎると、
徐々に体内の奥に侵入してくることになります。
そうなると対処は容易ではなくなるようです。

実際にそれは筋膜の部位でも健康状態が損なわれているような感触をえるときもあります。

深い部分に入り込んだときも。
そのときも体はインテリジェンスをもって、
ウイルス・バクテリアとの均衡できるエリアを極力保ち続けようとしているはずです。
そうすることで内部にできたウイルス・バクテリアが暴れださないように抑止しているのでしょう。
抑止エリアの囲いを作り出す機能を破るようなことはしないほうがよいと考えています。
そうなると「遠隔からの対応」にて、安全を観てできることを必死にサポートすることとなるのでしょう。
(ただこれは現時点の私の理解です。まだ未熟なものです。)

 

 

 

ただ今の私の考えですが、
病を得るきっかけの火種の七情六淫、
特に【七情】という感情やこころの問題は大きな影響があるものと思います。

 

 

 


そして個人的な皆様への願いとして、
皆様ご自身が、
脈診や舌診などのスキルを得て、
自身の健康管理に役立てられる生活が送れるようにしていただけること。
現状を知れば、
そこからどの道へいけばいいか。


それを自分でもある程度わかっていければ、
どれほどの安心感があるものなのでしょう。