医は仁術のそのまんまのお話


もうひとりのあなた―頭蓋仙骨治療法体性感情解放法』という本があります。
オステオパシーに精通している方なら頭蓋仙骨治療と聞けば、
この本の著者であるDrアプレジャーを思い出すでしょう。


この本の中で印象的な頭蓋仙骨治療をおこなった例が紹介されています。


P105の「シスター アン ブルックス」です。


話を私なりに要約させてください。m__m


                                            • -
          • 要約1ここから-----


アプレジャーは貧しい人には無料で施術を受けていただけるクリニックを
フロリダで運営していた。
企業や個人から寄付を得ての運営だが、
無論営利を目的にしてはいない。
そのクリニックでボランティアをしたいとシスター アンは申し出た。


だがシスター アンは20年来自らの身体は関節リュウマチに蝕まれ、
苦痛のなかで貧民街の学校で校長を勤めていた。
病状は悪化していく。
ついには医師に人工股関節を入れる手術が必要と宣告された。
そのため貧民街の学校を歩行困難により辞任せざるをえなくなる。
だがいまだに貧しい人たちに尽くしたい気持ちを持ち続けている。
そのようなときにアプレジャーの無料クリニックを聞きつけて、
貧しい人に尽くす姿勢に共感してボランティアを申し出たのです。


そしてシスター アンの施術が始まったのです。
触れるだけで飛び上がるほどの激痛。
そのため圧をかける手技は使えない。
針治療と頭蓋仙骨治療や栄養学的アドバイスをおこないました。


治療が功を奏して数週間で車椅子が必要なくなり、
通常のオステオパシーの手技も行えるようになりました。
そしてシスター アンのリハビリは一年以内で終了した。
彼女は無料クリニックで休みなく常勤で働き続けました。


          • 要約1ここまで-----
                                            • -


シスター アンの窮状に対処できたのは
アプレジャーが治療の痛みが少ない針治療や頭蓋仙骨治療などを
深く研究して成果をだせるほどの技量に達していたからでしょう。


アプレジャー先生との出会いは神のお導きでしょうか。
身体が改善したおかげで
無料クリニックで働く希望もかないました。


ただただアプレジャー先生の治療技術と
シスター アンの奉仕の精神に脱帽するばかりです。


そしてもう少し話に続きがあります。



                                            • -
          • 要約2ここから-----


のちにアプレジャー先生がフロリダからミシガンに転居して、
二人は離れることとなりました。


そのおりフロリダ大学がシスター アンに
医療補助をする資格をとらないかと勧めてくれた。
そのことについて彼女はアプレジャー先生のお宅に訪れて相談した。
するとアプレジャー先生は、医師の助手には仕事に限界があるため、
医師になることを彼女に勧めた。
もちろん彼女の年齢の問題や難しい医科大への入学、学習、卒業。
通常ならばくじけそうな難問だが彼女は少し悩んだ後「OK!」と。
そして困難の末に医師になりました。

          • 要約2ここまで-----
                                            • -


あまりもすごすぎる展開です。
医師になれと勧めたアプレジャー先生もすごいですが
医師になる決断をして人生半ばを過ぎてからその初志を貫いたシスターも。


数年前までは人工股関節を宣告された人生でした。
それが今では自身が医師となり以前にもまして貧しい人々に奉仕できる。


優れた医師との出会いがここまで人の人生を輝かしく変えました。


そして最後に。
アプレジャー先生がシスター アンに、
関節リュウマチを治療した過程で一番の鍵は何であったかをたずねました。
すると躊躇なく、
80%がアプレジャー先生がシスターアンに対する気持ちであり、
残りの20%が針治療、栄養治療、頭蓋仙骨治療などをあわせた治療だ、
といいました。


なんだか医は仁術といいますが、
そのまんまの評価をしたのです。


治療技術がすばらしいのはシスターアンも理解しているはずですが、
それ以上のアプレジャー先生を信頼した気持ちの深さが伺えました。


アプレジャー先生ほどの方はなかなかおられない稀有な存在です。
ですがそのような先生が世の中におられるのだと思うだけで、
心が満たされていく気持ちです。