筋膜マッサージではなく筋筋膜リリース。その違いって?

私の施術を受けていただいているお客様は、私のおこなっている施術が「マッサージではない」ことが理解できると思います。
筋肉の凝りがあるところは、
通常、マッサージと呼ばれる凝りがある筋肉部位を圧することで緩める。
それが一般的のような感じを持たれるでしょう。

ただマッサージ。
昨今はやりの筋膜リリースガンも含め、筋の凝り部分の血行を一時的に揺さぶるような刺激により通りよくするだけですから、
筋の凝りを作り出している理由について改善させて、状態を維持することができているわけではありません。

そういった筋の凝りが続く状態裏舞台には、
同じ筋肉部位を息をひそめた無酸素状態で使い続けるオーバーユースがあったり、
急激なけん引や圧迫などの外的な刺激による筋が通常状態から離れる損傷を受けていたり。
理由はいくつかあるのですが、筋肉は必ず骨に付着していて付着部位が腱といった収縮性のない筋膜の膜の集まりが特定の骨膜部に接しています。
そうやって接する腱が特になんですが異常な凝りを持った部位の底ではずれが生じてしまっていることがほとんどなんですね。

私の家には等身大の骨格模型があります。
骨の形状をよくごらんいただけますと、骨の外的形状は窪みやみぞがあったり粗面があったり鏡面があったり。
様々な様相を持っており、骨の窪みや溝の部位には腱が骨のその部位のレールにきっちり収まってなめらかにその上を走る構造になっています。

実は凝りのひどい状態を持っている方の身体的特徴として、部位にもよりますがおおかたはこうした骨の上にある溝に収まって動くべき県が脱線してるんですね。

そうした骨の溝に収まれずに脱線した腱がそのままにされたまま、
マッサージを加えられたとしたら、どうなるか?
そうした脱線した腱が大関節の部位にあれば、動脈管を硬い腱が圧迫し続けた状態が抜けることがなくて、
マッサージ後に血行が増したとしても早々に血行不良がまん延した状態に陥ることになります。
腱のずれがあると血行不良が大胆に容易に起きうるという部位が、いくつか点在しています。
そこがかなり腱と靭帯が複雑に混じっているところで、かつ深部にごちゃごちゃとした大きな塊化したものとなって。
それを通常の方は骨だろうと考えるのですが、レントゲンを撮れば骨じゃないことがわかるんです。


電車が走るとき、右の車輪と左の車輪と同時にレール上に乗っていなければレール上を走行できないのは当然でしょう。
左側の骨に腱はレールはかみ合うが、右側がオーバーユースがたたって骨の溝から腱が外れた脱線状態である。
それで前方へ向かって正常に走れというのがおかしな話となるのです。
そういった状況が皮下の世界で発生しているのですが、
そのような仕組みがあまり一般的には周知されていません。

残念ながら私どもが人体内部を観察すると。
たとえば左側のこの部位はレールに乗れてるが右側は脱線しているという部位があるんですね。
状態が悪化していれば、左右ともに脱線していることだってあります。



表面部の筋肉の凝りができているだけならば、マッサージでちょうどいい。
深層部に腱が骨の溝から脱線していたならば、マッサージでは歯が立たない。
そこを冷静にかぎ分けて対処する。

そのような脱線部位を改善する手を打つことで、
そうした正常位置への定着化は数日から数週間単位、ずっと身体の内奥で起き続けていきます。
身体運用の状態が左右のレールの上に乗って走る電車のようになれただけ、身体のムリな負担が軽減されています。
そして大血管を圧迫した部位を腱の位置を正して血行の状態が改善され続けることも計算に入れています。
そこでおきるのは自然な自己を回復させるための液の循環が継続して起き始めていくのです。
その作用がうまく起こせるかどうか。

特に、ベン石の温熱器で腱部のレールから外れた部位を加熱して適度な柔軟性を取り戻してからという手筈ができるようになって、
そこの益が段違いに変わりました。
骨膜と筋膜がずれた位置で癒着しているというレールからの脱線がおきると、
骨膜も筋膜も双方とも感受性が特段に強いセンサーがはいっており、
痛みが信じられないほど強く感じられるのです。
それがあって変えきれなかったところがあったが、痛みが絶えられそうなぎりぎりを狙うしかなかった。
それがベン石温熱器等で加熱して30秒から60秒そのまま放置してから、そうした脱線個所をアプローチすると、
たいそう楽に状態がいいところへと立て直すことができる。
そこの技術を、磨きに磨いてきました。


だから私の施術では揉捏法のようなもみ込む動作って、してないのです。
炎症ある組織がもみ込まれても、すでに筋組織がパツパツになってるから、
内部の弱化した筋繊維が切れて再生できないものが大量に生まれるのです。
そこに一時的なすっとした感触は感じられたとしても、
さらにもっと強いもまれる刺激がなければ、そうした切れた筋繊維が出る部位は、
血行がさらに深刻な悪化をたどりやすくなる。
そうした危険がマッサージにはつきものです。

だからできるだけもまずに、筋膜層をはがす、そして適量分の奥まで層を外せたら、腱のずれがどのような状態が起きているかがわかってくる。
そこで骨の溝からドロップアプトした腱のロープを再度はめていく。

そういった作業は表面の筋を診るとかではできないものですから、
いろいろと経験値がものをいうこととなるのだと思います。


ただ究極まで腱の全体像を見据えて、頭で計算がし切れるようになるまでは、私の力量ではまだ、まだ。

時間と研究が必要だと思います。


以上、マッサージといってしまったほうがわかりやすいからその言葉を使わせていただくころがありますが、
施術をするとき、私は意図的にマッサージをする量を極限まで削ろうと努めて計算して施術を構築しています。

手で触って感じ取れるものでも、目で見て見えるものでもないため、
わかりづらいことかと思いますが、これがお客様の体が純粋に立て直されていく積み上げになっていくことは、
解剖生理学のルールを専門知識を紐解いてみていけばわかってくるものでしょう。