数日前、以前にお知り合いになりました指圧の先生の口添えをいただきまして、
鍼灸師さまがお二人。
わざわざこちらまで足を運んで来てくださいました。
排酸棒が鍼灸の施術の延長線上でもちいられるかどうか。
そこの可能性を知りたくて、どのように私が排酸棒を使っているのか見学したいという希望です。
私の排酸棒の使い方は、自分で言うのもなんですが、完璧な我流です。
日本で講習会を開いているところがあるようなので、本気で正当なものを習いたいときには、
そちらへいかれるのがベストでしょう。
たしか排酸棒でネット検索していたらホームページが出てきた覚えがあります。
きっと排酸棒を制作した先生には、どのように使うといいか、意図があるはず。
その意をくむことも大事なことですが、
なにせ資料が手に入らないものでして。
ベン石を調べるとき以上に断片的な映像のノウハウは手に入るものの、
中国語で通しでのレクチャー映像は見当たらなかったので。
そんななか排酸棒のグッズだけを持たされたら、
自力で工夫してもちいるしか道はありませんし。
そのうえでの我流の極みになった私の排酸棒の使い方。
でもせっかく、「観てみたいんだけど」という問い合わせをいただいたので、どうぞ、どうぞ。
ということになりまして。
2時間ほど、断片的なデモをさせていただきました。
向学心が高い先生方を観ると、それが私にはいい刺激になります。
その先生方。
デモの最中に、私が、おそらく一般的な排酸棒の使い方をしていなさそうだな、と気づかれました。
排酸棒は、体内の酸化したお血を排泄させるのに特化したスティックですということだったはずが、、、。
なんか、別の使い方に終始しているじゃないか、ということをわかっていただけたでしょう。
お一人の先生は、ていしんを普段使いしておられるようで、員利鍼を持ってこられていました。
だったら排酸棒を通常の擦るやり方をみてもらうまでもなく、
そこはすでになさっておられるということだろうと思いました。
排酸棒はていしんとは、形状が違うし握りても違うものです。
でも員利鍼とは、刺激のしかたがだいぶ似ている点もあって、
おそらくこまごましたことなどいわなくても、
現物の排酸棒を握って感触をえれば、
それで通常の使い方はできる先生だろうと判断しました。
そのようなこともあって、「一般的な排酸棒の使い方はこうらしいよ」というデモをしてたら、
それですぐ時間が過ぎて面白くなさそうです。
ならば我流のほうを見てもらったほうがいいかなと思いまして。
ただ我流ゆえに、このやり方を、すんなり持って帰っていいものかどうか。
迷われたかと思われます。
たとえば、
私が排酸棒をどう見て使っているか。
一例を紹介いたしますと。
ちょうど私が持っている排酸棒って、3本の突起があります。
私は、それをフォークの先端に見立てました。
サラダボールから、各人に取り分けるときに、
トングをつかったり、大きな木製のホークのようなものをつかいますよね。
それと似たものと見たのです。
筋膜の癒着等の揺さぶりをかけたい患部がある位置を透視できているとき。
それが表層筋部分で病位が浅いなら、そのまま皮膚の上から擦るようにしてリリースを図ればいいでしょう。
ですが中層の中~深層部などの深さがあれば、皮膚の上からこすってもなかなか目的の部分に作用を加えられない。
またはどれくらいの深さに病位があるかが探れない。
立体的に凹凸を感じられるようになるんです。
それは患部を挟むようにしてとらえてみると、
硬さや緩さ、ぐみぐみ感、深さなどが浅いところから深いところまでの層で分けて捕らえられます。
訓練的な慣れも必要だと思いますが、手先でつまむのでもわかるようですが、
親指と人差し指と中指の三本指でとらえるよりも、
排酸棒の先端部の6本の指を当ててみると感じ取れるものが違います。
そんな感じの身体の筋の奥を探るためのセンサー役として使えるんです。
ちなみに指先を使って押し込むと結構痛いんですが、
それは指先の先端がとがった返しのある骨で鋭いからなんです。
それよりも排酸棒の先端のほうが当たる表面積が大きいため痛みが軽減されますので。
そこもいいですね。
なのでやり方次第では「二本のフォーク」(=排酸棒)で、患部を上から押し込む(+圧 = 陽圧)のではなく、
ごっそり患部を把持してすくい上げる、持ち上げるといった(-圧 = 陰圧)を加える方が、
その体内部位の内側の面積が広がることで動ける間が作れる分、動きが出る個所もあるんです。
骨へと押し付ける陽圧は、かならず皮膚抵抗で刺激の力が大幅に削がれるものです。
なにか得体のしれない棒で誰かにぐりぐりされたら、無意識のうちに危険を察知して表皮や表層筋をぎゅっと固めてガードするんです。
そこは反射作用で自動的に起こる。
生理的作用なので、リラックスして力を抜いてくださいといっても限度があるんですよね。
どうしても陽圧に対して対抗して身を守る反応が、施術の時の刺激を妨げようとします。
皮膚近くの凝りであれば、それでも対応できますが、
皮膚から数センチもある深部になると皮膚抵抗で多くの力が削がれてしまいます。
だから陽圧は、このガードという皮膚の抵抗を考えて刺激を入れる必要がでてきます。
それが骨から遠位に持ち上げられる陰圧の場合、あまりそのような圧が自然界にはないため抵抗がなされず、スムースに刺激を入れられます。
それぶん、変化を大きく起こせるということも挙げられるでしょう。
自然界で、陰圧を受けるって言ったら、タコの吸盤に吸いつかれるとか、、、めったにないですよね~。
そんな日常的にないような刺激に対してブロックする反射を用意するほどの無駄は、しないんですよね。
陰圧をかける前に、ベン石温熱器で加熱して患部の代謝をあげておくことで、
さらに何割か増された変化が生み出せて、動かすのに手間が大きくかかっていたところにも、
大きな成果がだせるでしょう。
排酸棒にはヘマタイトの玉状の石がついた腕輪を巻き付けています。
磁化されたヘマタイトで排酸棒の磁力がアップすれば血行促進力がパワーアップするのか?
というわけではなく、磁化されたヘマタイトのリングは、磁力でぴたっと引っ付いてくれて握るときまとまりがいい。
排酸棒をより重みづけすることで、排酸棒が軽いとかえって力んで排酸棒を力(ちから)で握りがちになるのを防いでいるのです。
排酸棒を当てられるときに力みがあってそれが患部に当たると非常に不快なんです。
それがマイルドな感じの当たり具合になって痛みがほとんどなく当てることができるのです。
そのように排酸棒の重みをつけて刺激を加えるときに排酸棒の自重を活かしやすくすることで力むほどの力を当てなくてよくなるし、
排酸棒の先端が当たるときに感じるマイルドさを出そうとした細工です。
実際は排酸棒はかっさのように、皮膚の奥から瘢痕が浮かび出るような強さでこするのが本来の用い方なのだろうとおもいますが、
【筋膜リリースをするグッズとしてもちいる】という目的に限れば、瘢痕をつくらなくても行けそうなのです。
そのようにもちいているわけです。
このような変な使い方は、中国や台湾などの排酸棒を使ったYouTube映像では見たことがありません。
やはりへんてこな使い方なのでしょう。
以上、
デモ中に、デモを見学している先生は何となく、デモの流れでみてわかったものの、
デモを受けていただいた先生は、ずっと施術をされているところを覗き見ることもできなかったので、
デモ終了後に申し訳ないことをしたなと思いました。。。
スマートにデモできず、
ごめんなさい!!
なので、少しだけ罪滅ぼしに、補足解説部分を書かせていただきました。
それでも、先生方に「参考になりました!」とおっしゃっていただけて、うれしかったですね!
充実した時間を過ごすことができました。