左右の手の脈、確認できますか? もしどちらかの脈が極端に微弱に感じられたときには、対処を一考してみてください。

「脈の状態(=脈状)」は、
個人的な体質により個人差があります。
それにお客様の食事内容や食事タイミング、
脈を見る前の運動、心理状態などの状況により変化します。
他には四季により変わりますし、
時間帯でも変わります。

こんなことをいわれると、
なんだか脈をみてもぶれぶれで、
あてにならないんじゃないかなと誤解されかもしれませんね。

でも心電図を計測する機器で波形が表示されてそこから健康情報が読み取れるのと同じように、
脈管のなかを通る血流の勢い強さを管の張りや硬さでみて、
血流のタイミング(リズミカルさがない不整脈状であるか)、
といった基本もみているんですよというとわかりやすいはず。
あとは血液が瘀血状になれば、脈管のなかをながれる血液がジュルジュルとジェル状に感じるなど、
心電図では描かれてない情報を脈から読み解こうとすることもできるそうです。

ある程度の特殊な脈状があるのはわかりますが、
実際は詳細に見分けることは至難の業で、
それこそ密度の濃い治療人生を送った先生方のみのできる職人技だと思います。

 


ですが脈をみるといっても、そんなに難しい考えが必要ないときもあるでしょう。

フィットネスクラブで運動をしていて、
自分にとってその運動が強度や負荷が適しているかどうか。
自分で一定時間脈を測って、脈の回数を計測して目安にするところもあるようです。

体力がないときはドキドキした心臓の脈動がいつまでもつづいて回復まで時間がかかったが、
運動習慣が身についたらそれほど脈が激しくならずに短時間で収まるようになったなど。

 

自分で脈を見るとき、
聞こえてくるのです。
右手と左手では脈の強さに差があることに気づいた!

そうなんです。
誰でも気づくレベルで、左右の脈の強さが違っていた。
まるで一つの人体に健康な人と病人が同時に混在するかのようです。


私は脈診を治療に活かしたくて講座を受講したのですが、
そのときの講師に(なんだか左手のこの生徒さんの脈はとりづらいんだけどどうしてですか)
と質問をしました。
脈診の名著をだしておられる先生ですが、
明確に納得できる内容の回答はなかった記憶があります。
(当時の私が中医学について拙すぎてスルーされたかもしれません。ーー;)

 

右手で脈を取ったときと、
左手で脈を取ったときで、
別人ほどの差異が生じていたら。

、、、これっておかしくないでしょうか。

 

右手は脈が普通なのに、左手が極端に弱い。
最も極端な方のときは、
右手の脈が浮脈で左手が沈脈か悪化が過ぎて脈が測れないほど弱くなっていることがあります。


こうした脈をもつ人の体質は、一見、他人からは普通にみえそうです。
ですが私の直接しるところでという母数の少なさがございますが、
施術をさせていただいても改善へのベースがととのいづらく、
ともすると驚くような大病をわずらわれる方がでてきます。
そうした割合の高さが気になって、
前年の後半よりシヴァリンガムで腋下の深部リリースが可能となり、

先月の1月中仮説検証をはかりながら私なりに原因を調べていました。

脈と取る手首から前腕にかけて脈を測る寸関尺の場所より心臓に近い動脈に
閉塞性傾向を強いる部位が存在しているんです。
それは誰でも想像がつくことですよね。
蛇口からホースを通して水を流しているときに、
ホースを踏んづけたら水の出が悪くなるのと同じ現象が体内に起きています。

ではどこで動脈を圧迫して血流を阻害しているのでしょうか。


基本、肘か肩か、またはそれら両者が違った割合でおきた作用か?
実際の動脈を圧迫している部位の阻害箇所をリリースする前とした後の脈を調べる。

肘の曲沢位置が動脈通過場所となり、
上腕動脈が橈骨動脈と尺骨動脈の二手に分かれる。
血管圧迫状態は解くことの難易度は、
ツールを使ったムーブによるリリース方法を独自に編み出しているため
リリース前とリリース後の血流変動ははかりやすい。
この肘の部位でも血管圧迫は行われ血流の阻害場となっているようです。


ただ肩の雲門位置の腋窩動脈という血管を圧迫しているコリについて、
この部位のリリース法は影響エリアが想像以上に広い点と深部に浸潤したコリの尖度などより、
リリースの難易度が高い。
知り合いの施術家の先生のこの部位のリリースを願い出てやらしてもらったのですが、
自身にこれほどの凝りが脇の下にあったことに驚かれていたのです。
ただリンパマッサージをしている方は、この凝りに気づかれていたのですが、
私が(あなたが凝りと呼んでいる浅い深いという病位でいえば浅い部位のことで、そこは腋窩動脈に当たる凝りの氷山の頭の尖った部分です。その下に凝りの硬度が軟骨を遥かにしのぐものがあるので、そこが私がいう腋下の深部のコリですよ)
というと目を丸くされていました。
ここの層に烏口腕筋、小胸筋等の烏口突起への骨化した凝りと、そこを渦巻く心経・心包経・小腸経・一部三焦ラインのこりや
前鋸筋・小胸筋の肋骨付着部と肩甲骨外縁の大円筋小円筋の付着部、そして鎖骨下の鎖骨下筋に大胸筋、
それらで住む場合もありますが、胸骨がねじれが大きくはいっている場合には、適宜肋軟骨の変異状態を保持する場所を削り落とすリリースが入る必要も診られます。
以上のもののいずれも浅いリリースでは腋窩動脈に圧をかけていた凝りがお目見えできません。
ホットストーンマッサージというホットさとシバリンガムや砭石、ネフライト等が、
たくみにそれぞれの場をフィットして溶ける工夫がなければたえられないリリースです。
特にシバリンガムがなければ、ムリ。
同時にシバリンガムを合気柔術の手の内を駆使して使えなければそれも、できないもの。
ほんとうに神様からの贈り物だと感謝しています。


私も30年かけて昨今、ようやく掘り出せたもので、
通常のリリースではたどりつけないコリの層ですから。
この部分がリリースがパワーアップされたたため、肩が、胸が、首がカチンコチンになるまで身を固めて
リンパマッサージを続けた凝りが一層されてよろこんでおられました。

 

この部分は鎖骨下動脈について鎖骨の周囲のコリがきついものがあれば、
この部位でも手へ流れるべき血流が阻害されるのです。


前段に、蛇口にホースをはめて水を出したときに、ホースの途中を踏むと水が出にくくなると例えました。
それが脈が弱くなる原因ですね。
もう少しホースを強く踏みつけると、蛇口からホースが抜けて、勢いよく蛇口より水が流れることがあります。
踏まれた場所で水流がせきとめられたため、滞留した水はホースを膨らまそうと初期段階では行うわけですが、
パンパンになったら蛇口の水が出る部分へ逆流する現象が起こります。

この現象と同様なことは脈状が弱い側の部位にもある一定の割合で起こるものです。
左肩内を通る動脈内血流の阻害量が多くなれば、
心臓へ向かう動脈への逆流によりその動脈管への負担等と
脳へ向かう動脈への予期せぬ流れの影響が懸念されるでしょう。
腕の中の動脈を見立てて模型を作り、
その動脈チューブに水を流して同様なことを起こせば、それは容易に観測できるものです。
こうしたなにげなくカーブスで(あらまぁ、私、左の脈は取りづらいわね。しかたないわ、右ではとれるからいいのよ)
という会話に潜む循環器系のトラブルを感じるところです。