急に右側の膝が激痛! この場合、膝を即座に解いていいかどうかの見極めが、その後の回復に天と地の差を生み出します

個人的なことで申し訳ないです。

昨今、施術で大型木製カッサを用いててこ圧を多用することで、
精密かつパワフルに筋膜リリースを行うことができる様になりました。

そこでこの手技を多用していた結果、
踏ん張りで胆経を傷つけ、右膝、膝窩筋が激痛・・・。
少しずつ不調な実感が積み重なってきていた。
そうした小粒な負担で手当をすればいいものを、
ある程度はあるき方を工夫して膝の過伸展を修正できていたため、
根本的な改善作業に手を出していませんでした。

それが昨日、外出時に右膝の膝窩筋がつって激痛が起きたことで、
足を引きずって帰宅しました。

30年前くらいにも同様の膝窩筋が激痛となって
懸命にびっこを引きながら目黒不動尊から帰った記憶が蘇ります。
いまもそうなったということは、
昔の身体操作の傾向が完全に拭えてはいない証拠。

なさけない。。。。。

では、どういうメカニズムでこの度の右膝窩筋がつったため、
膝の大腿骨と脛骨・腓骨といった骨同士の関節のズレまで及んだのか?



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黒い線が過伸展している箇所の印です

要は、腰椎部位が右側へ湾曲し、
右膝の外側の過伸展、右足首内側の過伸展。
左膝の内側の過伸展、左足首外側の過伸展。
同時に左右股関節の状態を観察すれば、
右側股関節は坐骨と大腿骨の間が狭まり、
左側股関節は坐骨と大腿骨の間が広がっている。

そのような状態が観察できます。


より詳細をお知りになりたい方は、下記の本がわかりやすいと思われます。

内臓体壁反射による異常観察と調整テクニック 概論 単行本(ソフトカバー) – 2018/1/1
南 一夫 (寄稿)




ではなぜ膝窩筋がつるような激痛がでたのかというと、
右膝外側の過伸展部分を通る経絡が胆経で、
その過伸展する胆経近くに位置する関連筋が膝窩筋です。

なので右膝の不調を軽減させるには、
膝の問題は2~3割ほどの影響で小さく、
腰部の湾曲と右側股関節の大腿骨と坐骨の狭まりを修正するのが8~7割といった影響です。
それはなぜかといえば、
私が棒状カッサ等でてこ圧を使って筋膜リリースをしだした時期から計算すれば、
まだ膝の状態自体は慢性化した組織の破壊が起きる手前であることがわかります。
今回の右胆経の胴体脇から脚の体側を含む異常な過緊張のテンションが発生しており、
それはそちらのテンション全体の問題にあるにもかかわらず、
膝というユーティリティに使われ動きが大きい部位が負担感を真っ先に実感しやすかった。
そういうことでしょう。

年単位で膝の痛みを堪えていたり、反対の膝でばかり歩きだしていたようであれば、
膝周りのパッケージ力のある靭帯や半月板に深いダメージが入り込むため、
膝内部の複雑に折り重なって癒着が密になったものを観ていかなければなりません。
そうなると膝は激痛ポイントの筆頭ですから、大変なことが起こります。
幸い、私のこの度の状況は、そういったところまで進んでいないため、
膝はいじることなく別の箇所の修正により痛みは改善できるはずです。

そのため昨日は休日にもかかわらず早々に帰宅して、
セルフケアに勤しみました。

温熱を使って右側胆経や胃経、脾経の経絡線上を修正を加えたのですが、
そのとき膝に触れてもいないのに、
膝の骨が「ゴキぃ」と野太い修正音を立てて正常な位置へと移行し、
その後、数時間前の右膝窩筋の痺れで下脚が言うことを聞かなかった状態から復活。。。

余談ですが、
私のような主たる原因が膝由来ではないというものなのに、
膝をまっさきに解いてしまうと、どうなるでしょう。
主訴は、膝が痛いというものだからいきなり膝を解くよう、
「ここを解いて!」と訴えがあるからその要望に従うという場合です。

実は、膝の骨のズレが一気に倍加して激痛が増します。
そうした激痛が胆経を更に緊縮状態へと追い込んでしまうため、
これをすると治らないどころか悪化するのです。

手順ミスは命取りになるため、見極めが大事で、
ひざ痛を生じさせた他の主たる原因部分を先に直しておきましょう。
すでに脆く壊れだした膝へ不用意に外圧を加えて壊すべきではない。
無理や無茶を受け付けないのが膝なんですね。
そういったこともあって「膝を治す見立てはむずかしい」と言われます。

自分自身顧みて、
芸は身を助けると気楽なことは言ってはいけないと猛反省中です。