武道の奥義とネパールの子供たち。

僕自身は若いころは太極拳をゆるくやっていた程度。
激しい武道らしいものをやった記憶はない。
今後も激しいことをしていくことはないと思う。
激しくないものは実践してはいるが。

ではなぜ武道の本が多いのか?
自分でも並べてみて不思議に思えてきた。
ボディワークの延長線上に武道の本を並べている。
スポーツバイオメカニズムなどの本を読んでいくと、
徐々に武道の不思議を意識するようになる。

いかにもマジックというものは、
確かにマジックのものもあるかもしれないが、
道理が裏に通っているものもある。

その道理をかいま見たい、という欲求が強くある。
その道理を見つけたらとても役に立ちそうだと思う。
僕個人の持ち物としてではなく、
広く多くの方とシェアできればすばらしい。

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昔、ネパールの子供たちの話を聞いたことがある。

ネパールの子供たち。

日本から派遣された現地調査でその子供たち一人一人に、
問題を出し、答えてもらう。
テストして子供たちの知識量をチェックするというものだ。
一人の子供に質問をする。
するとその子供が答える前にみんなが答えてしまう。
嬉々として。

【調査員】「みんな〜、この子に問題を出しているんだ。みんなは答えないで」
【こども達】「なんで?なんでその子だけしか答えちゃいけないの?わからない!」

ネパールの過酷な自然環境。
そのなかで生きる子供たち。
力を合わせて生き抜くことが至上命題。
その問題を解決することが問題で、
誰がそれを解決するかは問題ではない。
問題が解けなければそれは厳しい自然に打ち負けてしまい、
最悪、死を意味する。

一人の知識より、チームの総合力を活かす。

答えたものも威張るでもない。
答えなかったものも同様。
彼らには劣等感は存在しない。
(この劣等感が存在しない人がいることをしったとき、
驚きと共にうれしさが込み上げてきた。)

厳しさに真剣に立ち向かい生きている姿勢。
そこから生まれた姿勢。とても素敵なものだと思う。

企業の場合、コアコンピタンスとして秘密保持をすべきときもある。
ただそのコアを広く共有するネパールの子供たちの姿勢があれば、
もっと楽になれるし互いにハッピーになれるのかもしれない。
難しいところですよね。

ネパールの子供たちのキャラクターが生き生きと描かれた物語を、
もっと読んでみたり知りたいと思う今日この頃です。