施術再開でお客様の施術をさせていただくとき、
私にあきらかに感じとれるうれしい変化がありました。
少しずつではあっても経絡と経穴のイメージが定着し出したことで、
お客様の身体をみたとき、経絡線がくっきり目に浮かぶ。
そうしたビジョンを元に患部とそれに関する遠位の関連部位を見出すことで、
いままで5ステップほど問題箇所にたどりつく場合があったとすると、
それが2ステップほどで「ここだよ、ここが核だ」という部位が現れました。
同じ部位のリリースは去年といまとでは、
半分以下の時間で賄われ時短が図られた。
以前なら膝内側の内側側副靭帯はアプローチエリアとしてケアするにも、
カウンターストレインやマッスルエナジーテクニックのような
オステオパシーの手技に留まるものであった。
そうであれば本日のお客様のお身体の状態では膝内側の靭帯や腱の骨化硬度が著しく、
本日のリリース成果の10%ほどしか変化することはできないだろう。
そしてそれ以上に興味深く感じられたものは、
「ここまでは解いていい。そしてここからは組織に損傷リスクが高まるから現状は辞めて、他の対処法をお伝えしますね」という制限が、
膝内側の脾経と腎経の通る厳しい骨化した腱骨化部を特別な方法で読むことで見えていた。
この読みができなければ、安全を図ることを優先するべきで本日の10%ほどのリリースで取りやめるのが正解。
膝は大変に痛めやすい場で、最大級に施術が難しい。
繊細さと落とし所の読みが、わずか5ミリ誤れば取り返しがつかないことになってしまう。
お客様自身、改善を望んできてはいるが、壊されたいわけではない。
現状つらいから治してほしいと、その場ではいうの人情。
それが通常ですが、そこにある神がかった施術の難しさとリスクはご存じないですし、
私もネガティブなことを投げかけすぎて気分を落とされて改善の可能性を消失させるのは得策ではないと考えます。
そうなるとどれだけそのエリアとそこを含む広範囲の関連エリアの実情を読み、
そうした関連エリアの文脈から患部がどうであるかを知ることができるのかが勝負となります。
それができての
「ここまでは解いていい。そしてここからは組織に損傷リスクが高まるから現状は辞めて、他の対処法をお伝えしますね」
というギリギリのセーフティラインをみることができた。
以前なら、こういったセーフティラインを見つけ出すために患部の表層からわずかずつミクロの目で解いては巨視に戻り、
という作業を10回20回と延々と息を詰めながらすることで、
わずか5センチのエリアを解くのに4時間かかるわけです。
そのような作業をしたことは何度もあります。
4時間かけても安全を配慮してギリギリのラインよりだいぶ手前で作業を終えるしかないわけです。
それが患部を通過する経絡の関連と、経絡上の延長を離れた、経絡的相関の見方の法を用いることで、
かっちりと30分ほどに短縮できた。
私自身のリリースのときに先に有効な身体状況を把握する情報を手にいれていることで、
以前は慎重すぎるほど慎重に臆病に息をできない作業だった状況。
この作業をすると5日間は私の心身にダメージが顕著に残り続けます。
そこから開放されたことは、お客様にも私にも非常に大きな改善点と述べることができます。
とにかくも、今日の日の施術で先月の研究成果が現れたことは大きいことだといえるでしょう。
だから施術時間が時短しても、結果は以前と同じかそれ以上の解き進められた成果を起こしています。
ちなみに、そうした体内の筋肉と骨格と皮膚、そしてスケルトンの図中を経絡線が走行し、
その経絡には流注の各関連する臓器とのつながり等のあらわれている絵など、
一番画期的に勉強させていただけたのが、やはりAndroid版アプリ 「針灸大使」のおかげ。
今回のまとまった勉強をするときに、このアプリにお世話になりました。
肺経を表示させたAndroid版アプリ 「針灸大使」
本からじゃ、今の私の脳内に描く体内の経絡のラインが見ようとしても絶対ムリですね。
一ヶ月ほどの短期でこうした見方の基礎をあたえてくれはしない。
はっきりとそう断言できます。
タブレットを2台立ち上げて、一機はAndroid版アプリ 「針灸大使」を恒常的に表示し続け、
人体を3次元的に表示して把握します。
50cmサイズの経絡人形も小脇に挟んで随時確認を怠りません。
もう一機のタブレットで経穴データを検索抽出して突き合わせて問題の回答を実践的に得る訓練をしつつ、
経絡・経穴の専門書を開き読み必須要項の条項を補完していく。
約半月の間ですが、自宅で缶詰になってそうした座業を、覚えられない焦りを尻目に、
ひたすらし続けたものです。
するとお客様の手足や胴、首や頭部や顔面部に、空想上の私だけが見えている経絡線が浮き出てきました。
ただし予想以上に作業が大変さを極めたため、
残念ながら経穴の正確な位置は、現状真鍮の棒を自分の該当経穴に押し当てて確認を図りつつ、
少しずつ学習を進めている段階です。
そうした正確な経穴位置を求めるときもAndroid版アプリ 「針灸大使」が役に立ちます。
基本的に私の場合、筋組織の位置は正確に把握できているため、Android版アプリ 「針灸大使」で、
該当する経絡をディスプレーに表示させて筋肉モデルで表示させるたものをみれば、
「この筋同士の隙間のここのことね」等々、たやすく皮下組織以下にある筋をモニターして見つけ出せます。
見つけた経穴を真鍮の棒で探るとズンッといったりガツンッという経穴独特の反応が診られる場所もあり、
そうした手作業を通してひとつずつ順を追って経穴の正しい位置を記憶しているところです。