筋肉を伸ばさず縮めるトレーニング方法『MUT』

筋肉を伸ばさず縮めるトレーニング方法。
『マッスルユニットトレーニング』

これはキネシオテープという通気性が富み収縮力があるテープを開発した
米国公認カイロプラクティックドクター加瀬建造の提唱するトレーニング法。




筋肉の特性をよく理解したトレーニング方法です。


私がワークのとき。
足を持ち上げたりして、
筋肉の一方側面をストレッチしているように見える動作をする。
でもたいていは次のように言いますか意図しています。
『決してストレッチを強いたいわけではない。
ストレッチを受けている筋肉の裏面を縮めたいからしている』のです。



無理に伸ばしてより強く緊張させるようなことをすれば、
組織を断裂させないようにかばう反応が起きて硬さが増す。
逆に緊張した筋肉を縮めることで、
筋肉の緊張を緩ませるのですね。



たとえば猫が寝ていて起き掛けに背骨をぐぅ〜いっと引き延ばす動作。
それも別にストレッチをしているわけではなくて、
本能的にストレッチされた裏面にある<縮ませて筋力をアップさせたい部分を刺激>している。
それが肩甲骨裏手の筋肉だったり、
肩部分深部の呼吸に関する筋肉群。
そして腰骨と骨盤のつなぎ目の関節部分。
などなど。。。
ここを縮ませることで目覚めた後の活動を即座に活性化させているのです。


たとえば既に緊張して硬い筋肉と化したところの中を通る血管。
その血管特性として周囲の硬化した筋により圧迫を受けている。
血管が細く縮みだして血流が悪化した状態。
部分的にストローを無理やり引っ張って伸ばしたような、
血管の穴が細くなって通りが悪いものだからいつまでたっても
そこの炎症を起こしている部分を癒せない。
癒すためには多量の栄養分豊富な血液や酸素を必要とする。
それがなければ細胞組織を新しく丈夫なものと入れ換える力がない。


無理にこの細い穴しかない血管をもっと細くなるように筋肉を伸ばす。
そのようなストレッチをするとどうなるだろうか?
結果は極々物理的な現象ですが血液という流体が
より細い血管を通り抜けしにくい状態を造り出す。


アキレス腱とか筋膜という部分は一端引き延ばされてしまうと
元通りに縮むことはありません。
すると骨をコントロールする能力を低下させます。
弾性力を失い塑性してしまうのです。
筋肉を取り巻く筋膜も血管を取り巻く膜も同様な特性を持つ。
だから無理して伸ばしてしまいたくないのですね。
異常化した筋膜は元通りになりにくいのですから。


塑性異常化した筋膜をかかえているのに、
無理やりストレッチをしてしまったら。。。


元通りにするためには筋膜をリリースするための
専門的なケア方法を丁寧に施さなければなりません。
ただアキレス腱断裂と聞いたことがあるように筋膜自体が破れてしまう。
そのような状態においては私どもの出る幕ではなく外科的なケアが必要。


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だが一般的に
『ストレッチをすることは身体を柔軟にする良いこと』というイメージ。
ここに一歩間違えると体調をより悪化させてしまうリスクがあるのです。


素晴らしいストレッチ指導者はこの内容について把握しています。
だから無理をさせることはありません。
『気持ちよい程度』で始めさせてくれるのです。
それから段階を経て改善実績を積み重ねていく。
ストレッチ方法もいくつもの注意点があるので、
その型や意識する場所などが正確にするよう指導。
これがあればストレッチによる改善も適うと思います。
ストレッチはかなりスキルフルなものということを認識くださいね。

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マッスルユニットトレーニングに関する一般書もあります。
マッスルユニットトレーニングのエクササイズ方法も紹介されています。
関心がある方は本屋で見てみましょう。^-^-


マッスルユニット・トレーニング―伸ばさず縮める


書籍:マッスルユニット・トレーニング―伸ばさず縮める
著者:加瀬 建造
出版:ベースボールマガジン社