昨日、夜分に施術をする先生との会話で。
「フェイスブック等では、文章はほぼ読まれないよね」という内容の話をしていました。
確かに、そのようです。
当ブログのバックアップ用にはてなブログの無料版を使わせていただいてます。
http://bodywise.hatenablog.com/
そちらでは注目記事という内容を表示できる機能があるのですが、
気づけばそちらはすべて画像がある記事ばかりだった。
それでは、なんらかの絵を載せてみようと思います。
上図は人の脚部の解剖絵ですね。
軟部組織は、
・筋肉 ・腱 ・靭帯
の3つにわかれています。
筋肉・腱・靭帯は、それぞれが別々の機能を持ちます。
健康体とは、それぞれの機能が正常に分担され果たされている状態をいうのです。
そして往々にして、筋肉への意識は高いものの、
腱や靭帯については無関心というケースも多く、
筋や腱や靭帯の不具合が生じてしまうこともあるのです。
そのイメージの概要をみてまいりましょう!
まずは、注目して欲しいのが
外側広筋という赤色文字の「筋肉」。
脚部はほんとうに赤い色をした筋肉が多いですよね。
体の他所ではもっと靭帯部分が幅を利かせているのですが、
脚部は巨大な筋肉群が動くことで発熱して、
その熱を全身に回して内熱を増すというようになっていますから。
脚部が、全身のヒーターのような役割なので、筋肉のウエイトが大きいです。
この筋肉は、皆様ご存知のように、ミオシンとアクチンにより収縮ができる仕組みがあります。
たいていの筋肉は関節を挟んで骨と骨に付着しています。
そして筋肉の収縮機能により骨を動かして、
全身の動きが表現されるわけです。
ただこの筋肉はゴム弾性がありますから縮める操作のときはいいのですが、
筋収縮してその状態で固定したい場合もあるでしょう。
その際には、筋肉は伸び縮みして関節を挟んだ骨の固定が不安定でしょう。
つまり筋肉は動きを表現するのは得意ですが、
骨を一定の状態に固定しつづけるのには不向きなのです。
そんなときに大変便利なツールが人体には用意されています!
アキレス腱・腸脛靭帯というところは黒にて文字を書いております。
赤色というより、ちょっと白色に近い色合いに見えるところですね。
この部分、それは筋肉のようなゴムの伸び縮みのような弾性があまりないんです。
靭帯部分は少しだけは伸びたりもするが、
腱はほとんど伸びませんね。
長さが一定に保たれているよう設計されたツールですから、
筋肉の操作で関節の開き具合を決めて、
靭帯や腱で骨組みの固定ができます。
腱などは骨に収められる溝があるのです。
手や足の骨をみるとただの丸い円筒ではないのがわかります。
ちょっとしたくぼみが作られていて、そのくぼんだ溝に腱を収めれば効果的に腱と骨膜が密着できる仕組みです。
その溝にきっちり収めてぴったり密着させると固定してくれるのです。
たとえば、腕を直角に曲げた状態に筋操作で移動させて、
その後にその状態で固定させておく必要があるならば肘の周りの腱や靭帯で骨の位置を固定させるのです。
筋肉を動かすという動的な作用では多くのエネルギーを消費するのですが、
腱や靭帯が骨組みの固定をするのにはエネルギーロスがあまりありません。
特に腱が骨に密着する性質を考察していけば、
マジックテープをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
マジックテープは、2枚のテープが接触面が合わさればひっつきます。
それで固定ですね。
そしてザクザクザクッとそのテープをはがして固定を解くこともできるのです。
はがしてみて貼り付けるための長さを修正してから、再度貼り付けたりします。
そのようなマジックテープと同じ操作を、
腱と骨膜の接触面で行われているのです。
その繰り返しが姿勢を操作するということですね。
ただ問題点があります。
靭帯や腱の操作で骨組みを固定させられるということは、
本来はそのような操作を自然体でできるように作られているのですが、
多くの方々が筋肉の操作方法については関心があるものの、
靭帯や腱の操作方法についてはあまり関心がないか知られていないのです。。。
そうなると本来は腱や靭帯で骨格を固定すれば楽なのだが、
固定設定を筋肉で行おうとするような代用操作をしてしまいます。
これでは本家の機能性の1/10もパフォーマンスがでないばかりか、
確実に筋肉に強いられている過剰労働がもとで筋肉が悲鳴をあげだします。
そしてそれは慢性的なコリを生み出す結果の大元なのですが、
あまりそのことには言明されることはないような気がいたしますがいかがでしょう?
筋肉操作以外の腱や靭帯にも操作意識を持つ。
この腱や靭帯の使い方の巧さは、バレエダンサーたちの演者も武道家も、
優れた使い手の方々は特によくその使い方を知っています。
筋操作同様かそれ以上に腱や靭帯の使い方を研究しています。
筋の操作と腱・靭帯の操作を機能的によく分化して心得ておられ、
別けて筋肉による骨の動き操作と腱・靭帯による骨の固定操作が使い分けできているのです。
すると常人じゃない動きやパフォーマンスも、それほど難しくもなくできるようになります。
そしてそれは同時に健康体を維持することと、加齢しても動ける体を持つ秘訣にもなります。
ただこのような腱・靭帯の操作って?
ということで、私もまったくそこで苦しんでいて研究を続けている訳ですが、、、、。
上記で申しましたように腱には骨に収まるべき溝があるのです。
ただ正常に腱が溝にハマれないような状態に陥っている人もいるのです。
それはボタンをはめるときにかけちがえた状態ではめてしまい、
かけ間違えた状態で外さずにずっといる感じと言えばイメージがつかめるでしょうか。
そうなっている本人には皮膚の下にある見えない世界ですから、
違和感は痛みや負担などから感じられても、
そのようなかけちがえたままで過ごしていることに気づく人はほとんどおられません。
それは腱が骨膜にずれた場所で癒着が起こって動けなくなっているということですね。
すると理想的な状態へ姿勢の固定がしづらくなります。
それをカバーするために筋肉を硬化萎縮させることで骨組みの固定をすることになる。
腱と骨膜をマジックテープのようにして固定するなら固定のエネルギーロスはありません。
それに対し、筋肉による骨の固定の維持は、不安定に伸び縮みして安定性がありませんし、
持続的な筋緊張という過労を強いることになるのです。
筋肉は、収縮させるにはエネルギーを消費させることになりますし、
収縮させたままの固定をすれば、血流を滞らせる原因となるのです。
それが大きな体を支える部位であれば、
常に特定部に痛みがでたり、
ある姿勢をとると痛みが走ったり、
なにもせずとも疲れやすかったり。
姿勢維持が苦痛に感じられはじめることになるでしょう。
では、こういった状態は、休めば緩んで元通りになるのでしょうか?
急性であれば休めば緩む可能性もあります。
ただ残念ながら、
休んでもこの骨膜と腱のずれた癒着部は解かれずに、
ずっとそのままを維持してしまうことが多いようです。
そのような場合には、
腱を本来収めるべきところへ収められるように特別な操作をする必要が出てきます。
私の施術を長野方面から受けに来ていただいている先生は、
腱引きという療法を学ばれており、
そのような調整手技に長けておられます。
私も実は深層筋膜を緩めるという言葉の意味には、
この腱と骨膜のかけちがえられたボタンを外して正すイメージで施術の仕事を組んでいます。
筋膜の表層部分を刺激するだけでは、
このボタンのかけちがえられた状態を実質的になかなか修正できないんですね。
かけちがえて腱の表面と骨膜を癒着させるには、
そうなった当時、そうしたほうが有利だったという条件が整えられており、
そのときの情報が体の中には生き続けているのです。
かけちがえをしていておかしいんだよと気づいて、
その状態から脱するような本来持つ体の生理的構造へと帰着させるほどに
自分の体の状態の記憶を取り戻して元返しできれば。。。
それで奇跡のように、するするっと。
生理的な機能できる理想状態へ戻っているということも見たことはある。
ですが深い自身の現状把握をかなえて理想的な気の流れを内側に起こすなど、
様々な感覚器官が間違った癖付されたところから抜け出してピュアになれれば。
稀にですが大改革が体の内側でおこることもあるようです。
そのような大きなリセットボタンを押すか、
少しずつ小刻みに間違った部分を削り取って確実に変えるか。
ちなみに、腱だったり靭帯だったりが周囲の組織と癒着したり、
骨の溝に収まらなくなったりするところを収めると、、、
不思議な痛みの減少や消失が起こるのです。。。。
しびれやある方向に関節を向けるとテテテッという痛みとか、
腱などがずれたらよくおこるパターンですね。
腱には多くの痛覚神経が仕込まれています。
腱の骨に収まるべきところに収まらないというずれの修正は、
うまく進めば体験上、劇的な変化を感じます。
だから私が施術をするときに、
筋骨格系のトラブルでどちらかの痛みや不快感があるとの訴えがあるときは、
下部腰部の張りであれば腸骨の上部分に大幅に白い靭帯や腱をあらわす固定機能層が癒着していることが多いので。
定量ずつそこをリリースしていくんです。
(一気にリリースしすぎると、ギックリ腰や頚椎等に痛みが出ます。
癒着させて重力により傾斜し崩れた状態を固定ていたわけです。
それをいきなり支えていたつっかえ棒をすっぱ抜かれる形になると、
腰の胴回りの自前のコルセット筋を強烈に締め上げ緊張させて支えるしかなくなるので。
それがギックリ腰等に移行するのです。
通常は2割矯正を繰り返して、身体に大きすぎる変化の負担を感じさせずに改善を積むのが正解だと思います)
腱や靭帯は緩めてもとの位置にお返しすることができないと、またすぐもどるんですね。
病邪が裏に入るという深層にまで問題が進行している場合は、
やはり腱や靭帯のかけ違いを秘めている方が多くおられます。
ちなみに骨膜と腱という接点は、深層部にある最たるものです。
で、私が深層筋をリリースしようと言い続けているのも、ここを視野にいれているのです。
そして腱や靭帯のずらされた状態が癖になって収まりが悪いところを修正する。
理想的な動きを指導しても、ちょっとずつ、やりやすくなっていただけるように。
使い慣れていない部位概念ですから意識が入りづらいけど、
器官として運動器系の一部として腱も靭帯も解剖学的に存在しています。
腱や靭帯も、意図的に使えるようにトレーニングしましょう!