鎖骨の骨折から起きる後遺症といえるようなつらさは、いったん施術で動けるように改善させてから、それを維持できるようセルフケアを欠かさずに。

腕の骨が体幹に接合する唯一の部分は?
胸前の胸鎖関節を挟んだ鎖骨の内側部分です。

一見すると肋骨の上に肩甲骨が密接な位置関係にあるため、
肩甲骨も体幹に接合されて関節をもっていそうですが、実際はそうではございません。


鎖骨のカーブは骨折しやすい構造でもある.png

鎖骨。

ブーメランのようにカーブを描く骨です。
ブーメラン上のカーブがあるからこそ、
胸鎖関節部位を起点としてねじりながら鎖骨を持ち上げるなどすると、
腕の複雑な動作をかなえることができる基礎を含むように工夫されています。
もしも鎖骨がまっすぐな骨なら、肩甲骨を多彩に位置を誘導させて変幻自在に手を動かすようなこともできなかったのです。

ただ鎖骨のブーメラン形状には、ひとつ致命的な欠点があります。
それは、交通事故等で体を投げ出されて地面に手を突くなどした場合、
ブーメラン状に曲がったカーブの内角に突発的に多大な力学的な力が一点にかかるため、
そこが骨折しやすいのです。
そして同時に、鎖骨が骨折した際に、だいぶやっかいなことが治療上起こるのです。
上腕や前腕などなら、添え木で骨がまっすぐにつくようギブスや石膏で固定するので、
後の骨の継ぎがきれいに回復することが期待できます。
対して鎖骨の骨折では、腕を動かさないようにするよう腕を吊る状態で動かさないようにはしますが、
鎖骨の場合、添え木で固定するようなことはできないので、結果、骨折から骨が着いたとしても、
もともとの鎖骨のカーブの通りにきれいに接合するようなことはありません。
鎖骨のカーブが問題含みで固定されたことにより、鎖骨角や鎖骨下静脈や鎖骨下動脈というった血液等を流す管を圧迫し続ける。
ただよほどひどい鎖骨角や鎖骨下静脈や鎖骨下動脈というった血液等を流す管を圧迫で悪影響が大になっていなければ、
許容できる範囲内の循環器やリンパの流れの不具合となるのですが。

それがときに鎖骨骨折をおこしてそれが修復された過程で、
鎖骨のカーブがもともとの理想形からかけ離れたとき。
それは許容できる範囲を超えた循環器やリンパの流れの不具合を、生活する中で感じ続けることとなります。

非常につらいことです。。。

先だってうちにきて施術を受けてくれた同業の先生。
かつてバイクで転倒事故を起こされたとき鎖骨を骨折。
そのとき鎖骨のカーブの内角での骨折であったのですが、
それが修復した結果、もともとの鎖骨のカーブとは違った状態で骨が着いた状態となりました。

それが鎖骨の末端が持ち上がるような状態にカーブがつけば、肩こりや首凝りの温床になりますし、
腕を使うときに以前の使い勝手とは違う状態であるため使いづらさを感じざるを得ないこともあります。
そして上記にあげたような循環器やリンパの流れの不具合が鎖骨のカーブの収まりが悪ければ生じます。

こうなった鎖骨のカーブが理想のもとの状態から極端に鈍角になったり鋭角になったような場合。
広頚筋という首前から胸部までを広く覆う筋肉が、容易に鎖骨との癒着が進みます。
そうなることで首前の喉あたりが常に内側への圧迫を感じ続けるようになり、
気管支を圧迫するなら呼吸のしづらさ、そして食道の圧迫をするなら食が進まなくなる。
またま頸動脈等の脈管内部の液の流通を阻害する場合も出てきます。

そういったことが鎖骨のカーブが骨折修復後に問題を含むようなら起こりますから、
そこを計算に入れて、定期的に鎖骨の上にある広頸筋や鎖骨下筋の癒着などを緩めていくメンテナンスをなす必要があります。
これは鎖骨骨折後にも快適な生活を持続させるには必須だと考えていただけるとよいでしょう。


鎖骨部の癒着がすでにそこを取り巻く靭帯が骨以上の硬さになっているならば、
施術者であっても、人への施術をするときの圧をかける方向と、自身に向けて施術をするときの圧の方向が逆となり、
あまり自身に向けての圧は都合よくしやすいような人体構造にはなっていませんので。。。
施術家の先生でも、やはり一定以上の深刻な癒着による硬化が進んだ場合、他者施術を受けるようになさったほうがいいでしょう。

そしてそれは一般の方であれば自身でリリースするのはむずかしいと感じます。
同時に鎖骨の骨折は、もともとそこが折れやすい骨の構造をもっているのです。
一般の方がこの部位を施術者に解いてもらおうと考えたとき、
相当に慎重さを持った施術者を選ぶ必要があります。
それは施術による事故で、骨折が起きやすいところの筆頭が、鎖骨だからです。
鎖骨の継ぎに骨折が起こりやすいのが、肋骨の肋軟骨や浮遊肋骨などです。
熟練度の低い施術者の方が、だいぶ凝りの進んだ鎖骨を見かねて熱心に解こうと頑張りすぎると、
巧く解ける前に、再度骨折をしょうじさせるという場合がときおり見かけられるのです。
必死にお客様のことを思って緩めようとがんばるのですが、骨折リスクが頭から一瞬でも抜ければアウトです。
まじめな先生ほど、このような結果となりますので、まじめかつ臨床研究が進んだ先生であることが求められます。
施術者選択は注意深くなさるべきでしょう。


また、いったん施術でしっかり鎖骨が自由に動けるようなリリースを受けたとき、
それからは、自身でセルフケアをしていくことで、その状態を維持するといいでしょう。
施術で緩めたとしても、鎖骨のカーブが乱れて腕の使い勝手が悪くなった分、
そこに負担が蓄積して、再度の癒着がしやすくなっていく場でもありますから。

鎖骨の緩め方は。。。
やり方は鎖骨の上下の部位をさするようにしていただく。
また多少鎖骨に広頸筋等が癒着がし始めて拘束感が強まったと感じられたならば、
鎖骨を指でつまみながら鎖骨上をごしごしとなでるというか磨くようにしていく。
そこを丁寧にしてください。

鎖骨下静脈の状態.png


<付記 2022年8月1日>

また鎖骨骨折側が左側で心臓に負担感が強く感じるといった場合。
肩甲下筋」という肩甲骨と肋骨の隙間に位置する筋肉が異変を持った状態がないか、調べます。
起始が肩甲下窩で付着が上腕骨の小結節に肩関節包となります。
機能が肩関節内旋と上腕挙上の位置で肩甲骨を前方かつ下方に引きます。

肩甲下筋は関連組織が心臓で、
構造的欠陥があれば胸の痛み、胸が締め付けられる感じ、肩の障害、腕の痛みが出てきます。
内科的兆候としては動悸、めまい、歯茎からの出血、飲み込み困難があらわれます。

けっこう肩甲下筋はパワフルな筋で、腹筋、大腿四頭筋、棘上筋、腰筋に関係する。

経絡は、手の厥陰心包経となります。



先だって鎖骨骨折後の不調を得た施術家の先生が、体調不良を負って施術を受けに来ていただいたのです。
鎖骨骨折による鎖骨のあるべき位置がずれることは、鎖骨の裏側にある肩甲骨を確実に位置ずれを起こすのです。
それにより起きるのが肩甲下筋が深く凝り始める。
そして多年にわたりそうした肩甲下筋の状態を背負っても手技をし続けるなど負担をかけ続ける。
手を使って負担を肩甲下筋にかければそこの引き連れが一気に倍増して体調を崩すことにもなる。
そうであることを、訴えられます。

上記の肩甲下筋の状態から受ける影響はアプライドキネシオロジーの勉強をすればわかってきます。
私同様にアプライドキネシオロジーを得意にする先生ですから、
冷静になって手持ちのアプライドキネシオロジー系のテキストを紐解けばでてくる知識です。
ただ体調不良に陥ると、どういったわけかお客様には使える知識も、自身に対して客観視するのが難しい。
それで同業の私に支援をもとめて足を運んでいただいたのです。

繰り返しその先生は
「最近、食事が喉を通るときにつらくてさぁ・・・」とおっしゃいます。
肩甲下筋の異常から生じる飲み込み困難は意外に知られているところです。
これがあるとわかれば肩甲下筋の状態が悪化しているというのはピンときます。
そこが行き過ぎて嚥下障害に近い悪影響をおこして苦しまれる方もいる。
なってみると痛みによる苦痛以上に耐えがたく精神的な負担から明るい光を失うことを感じることへと陥る。
食欲が下がるが、生きるために食べ物を流し込む。
そうやって頑張り続ける。


とりあえず上半身に複数の問題があることは明らかだったので、
遠方からおいでの先生だったため、
「ぜひ、地元のかかりつけの整体の先生に腋下の凝りをとってとお願いしてみてください」とお伝えいたしました。
つまり肩甲下筋の付着の上腕骨の小結節に肩関節包に強烈な何層もの層が折り重なった凝りが蓄積しておるようで、
こちらを徐々に時間をかけて施術を繰り返してとっていけば改善が感じられるはずです。



こういった甚大な体調不良を背負うという経験は私も多々覚えがあります。
お客様に対しては適用して治せるものの、自身にはその知識がさっぱり思いつかないという不可思議な現象が起きてきます。
知ってるはずの知識が出てこなくなるのは理解不足だからといわれそうですが、
体長が不良となり脳内への血流が低下した時点で観察力が激減したことによる影響だと思われます。

だからある程度の体調の復活を遂げて脳内の血流を確保できた時点で、
自分で適切なセルフケアをできるようになる。
そこまで運ばれれば安心です。