半年前の施術と昨日の施術で感じた変化のフィードバックから「首以外は痛みなくあっけなかったな~」とのこと。

昨日の施術で。

お客様という側面もありますが、
定期的に外食等を申し合わせ互いの情報交換をさせていただきます。

昨日、10枚に及ぶ過去からの運転免許書を持ってきてくれました。
過去からの自身の顔の位置、肩の位置等がそこにあらわれています。

彼の仕事に活きると思うのですが、
物事のアバウトな把握にとどめず、
「正確に」そして「細密に」かつ「実証的に」。

自身の身体に対してもそのような感性が活かされています。
自身が施術を受けて感じたことをフィードバックをしてくれるのです。

前半、今回は左脚部前が硬化が強く左側腸骨前方が下降し、
それが全身の左右屈に影響を与えている。
それをリセットさせるため、1時間半をかけ左脚前側を精密なリリースをしていった。

そのとき彼は、寝息を立てていたときと、意識はあるがカラダが寝ている状態でして、
そうなると時間の経過感覚が消え失せてます。

それもあってさ「らっとした施術でしたね」と。 ^-^;

前回の施術では彼のカラダの芯に軸ずれをもたらす起立筋群を含む膀胱経の左にきびしい状態があった。
そのためそこから派生した急性用で負担影響が出た部位を各適切に解き進めていく。
そうなると急性の緊張しっぱなしによる凝りが大半を占めるため痛みの表れが出てきた。

だが今回は、痛みは、とある一部を除き、ほぼなくてかえってそのことに当惑していた?

私が
・「朝顔の手の操作」を施術に活かす、
・ボウエンテクニックの手技でもちいる「ムーブの変形」を多用する
・その他、経絡の特別な性質をもちいた扱い方
それらにより癒着した筋膜のリリース深度が深まっただけではなく、
お客様への圧の当たりの感覚は変化が起こっている。


ただ一部を除き痛みがなかったという、一部とは。。。


それは「頚部」のことです。

頚部脈管.jpg

前回の彼の施術では頚部はリリースをしていたが、
それは半年以上前の施術であり、
それ以降に急速に研究が進んだ上記にあげた朝顔の手の操作やムーブを使ってはいなかった。

それでは頚部の深層に変化を加えるのは危険がある。
その時々の私が安全に施術で解ける範囲内のことを施術の現場でもちいてますので、
以前は経静脈に筋が癒着が進んだ部分を解放するまでにとどまっていたのです。

肩が右に上がり、首が右へと曲がり続けているため、
頸椎の椎骨内を通る椎骨動脈の右側の詰まりがでている。
主だって椎骨動脈は、椎骨のそれぞれの頚椎椎間板の詰まり等の位置ずれに影響されることにとどまらず、
後頭骨が下方に食い込んで第一頸椎のずらしを作ることで悪影響を及ぼします。

頚部の横に主要頸動脈がありますが、
左側頸動脈は斜角筋および胸鎖乳突筋、肩甲挙筋と首の横に位置する筋の根深い凝りが影響して血流を部分的に停滞させている。
頸動脈の血管を首の骨化と言える硬さに変わった筋肉が圧迫してもいますが、
長い年月をかけたデスクワーク中心の労働をなさっておられる方の多くには。
さらに、首の骨化した筋に頸動脈の脈管が部分癒着しているところがあります。

それに首は神経が点在しており、それら神経が首の筋膜に癒着が進んでもいますので。
そこが特にリリースには不快さが跳ね上がる影響が現れるものとなり、ムリができない。

そのような現状把握は、脈をとることが慣れてきたおかげで、以前より以上にできています。
いまは朝顔の手の操作で精密な方向や力の加減で目的の筋を把握し、
ボウエンテクニックのムーブで患部状態を直前の状況把握をまさにおこなったという状態検査とリリースを一体化させたことができています。
リリースをおこなうのは私の指ではありません。
頚部の筋膜リリースには指先はなじまないのです。
だからもちいるツールとしてたどり着いたのが、
ベン石温熱器と加温されたベン石スティックで、
首をリリースする前には首から腰部にまで延びる起立筋群を30分以上ホットストーンの敷石で加温させ緩めておく下準備をするのです。
このようにしておくと交感神経優位の状態が落ち着き、副交感神経へとスイッチが入るため、
首のなかの癒着をはがすときにお客様への頚部へ触る際のショックが大きく軽減できます。


私の記憶では、彼の頚部の施術をした前回のとき。
頚部のリリースにベン石温熱器とベン石スティック、そして起立筋部のホットストーンは用いていました。

それにより初めて経静脈という頸動脈に比して浅い部位に位置する血管の圧迫部を外すことができたのです。

ただそれより奥に位置する頸動脈はその動脈周囲にある神経の絡みつきもあり、
その部分を検査とリリースが一体化できたものでなければ解くのはできません。
そういったところであったため、
首に内包した凝り状態の前回は中間層にまでリリースを進められたという状況。

そこより奥まで手技の圧や手を伸ばせば、
それでは雑味のある手圧によって与えられた衝撃により頚部の頚椎ずれが人為的に引き起こされ、
障害が出てしまうことが推測されます。

頚部は、マジメに他者圧迫が入れば危険な結果を引き起こす筆頭です。
一時的な意識障害(気を失う)やその後に継続し続けるむち打ち症に似た悪影響が残されます。


ボウエンテクニックのムーブを朝顔の手の操作でおこなうという工夫を重ねることで、
患部の現状把握の密度を高め、それと同時に施術をするという流れをもたせることで、
障害リスクを削ることができ、首の癒着した筋同士や血管の癒着部のリリース深さを増すことができるようになりました。

その結果、首の筋肉が、気管支を強く圧迫していた気道の悪影響を低減させることもできましたし、
首前は舌に関する筋が複数配置されており、それらの快方も進ませることができました。

それらは以前の私の技術で触れば災いがでるため、ダメージがあるなとはわかっても触らなかった個所です。
触れなかった個所といってもいいでしょう。

というか、通常の整体院ではこのような部位のリリースをするという概念がないのです。
頚部が解かれて変わったという口コミを得た同業者の方からの問い合わせが、
おかげさまで徐々に増えています。



考え方として、そういった難易度の高いところに手を出さなければいい、、、という意見もあります。
作業の手間もかかりますし、下準備として陰の研究には膨大な労力を惜しまないようにする必要もあります。
そればかりではなく、手技の性格上、深刻なダメージを含んだ首という、
すでに壊れかけた組織か壊れた状態といえる筋の動きが影響がでて、
頸動脈等の脈管や首の神経などに手技は触りが出てしまう危険もあるので、責任問題へと及ぶことも考えられます。

ただ大阪府知事 吉村 洋文氏がコロナ対応で、
「できない理由をさがすのではなく、できるための理由を探すんだ」と言ってましたが、
私にとって施術の勉強でもそのような考えが必要なこともあるのです。


実際に頚部リリースをさせていただくようになり、
どのような部位に凝りが頻出して、それにより各人がどのように影響しているのか。
それらは施術の教科書にないようなことが判明してきて、それがわかることで次に進める。
そのような良質な研究の繰り返しで理解深度がでてきています。



昨日の彼の場合。
数十年もの期間、コンピューター関係の第一線で働かれている。
システム設計とシステムエンジニアとしての立場もあります。
それはデスクワーク中心ということで、
その業種についたときの免許写真から彼の首のゆがみが現れました。

だからすでに首の芯に入る筋のコリの癒着は動脈の脈管にべったり。
数十年もかけて癒着を進めて深めている場合は、
そのような組織は凝りが常態化して慢性的にその周囲の組織との間が近接し、
本来はあるべき油が刺してあって組織同士の間仕切りが失せてしまいます。

本人的に、それに不具合を感じる人もいれば、
不快さに慣れてしまって不具合さえ感じられない麻痺が進んでいる人もいます。
後者の麻痺が出ている方のほうが、癒着化が進んでいる状態としては深刻です。

ただ最近では、
携帯電話(スマートフォン)を持って歩き見る人が増えていて、
この場合には手でスマートフォンを持ち上げ続けることから、
長時間のデスクワーク以上に斜角筋や肩甲挙筋の凝りを創り
頸動脈の脈管との癒着が進みますので注意が必要でしょう。



彼の場合、特に左が厳しさがあって、声帯隔膜への引き連れる影響が出ている。
そういった、前回の施術では触れられていなかった場所のリリースにも入って、
そのときに頚部の炎症部の麻痺が進んで痛み等の不快さが失せたところに痛覚がよみがえると。。。

別にそれほど痛さもないだろうと油断した炎症の麻痺したところへ血流が出始める。
すると「えっ!?なんで、なんで、なんで。なんで、こんな痛いわけなの!!」と、
あわてさせられるというところがあります。



今回の彼が感じた痛みがでたところは、こういった炎症が麻痺したところが感度が戻った首でした。


強烈な炎症があるのみではなく、骨以上の硬さにばけているため、かなり圧の制御を繊細にします。
圧が弱弱しければ患部には変化の兆しは見えません。
もし筋肉の長さや緊張度を調整するゴルジ繊維の誤動作程度なら、頚部のカウンターストレインで、
それは十分にやさしい負担のない調整で済ませることができます。
ただすでに数十年も硬くしたまんまでそこの組織に栄養を送り老廃物を破棄する代謝が理想を下回っている場合。
そして組織同士の隔てを作る潤滑油が抜けきっているときには、
触れ合気をかけて対処するという、痛み具合を低減させる工夫を取り入れて発痛のコントロールをしたとしても解けません。



解かないままですませるか、解いて先に進むか。



その判断は施術を受ける本人に任されるものですが、
過去からの免許書の写真を持ってきて、この首の状態を改善したいと真剣に取り組んでいるというのですから。
解かないですませていいですかという話にはなりません。 ^-^)



施術のはじめ前に、右肩甲骨が外旋する位置ずれが常態化しており、
そのままの位置にとどめれば首へのダメージ影響は再発する恐れが大きいとして、
それを食い止めるためのノウハウの一環として、右手で朝顔の手の操作の練習をしてねと勧めました。

あとは左脚部の腓骨脛骨の動きが起きていないことにより、全身への左右のずれが生じてましたから、
その点の意図的な操作ができるように頑張ろうということで、やり方を。
ただ、手の練習はどなたでもできるものでしょうが、足は、、かなり難易度が高いので。
こちらを彼がどう変化させて新たな意図的に選ぶ理想の下脚部の操作を身に着けるのか?

そこは興味を持って見つめていきたいと思いました。




私の個人的に受けたフィードバックとしてのうれしかったところは、
施術後に以前はカラダに負担が感じられたが、
前回よりも、リリースをされた筋膜の層は深まったにも関わらず
今回はそのようなこともなく「あれ?」というほどだといいます。


細かいところまでしっかと感じ取れる彼からのフィードバックは、
私には想定内のことでもありましたが。。。
ですがここまで施術上の負担が軽減してあっけなかったといわれるとは思ってもいなくて。


少しずつこれで万人受けしそうな施術になってきたなと感じられ、
おもしろいところへ落とし込めてきたなと。
その適切なフィードバックに感謝して、
さらに技を磨こうと考えました。