肩のこらないようにするには、腕は『回内』か『回外』か?

たとえば、デスクワークや編み物をするとき。

集中して長時間の座り作業をしていると肩が凝ります。
肩が凝る度合いを下げるよう工夫をしたいでしょう。

そんなときに肩コリを低減させる動作解析をすると、
<腕の使い方>にもポイントがあります。


腕の制御.png



腕を内側に回すことを『回内』といいます。

腕を外側に回すことを『回外』といいます。




良い姿勢をキープするには腕が『回外』していることが大切です。

図で言えば右側ですね。

肘を『回外』させ、手首は『回内』。
そのときに肘を少し下に落とす(下方に押す)ようにするといいでしょう。
すると肩は、なで肩へ。

肩関節、肘関節、手首関節ともに、関節のはまりがいい。



対して。
上腕が『回内』すると、脇があまくなる状態。

図で言えば左側ですね。

上腕が『回内』したら肩が上に持ち上がり、前へと巻き込む。
肩、肘、手首の関節ともに、関節のはまりが悪い。
肩が前に巻き込むと呼吸がしづらく息があがります。
それで血中酸素量が減ることになり、
血行が悪化し筋肉中の乳酸が排泄しづらいため凝りが進みます。

これは肩こり間違いなし。





腕を回外させるときの胴体ですが、
胴体部分の上端の両肩と下端の骨盤の左右が、ともに内側にしわになって縮んだりつぶれることのないようにすること。
張りや広がりを感じるボックス状に保つことが、同時に求められます。



あと注意点は、腕の回外について、自分では上腕や肘を回外しているつもりでも、
肩甲骨が肋骨に密着・癒着があれば十分にそれは達成することができません。
そのようなときには、まずは肩甲骨が肋骨からはがれるようなエクササイズを先行するとよいでしょう。
または肩甲骨が肋骨に癒着する度合いが強ければ、鎖骨下に大き目なしこりができてしまっているため、
ここは一般的にはセルフケアやセルフワークでのリリースが起きづらく、変化が期待しづらいでしょう。
場合により、施術などで他者の操作を受けることを検討してもいいのかもしれません。