施術者にとってみれば施術方法名は共通言語


民間医療分野のオステオパシーの本などからテクニックを学ぼうとすると、
言葉の表現でつまずくことがあります。
施術方法の名前が難しく見えてしまい
本を開いただけでプレッシャーがのしかかる。
テクニックの名称なんて覚えなくてもいいと豪語するひともいたりで。
悩ましいところです。


たとえばワークで最近行っている施術方法。
仰向けに寝てもらい片足を膝をまげる。
私がその曲げた片足側の座骨の下と上前腸骨棘の下に片手ずつ添える。
その状態で私が座骨を上に持ち上げ上前腸骨棘を下に押し
曲げられた片足を上方に持ち上げる動作を行う。
ちなみに上前腸骨棘とは骨盤の前方にある出っ張っている部分のこと。


それを「オステオパシー・テクニック・ハンドブック」という書籍では
下記のようなテクニック名で紹介しています。


『腹臥位による仙腸関節後方スラスト』
英名では『Supine thrust backwards on sacro-iliac』です。
いきなりこんな施術名を告げられたら
なんだかどんなことをされるかイメージが思い浮かばないですよね。
でもこの施術方法名などはまだまだ序の口です。
他のテクニックも一様にまたそれ以上に難解な専門用語で彩られています。


そして施術を行うときのセオリーとしては、
不特定なテクニックをなるべく用いないで、
名称があるテクニックを用いて成果や備考などを記録できるようにすること。
そのようにして再現性ある結果を得るためのアプローチが勧められています。


上記の名称を知っている先生ならば、
名称を言い伝えれば瞬時に共通認識が得られる。
コミュニケーションがとりやすくなるわけです。
だから難解でも記憶していく必要があるのです。


お客様に説明するときは専門用語を使うと混乱なさるので使いませんが、
同業の先生には専門用語をご存知と推測して話を進めます。
だからことのほか短時間で内容の濃い情報を交換できます。


ある程度高度な内容をシェアするときは、
互いのレベルが不釣合いではうまくいかないものです。
経験的にそう知るものは自分のレベルをあげることで
釣り合いの取れる相手が得られることを知っています。
自助努力をしなければそこでとどまるしかないのが掟。
だから地道に専門用語を記憶する努力を積み重ねるのは大切なのです。