自身への膝に改善をこころみて。 膝が楽になるってスゴイと身をもって気づけました!

 

膝。
膝の機能は実に多様。
傾斜地に立てば膝を適量曲げて骨盤より上を垂直に保つ垂直軸をかなえるバランサーの役割を持つし、
骨盤より上にある胴体や腕や頭部の重さが歩行時や走ったときに
下脚以下に強くかからないようにする衝撃を軽減するクッションの役割や、
膝の向きで進行方向を操作決定するなど様々な仕事をしてくれています。


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そのような多機能かつハードな負荷がかかる膝の関節は、
がっちりとした幾本もの靭帯や腱が設置されて機能しています。

でも、膝周りの靭帯や腱がひとたび隣の筋や腱や靭帯や骨膜に癒着すると、
膝関節の動きの制限がおこりますし、膝関節の詰まりがあらわれる。
そうした靭帯や腱のような白色の軟部組織が骨膜に癒着すると、
あたかもそれら靭帯や腱はもとより骨であったかのように振る舞う。
そのような膝を取り囲み構成する靭帯や腱の異常が右に強ければ、
膝より上にある骨盤や胴体の左右差を狂わせる原因にもなります。

私ども施術者が施術をする場合、
胴体や肩などに捻じれがでているとき、
膝の狂いを調べてたとえば靭帯性関節ストレインのような
オステオパシーの即効性ある手技を用いてケアをし改善させていきます。

そうした膝周りのコリが日が浅く急性ならそれだけの対処でもいいでしょう。
ですが浅からぬ負荷から骨膜への癒着が進行してしまったとき。
手技をおこなっても持ちが長続きせず、
早々に戻りがでてきてしまうでしょう。

ならばセルフケアを心がけてくださいといいたいところですが、
膝は複雑で細く繊細な筋腱や靭帯が取り巻くもので、
専門家が観ても徹底したケアがむずかしいとされる部分です。
自身でストレッチやハンドマッサージなどを加えたときに、
理想的な手順で患部の癒着を剥がしておればいいのですが、
それがかなわなかったとき。
腰裏が縮みが強かったり腰部のねじれが強い方なら、
かえってケアしているつもりが、
最後のダメ押しをしてしまわれることになります。
施術家にとっても膝の根本ケアはリスク管理のむずかしい箇所なんです。




で、昨今、イルカの櫛形のマッサージツールを買ったんで、
そちらで膝周りのケアを自分でしてみたんです。
ちなみに石の刮沙は硬度が高く膝関節周囲に利用すると腱や靭帯を痛め
その後の不調を長期に続けるような甚大な危険を被る場合があります。
そのため木製や同様に硬度が弱く当たりが優しいものでのケアを、
膝では好むと考えてください。

私がどこにどのような筋肉や腱、靭帯があるか把握できているから
かとは思いますが、不思議なほど木製イルカと膝の凸凹がフィット。
リリースさせるときの細いクシ状ゆえに圧する力のパワー不足は否めませんが、
的確に自身の癒着傾向のある膝横の靭帯や腱などを緩めることができました。

脚部のすっとした見栄えが磨かれてしまう、、、というところまで一足飛びに行くものではありませんが、
膝裏に対して特別なツールを他にもつかってケアしたところで驚きました。
いつも、自分では膝裏を伸ばそうと努力してたつもりが、
すんなり膝裏が伸び、起立筋等の抗重力筋全体がしゃんと伸びた感触を味わえました。


これがまた、実に清々しい。


おそらくこの感覚を持ったまま武道の稽古をすれば、
多くの身体操作上の気づきがあたえられるだろうと感じました。
こんな感覚は、おそらく私は一度も味わったことがありません。


ハードな施術を3日も続けたら、そうした膝裏の清々しさはめっきり目減りしたものの、
それでもそのときの呼吸のしやすさ、腰の軽さ、足や膝の疲れが一切ない感覚は、
これからの身体を練っていくうえで、貴重な体験をさせていただけたといえるでしょう。
自分の感じていた疲れの根底に、膝につけた動きの悪癖があって、
そこがとれて馴染んでしまうことで、老後に登山も楽しめそうです。


あと、今回私がこのような感じを持てたのは
膝裏にある経穴を押して、研究をする過程からでした。
(100人100様の顔があるように、100人100様の膝の故障パターンがあります。
 だからわたしの場合は、膝裏がネックだったということなんですね)


特にアプローチした膝裏の経穴は、

【委中(膀胱経)】(膝裏のど真ん中)、
腰痛、ギックリ腰、膝痛、脚部のおしりから膝にかけてのしびれ、あしのむくみ。
その他は、
【浮郄(膀胱経)】(ふげき、親指1本分委中より上で、そこより外側の骨の部分)など、
【曲泉(肝経)】
【陰谷(腎経)】
などです。

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