【排酸棒】の改良:グリップテープ&ストラップで、<死んだ圧から生きた圧へ飛翔させよう!>

 

お読みいただきたい方:【排酸棒】を愛用している方
           セルフマッサージに関心がありすぐれたツールを探している方



だいぶ前にこちらのブログで取り上げました【排酸棒】。





実際にこちらの排酸棒をもちいて、凝り部分をかっさのように擦るようにしていただくとわかりますが、
けっこう深く筋肉の奥まで食い込んで深層部の凝りをリリースしてくれるんですよね。

使てみたら心地いいかどうかといと、
表層筋が張っていた場合が解ければ感じのいいけだるさか爽快感があじわえます。

それが深層筋の凝りにアプローチの手が差し伸べられやすい排酸棒をつかって、
深層筋をガシガシ解いていくと、かなりおもだるーく感じる方もおられるはず。

排酸棒は、酸化した体液(停滞または滞留したおけつやリンパ液)を排泄させるための特別な考案の元つくられたもの。
それゆえにしっかり凝りの奥まで届きやすい。
排酸棒の機種にもよるが持ち手が握りやすく、
先端部位は丸みをおびて当たりをソフトにしてくれる。
それと同時に少し強めに押し込むようにするとざっくりと奥まで丸みを持った突端が入り込んでいく。


私も施術中にこちらを用いる必要が出たシーンでは、使わせてもらっている優れた施術道具です。

通常、腸脛靭帯のような靭帯や腱はかっさで面で圧すると、痛みがきつくあらわれるのですが、
【排酸棒】ではうまいやりかたをすると、ちょっと時間がかかるのがネックだが、
ほぼ痛みがないまま、そこをリリースするやり方がある。
ベン石温熱機で加熱してから、ゼロプロマッサーの振動を与えて、それから【排酸棒】。
それをどれも刺激がほどよく心地よい程度で収めつつ、繰り返しの回数で削りだしの量を増す。
するときっちり解ける。

ですが、この3つの道具の連携は、それでなくても施術時間が長いものをさらに長引かせるので、。
なかなかここぞというときしかできないんですが。
でも、この熱・振動・深部圧の3つぞろえからは、すばらしい成果が生み出せるのは確かです。

 

そのようなすばらしさのある【排酸棒】。


ただネックに感じられることもなくはない。。。
スチールでできた持ち手部分は手から容易に滑り落ちやすいのです。

ワークベッドの端に置いておけば、勝手に床めがけて落下してしまう。
それだけではなく滑りやすさを抑えるため強く握ろうとすると、
いわゆる「死んだ圧」しかかけられなくなる。

それは切れのいい包丁を持って一流の料理人が魚をさばけば、きれいに刃が身を左右に分けるものですが、
それが切れ味のいい包丁であっても三流の料理人がくずれやすい魚をさばくと、身に刃がスッと潜らずにぐちゃぐちゃになっていく。
包丁を握力で把持しようとぐゅう~っと握れば、後者の三流になってしまうわけです。

それと同様のことが排酸棒を扱うときの圧の掛けるときには起きてくる。

つまり、熟練のAさんが特別な握りで排酸棒の柄をもって圧するときと、
未熟なBさんがつかんだときでは結果がおのずと異なってくるのです。
緊張すると力みが過ぎて柄を「握りしめる」ようであれば、
芯の奥まった部分の凝りが緩まずに老廃物の流れが促せません。


そこで。。。



あまりかっこいいものじゃないが現在試作品として。

キャン★ドゥで買ってきたゴム紐をストラップにし、
・グリップテープを巻き付け、
・突起を支える台座部分にマスク制作用ゴム紐を巻き付ける

制作:トータルで300円以内におさまりました


排酸棒にひと手間加えて.png



すると。。。


・ストラップのおかげでかるく触る、触れるだけの感じでも把持できるため
 ことさらに柄を強く握らなくても手から落ちない。。

・柄がスチールですべすべだから、この部分を使う圧も得られるが、
 それは犠牲にしてもグリップテープを巻いたおかげで圧するときすべらなくなった。
 突起部が患部に当たるとき、グリップテープがないときは突如ぐいっという圧の表面を削られる痛みがでるが、
 グリップテープが巻かれた後は、その痛みが軽減した。
 (実はこれが排酸棒を使うときの快適なリリースに意味が出てきます)

・突起を支える台座部分は触るとひんやりして、不快さを感じることがあり、
 軽い素材でできていて伸縮性のいいマスク制作用ゴム紐を使った。
 いやな人差し指の側面に感じたひんやり感でひぇ~っということがなくなって快適さが増した。
 台座を持って細かい部位の圧をかけるときにすべり防止にもなってくれた。


ためしに、私の施術で使い過ぎて凝りが残りやすい左肘の内側にある部位を改良版の排酸棒を用いてリリースしてみた。
するとあきらかにデフォルトのものより痛みが少ない感触があり、結果、快適に深部までリリースしていくことができた。


そして、もっともすばらしいのが。
お客様のおひとりに改良前のデフォルトのピカピカの【排酸棒】を握ってもらい死んだ圧だった人が、
改良版【排酸棒】を握ると「生き生きした圧」に変わったのです。
すこしだけ私も付帯するアドバイスはしましたが、ごく平易なもので、
それでこれだけ圧の質が変わるのかと驚くほど活きた【排酸棒】になった。

ちなみに簡単なアドバイスとは、圧をかけようと【排酸棒】を握る肘の先端部分のとんがっているところを意識して、
そこを動かすよう工夫してくださいというものです。
たった、そのひとことだけです。


同じ道具でも、改良の仕方や使い方の工夫があると、
別物の成果が実感できるからお得ですね。



手にしっくりくる道具は、触れていても楽しくなる。
手にしっくりこない違和感が感じられる道具だと、どうも、、、使う手が遠のきます。

【排酸棒】を買った当初はつかってたけど、最近は、ちょっと使ってないなっていう人は、
ぜひ、グリップテープとストラップの自作。

トライしてみましょう!